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2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
発行日時: 2008/1/25●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記」
日本の年中行事とむかし話
〜21世紀に活躍する子ども達の心を育てる〜
2008年 1月25日
−12−
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第3章(4) 何といっても正月ですね 睦 月
【一月に読んであげたい本】
正月に関するむかし話は、たくさんありますが、この話は、欠かせないでしょ
う。
「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」の十二支のことで、こ
れを決めた事の次第を話にしたものですが、いたちが出てくるとは知りません
でした。
◆十二支のはじまり 小沢 重雄 著
「元旦の朝、新年のあいさつにきた順番に、その動物の年にして、人間世界を
守らせてやる。ただし、一番から十二番まで」
と神様からのお触れが出て、動物たちは大喜び。
ところが、ねこは、その日を忘れてしまい、運良く(本当は運悪くですが)会
ったねずみに、二日目の朝だと嘘をつかれます。
計られたとも知らずに、ねこは神様のお住まいになる御殿の門を叩いたのです
が、
「十二支は決まった。寝ぼけていないで、顔でも洗ってこい」
と神様に怒られ、だまされたと気づいたのです。
それからというもの、ねこは寝ぼけないように、いつでも顔を洗うようになり、
嘘を教えたねずみを追いかけるようになったのでした。
ところが、ねこの他にも、十二支に入れなかった動物がいました、いたちです。
お触れがこなかったから、やり直してほしいと申したてをします。
手を焼いた神様でしたが、名案を考え出します。
「一年に十二日だけ、おまえの日にしてあげよう。月の始めは縁起のいい日だ
から。ただし、『いたちの日』とすると、他の動物が騒ぎだすから、頭に「つ」
をつけることにする」
と提案をします。
数をいうときには、一つ、二つと、必ず「つ」をつける大切な字だと説得され、
月の初めを「ついたち」と呼ぶようになったのです。
一月の話
ねこの正月 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
日本民話の会 編 国土社 刊
朔日は、月立(つきたち)から出た言葉ですが、これを読んだとき、しばらく
笑いが止まりませんでした、神様といたちのやりとりが、本当におかしいので
す。
しかも、場所は図書館でしたから、困りはてた様子をご想像ください。
五、六歳の子どもにとって、一日から十日までと、十四日、二十日、二十四日
は、覚えるのも難しく、きちんといえる子はあまりいません。
一日は、これで卒業できますね。
二十日は、「二十日ネズミは二十日間しか生きられないから二十日ネズミとい
うんだよ」と、得意そうに教えてくれた子がいましたが、真相は定かではあり
ませんけれど、これでクリアできます。
ところで、つい最近、小学校一年生の子どもが、この読み方を歌にしたものが
あるといって歌ってくれましたが、実にうまく出来ていて、これで簡単に覚え
られます。
残念なことに題名を思い出せませんので、済みませんが、探してあげてくださ
い。
大人でもよく間違える「十日」ですが、「とおか」、「とうか」どっちでしょ
うか。
氷、王さま、通りは、「お」「う」のどちらでしょうか、小学校一年生のとき
に習います。
正月といえば、欠かせないのは七福神でしょう。
この話には、神様、一人ひとりの紹介はありませんが、七福神の話です。
これとよく似た話で、大晦日に長者に宿を断られた乞食が、貧乏人の家に泊め
てもらい、そのお礼に若水をもらい若返った話を聞いた長者が、乞食を無理や
り泊まらせ若水を強要し、あまり欲張ったために猿になった話や、赤ん坊にな
ってしまうのもあります。
暮れから正月の話ですが、七福神の登場ということで、一月の話にしました。
◆正月の神さん 渋谷 勲 著
ある年の大晦日に、貧乏なじいさまの家へ、七人の旅人が来て、笠を貸してほ
しいというのですが、家中、探したが六人分しかなく、大事にしまっていたご
祝儀用の合羽を貸したのでした。
それから一年たった大晦日の晩のこと。
今年も年越しのご馳走の用意ができずに、白湯を呑んでいると、急に騒がしく
なり、あの七人の旅人が入ってきたではありませんか。
実は、旅人は神様で、笠のお礼にきたのでした。
打出の小槌から、米や魚やら、二人の欲しいものが何でも出て、寝る場所もな
くなるほどです。
もっと欲しいものはないかという神様に、
「もう少し若ければ子どもを授かりたいものだ」
とおばあさんはいいました。
すると神様は、
「明日は、元旦だ。目が覚めたら、二人そろってあいつをしなさい」
といって帰ったのです。
元旦の朝、目を覚ました二人は、「おめでとう」とあいさつをすると、十七、
