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2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
発行日時: 2008/1/18●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記」
日本の年中行事とむかし話
〜21世紀に活躍する子ども達の心を育てる〜
2008年 1月18日
−11−
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第3章(3) 何といっても正月ですね 睦 月
◇お節料理◇
お雑煮を食べながらいただくおかず、これがお節料理です。
私の子どもの時でもそうでしたが、一年に一度か二度、滅多なことではお目に
かかれない重箱というものがあって、そこにいろいろな料理を詰めるのです。
木から出きている箱で、普通は漆で塗られ、外側は、きれいな絵や模様で飾ら
れ、二重、三重、五重と積み重ねられるものです。
今のお節料理は、中華風や洋風などがあるようですね。
食べ物が豊富ですから、精進料理風は受けないのでしょう。
お節料理は、元旦の朝に神様と一緒にお祝いをして、家族が健康で、良いこと
がたくさんあるように、お祈りをするための食事ですから、縁起ものしか選ば
れません。
ものの本によれば、その中で欠かせないものが三つあります。
三は、縁起のいい数字です。
そういえば、七五三の祝いも、全部、奇数ですし、ラッキー・セブンも奇数で
す。
関東では、黒豆、数の子、ごまめをいい、関西では、黒豆、数の子、炊きごぼ
うが欠かせない三つの祝い物です。
黒は、魔除けの色といわれ、悪魔が嫌う色です。
豆は、「まめに生きる」といって、真面目に、健康に生きる願いが込められて
います。
数の子は、にしんの卵巣で、数万の卵があることから、「数多い子」、子孫繁
栄の意味で縁起がよいといわれ、また「春告魚」とも書き、「春よ、早く来い!」
と願っています。
ごまめは「五万米」とも書くことで、豊作を願っています。
ごぼうは、お米がたくさん取れた時に飛んでくるといわれる黒い瑞鳥を表した
ものです。この三つは、必ず食べたそうですが、子どもは、きんとん、だて巻
き、かまぼこ、えびや鯛、八つ頭(里芋の一種)こんにゃくなどを食べていま
した。
きんとんは「金団」と書いて「金の塊」のこと、だて巻の「伊達」は「粋で美
しい様」、かまぼこの赤は黒と同様に「魔よけ」、白は「清浄」を表し、八つ
頭は「人の頭に立つ人になってほしいことを願っている」といったように、お
せち料理は縁起を担いだ食べ物からできています。
さて、今はどうでしょうか。
ウインナー、ハンバーグ、餃子、鶏やえびの唐揚げ、ポテトフライが主役とか。
こういうものを朝祝いに食べ、初詣に神社へ行って神様にお願いする、何だか
おかしくありませんか。
神様は、和食派ですから、何やら、ちぐはぐな感じがしますね。
正式なお節料理は、四段重ねです。
上から一の重、二の重といい、一の重には、先程の三つの肴、黒豆、数の子、
ごまめ、二の重は「口取り」といい今風の言葉で表せばオードブルで、きんと
ん、ゆず玉、だて巻などが、三の重は、えびやあわび、鯛などの「海の幸」を、
四の重は「与の重」といい、八つ頭、はす、くわい、里芋などの「山の幸」を
入れます。
そして、詰める品数は、奇数がよいとされ、ここまでこだわります。
祝いの膳に欠かせない尾頭付きの鯛ですが、徒然草では、鯉が「やんごとなき
魚なり」と紹介されています。
そういえば、先に紹介しました世界の四大聖人の一人、孔子さまの子息の名前
は「鯉」といいます。
お祝いに、王様から、鯉をいただいたことから命名されたそうですが、当時、
中国では、魚の王様は鯉だったのです。
ところが、江戸時代になると鯛が鯉に代わり、祝い膳のトップに躍進し、今に
至っても、その座を他の魚に許していません。
姿、形がよく、色鮮やかで、生でも焼いても汁にしてもうまい、これでしょう
ね。
しかし、父は、「鯛は、いつでも食べられるから旬がなく、その分、損しとる
のや」といっていましたが、今では鰹や秋刀魚も、いつでも食卓に上がります。