八のいい若者になり、それからというもの、何人もの子宝に恵まれて、一生、
安穏に暮らしたのです。
一月のおはなし
ねこの正月 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修 日本民話の会・編
国土社 刊
七福とは、「仁王経」(仁王護国般若波羅蜜経)の「七難即滅して七福即生す」
に由来するものといわれ、江戸時代を築いた徳川家康が、七福によって天下を
統一したとして、家康の相談役・天海僧正が、神仏の七徳を崇めるようにと七
福神信仰を勧めたため、江戸時代に流行したのです。
ちなみに、七徳とは、恵比寿の清廉、大黒の有徳、弁財天の愛敬、毘沙門天の
威光、福禄寿の人望、寿老人の長寿、布袋の大量(心が広いこと)をいいます。
ところで、七福神の国籍(?)を調べてみると、恵比寿は日本の神道、大黒天
と毘沙門天はインドの仏教、弁財天はインドのヒンドゥー教、そして布袋、寿
老人、福禄寿は中国の道教から生まれた神様なのです。
異教の神様や仏様を、いくら「呉越同舟」(呉・越共に中国は春秋十二国の一
つで、互いによく争ったことから、仲の悪いもの同士が一所にいること)の四
字熟語があるからといって、同じ船にお乗せして問題が起こらないのでしょう
か。
キリスト教など他の宗教では考えられないことです。
「融通無碍(ゆうづうむげ)考え方や行動が、何事にもとらわれず自由である
こと」、というのでしょうか、本当に日本人らしいですね。
昔は、帆掛け船に乗った七福神の絵を枕の下にしいて、いい夢を見たそうです
が、私もそのようにした記憶はありませんから、かなり前の話のようです。
その夢ですが、正月というと、これも忘れられませんね、初夢です。
初夢は、室町時代には除夜から元旦にかけて見る夢でした。
それが、江戸時代の中頃から、除夜は起き明かす習慣となり、元旦の夜に見る
夢となっていましたが、「すべての事始めは二日」ということから、今では、
二日の夜に見る夢となったのです。
これも、一つ紹介しておかないといけないでしょう。
◆ゆめみこぞう 渋谷 薫 著
ある長者のところに、ふろたきをしている灰坊と呼ばれる若者がいました。
ある正月の二日の晩、灰坊は、よい夢を見たのです。
その夢を長者が買おうといいますが、灰坊は売りません。
怒った長者は下男に命じ、灰坊を縛り上げて木箱の中へ詰め、海に投げ込んで
しまいました。
二十一日間、波に揺られて着いたところが鬼が島。
鬼の親方に食べられる前に、海に流されたわけを聞かれ、その話をすると、親
方が、その夢をくれれば食わないで、家に返してやるという。
断ると、三つの宝物、射すと死ぬ死に針、死人を生き返せる生き針、千里を一
飛びする千里車と交換しないかと灰坊の前に置いたのですが、灰坊が「本物か?」
と疑わしそうにいうと、試してみるがよいと腕を出したので、灰坊は、その腕
に死に針を刺して殺し、生き針を持って千里車に乗り、鬼が島を脱出したので
す。
着いたところが、ある村の観音さまのお堂。
休んでいると、お参りに来た人達が、朝日長者の十七になる娘が死んだと話し
ているのです。
それを聞いた灰坊は、長者の家にかけつけ、
「死んだ者を生き返す、日本一のお医者さま! 死んだ者は、おらんかなー!」
と大声で叫びます。
直ぐに死んだ娘の座敷に案内され、人払いをしてもらい、生き針を娘に射して
みると生き返ったのです。
喜んだ長者は、婿になってほしいと頼み込み、灰坊は朝日長者の娘婿になった
のです。
これこそ灰坊が、見た夢、そのものだったのです。
一月のおはなし
ねこの正月 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修 日本民話の会・編
国土社 刊
正月ですから、ご祝儀を一つ。
これも、むかし話の定番ですが、まま母の子どもいじめです。
「親になるにもライセンスが必要」とおっしゃった方がいるそうですが、幼子
への虐待は、親といえども許されることではありません。
ましてや親の手にかかり殺される子は、どんな気持ちでこの世を去ったのでし
ょう。
殺人犯は、実の親なのですから……。
また、ごく普通の家庭でも、父親は女の子に、母親は男の子に甘くなりがちで
す。
子どもは、小さい目で、しっかり見ていることを忘れないでほしいのです。
話に出てくる季節の変わる様子は、古い話で恐縮ですが、高校時代に観た映画、
マルシャークの「森は生きている」を思い出します。
気まぐれな女王が、真冬に4月の花であるマツユキソウをほしいといい、継母
の言いつけで吹雪の森へ行き、12月の妖精たちに出会う話となっています。
これと同じような話が、スロバキヤの民謡に「マルーシカと12の月」があり
ます。
こういった話を聞くたびに、人間の考えることは、「同じなんだな」と、しみ
じみと嬉しくなります。
◆六月のむすこ 松谷 みよ子 著
むかし、あるところに母親と二人の娘がいて、妹は実の子、姉はままっ子でし
た。
ある年の正月、妹は、いちごを食べたいという。
母親も取り合わなかったのですが、わがままに育てられていますから押し切ら