食生活は豊かになりましたが、そのために失ったものもたくさんあります。
季節感が希薄になったのも、その一つでしょう。
魚に限らず旬のものは、その時にしっかりと食べさせてあげ、季節を味わいま
しょう。
入試に出る季節を問う問題は、こういった経験を積んでいれば間違うこともあ
りません。
さて、お節料理の中心は、煮物です。
煮物は、素材を、そのまま煮炊きできませんから、その下ごしらえから味付け
まで、手間がかかりますし、それに味付けが一番難しいといわれています。
味付けで素材の持ち味が決まりますから。
ところで、おせち料理は、三が日の間、お母さん方から料理をする手間から開
放してあげる配慮があったと聞きましたが、定かではありません。
今や、レトルト食品が食卓を飾る時代です。
「お母さんの得意なお料理は何ですか」
と聞かれたお嬢さんが、こう答えたそうです。
「電子レンジでチーンをするカレーライスです!」
そして、お母さんに、なぜ、この学校を選んだのかと聞いたところ、
「御校の手作りの教育に賛同して受験させていただきました」
といったそうですが、できすぎたジョークと考えたいものです。
この話は、私立名門小学校の面接試験で、実際にあったそうです。
「聡明な女性は、料理もうまい」といった本があったと記憶していますけど……。
◇屠 蘇◇
読み方からして、やっかいです。
「とそ」といって、さんしょう、にっけい、ききょう、ぼうふうなどの薬草を、
砕いて調合した屠蘇散をひたした味りんのことで、これが正月のセレモニーの
主役でした。
これを杯に注いで、父が、「おめでとうございます」といわないことには、新
年の朝祝いは始まりません。
これは、不老長寿の効き目があるといわれ、正月の祝い酒でした。
しかし、どうして、こんなものがおいしいのだろうかと思いましたね。
さんしようは、うなぎを食べるときに使うものですし、にっけいは、にっきのこと
で刺激が強く、ききょうは、根を干したものはせき止めの薬ですし、ぼうふう
はセリの仲間です。
聞いただけで、飲むのを遠慮したくなりませんか。
父から、ちょっとなめさせてもらいましたが、大人は、なぜ、こんなまずいも
のを飲みたがるのか不思議な気がしました。
しかし、何事も訳ありです。
屠蘇は、「鬼気を屠絶し、人魂を蘇生させる」という意味があり、「その年の
邪気を払い、寿命をのばす働きがある」と信じられていました。
ですから、邪気を払い、不老長寿を願う、正月には欠かせない祝い酒でもあっ
たのです。
今は朝祝いに屠蘇を飲まないでしょう。
シャンペンかワインかお酒でしょう、いや、酎ハイかもしれません。
ウイスキーでの乾杯は、日本では、あまりお目にかかれないでしょう。
しかし、映画の西部劇などで、バーのカウンターで干し肉をかじりながら、ウ
イスキーをストレートで一息に飲みほすのは、格好いいものです。
まねをしたらせき込んでしまい、苦しい思いをしたことがあります。
それ以来、二度と挑戦していません。
屠蘇で乾杯して大人はお酒です。
子どもはお節料理を食べながら、お雑煮をいただきますが、両親とも着物です。
母は着物の上に、そで付きの前掛けというのでしょうか、割烹着をつけていま
した。
父は立派に見え、母はきれいだと思ったものです。
そして、なぜか子どもたちも新しい服を着せられていました。
新しい年神様を、誠心誠意でお迎えした雰囲気がありましたね。
また、これも忘れられませんが、テーブルと椅子の時代ではなく、足の低い食
卓、ちゃぶ台で食事をしていました。
もちろん、正座をしてご飯を食べます、正座です。
姿勢が崩れると父が、恐い顔してにらみますから、おかしないい方ですが、真
剣に、真面目に食べていました。
ですから、姿勢も良くなったし、食事のマナーもたたき込まれました。
現代っ子は、姿勢の悪い子もいますし、妙なはしの持ち方をしている子もいま
す。
ご飯をぼろぼろとこぼしても平気な子もいます、親も注意をしないようです。
テレビのせいもあると思います。
食事中は、テレビを消しましょう。
四、五歳の子には、「食べながら見る」といった二つの作業をこなすことはで
きません。
私の子ども時代と最も違ったのは食事ではないでしょうか。
テレビはありませんから、食事は、人が中心で、一家団欒の一時でした。
家族の会話があったような気がします。