れ、取ってこいとかごをしょわされ、山へ向かいますが、いちごなどあるわけ
がありません。
途方にくれていると、白ひげのじさまと会い、訳を聞いてくれ、あたたかい感
じのする家に案内されたのです。
いろりの前に姉を座らせ、この家に一月から十二月まで、十二の月の兄弟と住
んでいて、どの息子も自分の月を呼び出せるといい、声をかけると、奥から一
人の若者が出てきたのです。
訳を話すと、今は一月、私の出る番の六月まで、一月から五月までの五人の兄
弟の助けが必要だという。
再び声をかけると、五人の若者が現れ、みんな外へ出たのです。
すると、雪がとけ、あたたかな日がさし、土が姿を見せ、草や木の芽がもえ、
花が咲き、小鳥は歌い、いちごが、実ったのです。
かご、いっぱいに摘んだのを見たじいさまに、雪が降らない内に帰りなさいと
いわれ、走るように山を下った後から、雪が降りはじめ、ふもとに着くと山は、
もとの銀世界でした。
家に帰ると、二人で、いちごを瞬く間に食べたばかりか、妹はもっと食べたい
と泣きわめき、母親は殿さまにあげれば、ご褒美にありつけたと悔しがり、再
び山へ行けというのです。
姉は不思議なじいさまとの出会いを話し、二度は無理だというのですが、
「いうことを聞けんのか」
と怒り狂っていましたが、急に気が変わり、二人で、じいさまに会ってくると
出かける準備をはじめます。
姉は、必死に止めましたが、大きなかごをしょい、山へ出かけたきり、二度と
戻って来ませんでした。
日本むかしばなし 18
まほうをとくむすめ 民話の研究会 編 櫓良 良春 絵
ポプラ社 刊
最近、継母という言葉は、余り聞かないようになりましたが、幼児虐待の話は、
よく聞きます。
それも、育児に、一生懸命なお母さんが虐待しがちだと聞くと、救いがありま
せん。
四六時中、お子さんと顔を合わせていますから、あまりのわからず屋に、カッ
となる時もあるでしょう、わかります。
しかし、そこが我慢のしどころです。
育児には、「耐えて、忍ばなければならない時期」があります。
心の傷は、間違いなく子どもの心に残こり、それを背負って生きていくのです。
子育ては、「育児」しながら 「育自」することです。
お母さん方は、自力で自身を成長させなくて、だれがさせてくれますか。
だれも、力を、機会を与えてくれません。
その教材が、お子さんと考えてはいかがでしょうか。
お子さんは、ご両親で作る環境でしか育ちません。
幼児期だけではないでしょうか、ご両親が心を一つにして育児に専念するのは、
このことです。
子どもは授かりものです、授からない人も、多くいることを考えてみましょう。
謙虚な気持ちで育てる、この気持ちを忘れないことが大切ではないでしょうか。
最後に、「七草」に関する話が「御伽草紙」にあります。
若いときは、とかく親のことなど考えないものです。
だから、「今の若い者は」などと口幅ったいことは言いません。
でも、「親孝行、したいときには親はなし」なのです……。
実感しています。
この「御伽草紙」には、「鉢かつぎ」「酒呑童子」「浦島太郎」「ものぐさ太
郎」など子どもの頃に聞いた懐かしい話が入っています。
中でも傑作なのは「猫の草紙」で、昔は猫も首輪をされていたそうです。
ところが、「首輪をしてはならぬ」とのお触れが出て、それまで自由に走り回
っていたねずみは、猫に捕まり食い殺される恐怖の世界に一変するのです。
「十二支の始まり」と同様、猫とねずみの因果関係を納得させられる話です。
原文を読むのは、少し面倒ですが、図書館の子どもの部屋には、小学生から中
学生向きに書き直されたものがありますから、気軽に読めます。
現代人が忘れかけているものがたくさんありますが、ロマンも、その一つでは
ないでしょうか。
◆七草草紙 北畠 八穂 著
正月七日に七草がゆを食べる習慣になったのは、唐国(中国)の楚の国のそば
に住んでいた、大しゅうという人が始めたものだそうです。
大しゅうの両親は百歳をこえ、腰は曲がり、目も耳も悪くなるばかり。
そこで、両親を若くしたいと、天地の神仏に二十一日間、祈ったのでした。
すると、二十一目の夕方、帝釈天王が現れ、若返りの秘訣を授けてくれたので
す。
それは須弥山(しゅみせん 仏教で、世界の中心にそびえ立つという高山)に
棲む白鵞鳥が八千年も生きるのは、春に七色の草を集めて食べるからで、その
白鵞鳥の命を両親の命にしてあげようと、摘んでくる七草の種類、たたく順序、
時間など秘薬にする方法を授けたのです。
大しゅうは、七草を集め、六日の夕方からたたきだし、七日の朝に飲ませると、
両親は若さを取り戻したのでした。
この話が帝にも届き、褒美として広い土地をあたえ、殿さまにしてくれたので
す。
それから七草を正月七日に帝へ差しあげることになり、若水・七草も、これが
はじまりだそうです。
このように親に心を尽くす人には、天の幸いが授かるのです。
御伽草子 古典文学全集 13 ポプラ社 刊
(次回は、「第4章 豆まき、節分でしょう」についてお話しましょう)
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