しかし、椅子とテーブルになって、いちばん変わったのは、子どもたちの足が
長くなったことでしょう。
スタイルは、確かによくなりましたが、子どもに教えるべき生活習慣やしつけ
の面で失ったものも、数々あります……。
そして、年の順にお年玉をもらうのですが、これが楽しみでした。
でも、わずかでしたね、現代っ子は、銀行に預けるほどもらえるようです。
これは、はっきりいって不労所得です。
このことは真剣に考えないと、いけないと思います。
だから、お金の価値がわからなくなるのではないでしょうか。
汗水を流さずに、お金をたくさんもらうのは、決してよいことではありません。
子ども時代は、やはり「分相応の精神」は大切です。
★★初詣★★
朝祝いが済むと、近所の氏神さまへお参りをします。
ところが、最近はどうでしょうか。
「行く年、来る年」などを見ていると、全国の有名な神社、仏閣は、大勢の参
拝者でにぎわっています。
お賽銭を後の方から投げ込んでいる人さえいますが、参拝者が多いためでしょ
うけれど、これは投げ銭ですから神様に失礼で、ご利益は期待できません。
やはり、その年の神様と朝祝いを済ませ、神様に失礼にならない服装に着替え、
出かけるべきではないでしょうか。
そして、お子さんにも神前で、静かに頭を下げ、新年の希望や誓いなどをさせ
ましょう。
目に見えない大いなる存在に畏怖を抱くのは、決して悪いことではありません。
親が、きちんと礼拝をする姿を見せれば、それで十分なのです。
「我々日本人は畏怖することを忘れ、目に見えないものを敬うことを忘れ始め
たような気がしてなりません」
(「平成お徒歩日記」 宮部 みゆき 著 新潮社 刊 p193)
これは、神戸で起きた小学生殺人事件の容疑者が逮捕されたときの作者の言葉
ですが、今でも忘れられない一言となっています。(どうなるのかなと、ハラ
ハラしながら読んだ「模倣範」、傑作でした)
帰りには、不幸をもたらす悪魔を払う「破魔矢」や、七転八起を願う「だるま」
などの縁起物を買い、そのいわれを話してあげ、部屋に飾っておきましょう。
子どもなりに、夢を育てるものです。
また、「初日の出」を拝む習慣がありますが、普段でも、海上から昇る朝日や
夕焼けの山間に沈む夕日には、何ともいえぬ感動を覚えるものです。
ましてや、その年の初日の出となると、感慨もひとしおでしょう。
では、「日本でいちばん最初に初日の出を拝むことができるのはどこか」とい
うことですが、地形から考えると東へ行けば行くほど早くなり、また、南へ行
けば行くほど早く見られるわけですから、などと頭を使うことはありません。
高いところへ登れば遠くまで見通せますから、正解は富士山頂です。
ところで、ジャズのスタンダード・ナンバーに
「The world is waiting for the sunrise」(世界は日の出を待っている)
があります。
といっても、アメリカ人に「太陽遥拝」の信仰があるかといった問題ではなく、
第一次世界大戦後の不況から脱出したい願いをこめて作られ曲だそうです。
ジャズの演奏スタイルは、時代と共に変わってきましたが、大雑把に分けると
デキシーランド、スイング、モダンの3つがあり、デキシーランドには、ニュ
ーオーリンズ派とシカゴ派があります。
ニューオーリンズ派の名クラリネット奏者、ジョージ・ルイスの率いるバンド
が、オハイオ州立大学で行ったコンサートの中に、この曲の名演奏が入ってい
ます。
バンジョーの名手、ローレンス・マレローが、正確無比なビートで、最高にス
イングするソロを聴かせてくれます。
沈んだ夕日が昇ってくるのではと思うほどアグレッシブ、攻撃的な演奏で、音
はよくありませんが、いつ聴いても感動を新たにさせてくれる、ご機嫌な演奏
です。
私の正月は、これを聞くことから始まります。
話は変わりますが、ジョージ・ルイスのすばらしい音色を絶賛したのが、前衛
ジャズの大御所、サックス奏者のジョン・コルトレインでした。
音楽に新しい古いはないと思います、自前の感性に訴えるものがあれば、いい
のですから。
私は、ドラムを少しやっていますが、学生時代、ある黒人ドラム奏者に、「な
ぜ、そんなにスイングできるのですか」とあほみたいな質問をしたところ、
「なぜ、あなた方は、フォークソング(民謡)をあんなにうまく歌え、リズム
に乗れるのか」といわれ、ジャズのリズム(4ビート)に抱いていた劣等感を
拭い去ることができたような気がしました。
それぞれの民族は、長い時空を経て培われたリズム感があることです。
それから、私流のリズムを刻むことを覚えました、下手の横好きですが。
去年の暮れ、体力の限界を感じ、ラストコンサートを開き、バンドを解散しま
した。
何と、47年間、やっていたという、とてつもない道楽でした。
★★正月の遊び★★
たこ上げ、羽根つき、カルタにすご六、福笑いが、正月の遊びの定番でした。
今の子どもは、やらないでしょう。
テレビゲームやゲーム・ウオッチなど、一人で遊べるゲームに人気があります。
これが問題ではないでしょうか。
小学校時代に、友達と遊ぶことの楽しさを覚えないと、社会性は育ちません。
社会性が育たないと、共に生きる共生の心も育まれません。
人は一人では生きられないことを、もっと教える必要があります。
個性を育てるのとわがままを助長するのは、紙一重の差です。
我慢をすることのできない子が増えています。
[訓練されていない個性は野生である]と国府台女子学院の平田院長はおっし
ゃっています。
何だか話が脱線しそうです、私の守備範囲ではありませんから止めましょう。
昔の遊びの中にも、いいものもあります。
たとえば、すご六です。
サイコロを振り、出た目だけ動かなければなりません。
しかも前後左右に進んだり戻ったりしますから、混乱しがちです。
五、六歳の子にとって、出た数だけ上下、左右に移動するのは難しいものです。
いわゆる、「位置の確認」で、こういう遊びで覚えるのが効果的なのですが……。
このサイコロですが、1は●が1個、2は●●が2個ですから、二つのサイコ
ロを使うと足し算の学習になります。
数字を使いませんから、出た目を数えるだけで、簡単に答えが出ます。
最高十二までの足し算ができます。
二人で1個ずつ振って数の大きさで勝ち負けを競えば引き算になります。
その上をいく優れ物が、トランプです。
ゲームは勝敗が伴いますから、真剣に遊びます。
ということは、真面目に算数の学習、数感の学習をしていることになるのです。
ところで、トランプの絵札は、11はJ、12はQ、13はKとアルファベッ
トで表されています。
Kはキングで王様、Qはクイーンで女王様ですが、Jは何を表しているかご存
じですか。
Jは「ジャック」という人名の頭文字からとったもので、イギリスでは、ごく
ありふれた名前の代名詞として使われ、日本でいえば「太郎」にあたり、よく
耳にする名前を付けることで、名もない一兵士を象徴させているそうです。
4つのマークは、ハートは僧侶、スペードは軍人、ダイヤは商人、クラブは農
民と身分階級を表していますが、何事も訳ありなのですね。
★★春の七草★★
言葉だけが、一人歩きしているようです。
春の七草を摘める場所など、あるのでしょうか。
今は、デパートやスーパーなどで買うものになっているようです。
お母さん方も食べたことはありますか。
昔は、七日に今年一年間、病気にならないように、その病気のもとになるとい
われていたものを、体から追い払うために七草がゆを食べたそうです。
「そうです」で申しわけないのですが、私も記憶があやふやなのです。
おいしいといった印象がなかったからだと思っていましたが、七草がゆが盛ん
であったのは江戸時代までで、明治に入るとすたれていったそうですから、や
はり、縁がなかったわけですね。
七草は、せり、なずな、御形(おぎょう 母子草)、はこべら(はこべ)、仏
の座(たびら子の別称)、すずな(かぶ あおな)、すずしろ(大根 鏡草)
のことです。
昔は、こういった春を告げる草を親子で摘み、お節料理やおもちを食べすぎて、
お腹の調子が少し悪くなった時に、消化のよいおかゆに七草を入れて食べ、春
を実感していたのでしょう。
この七草に関して、覚えやすい歌があります。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、
すずな、すずしろ、これぞ七草
左大臣 四辻 善成(平安時代)
(次回は、「1月に読んであげたい本」についてお話しましょう)
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