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2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
発行日時: 2008/1/11●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記」
日本の年中行事とむかし話
〜21世紀に活躍する子ども達の心を育てる〜
2008年 1月11日
−10−
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第3章(2) 何といっても正月ですね 睦 月
★★正月の三点セット★★
◇しめ飾り◇
門松もそうですが、今は、あまり飾らなくなりました。
マンシションでは、玄関といっても建物の中ですから、何かおかしな感じがし
ます。
やはり、冷たい北風が吹きよせる玄関でなければ、様になりません。
本来、しめ縄は、神前など神聖なものと不浄なものとの境界線を示すために張
る縄のことで、わらを左捻りにして、三筋、五筋、七筋と順々にひねり垂らし、
その間に四手を下げたものです。
四手とは、横綱の化粧まわしの上にしめられた綱にさがっている、あれです。
地方によっては、えびやだいだいを一緒に飾った豪華版もあります。
わらは、稲や麦の茎を干したものです。
それで作ったしめ飾りで神様を迎えるのも、何やら意味あり気です。
農耕民族の生活の基盤は米ですからわかるような気がしませんか。
このわらで、いろいろな物を作っていたもので、子どもの頃、わらじをはいて
いました。
時代劇を見ると、みんなはいているのは、わらじか下駄です。
わらじの材料は、このわらです。
昔の人は、資源を無駄にしませんでした。
逆かもしれません、資源が貧しかったから大切に使ったのでしょう。
えびは「海老」とも書きますが、文字、そのものが「海のご隠居さん」です。
体が曲がっている姿から、お年寄りにたとえて、長寿を祈願したのです。
これが漢字の楽しいところでしょう、何となくイメージが浮かんできます。
横文字にもあるのでしょうか。
“LOBSTER”と書かれていても、日本人である私には、何のイメージも
わきませんが、字の並びに何か意味があるのでしょうか。
だいだいは、一家の幸せが、「代々」続いて欲しいという語ろ合わせです。
神様を迎えるしめ縄に、いろいろとお願いするのでから、頼まれる神様も大変
です。
◇門 松◇
門松の方が、まだ受け継がれているかもしれません。
しかし、庶民派の門松は、松だけです。
銀行やデパート、大きな会社の玄関に飾られている立派な門松を見ることがで
きます。
松竹梅、何やらのどがなりそうですが、お酒ではありません。
松と竹と梅のことですね。
これも、当然、意味ありでしょう。
松は、常緑樹ですから、葉は、一年中、青色で、冬の寒さをものともしません。
竹は、真っすぐ伸びていきますから、横道にそれない芯の強さがあります。
それに雪の日など、他の木は雪の重みで折がちですが、竹はしなります。
しなって頑張りますから、雪の方が我慢できずに滑り落ちます。
二枚腰のお相撲さんの、見事なうっちゃりやのようです。
まだあります、「かぐや姫」の生れ故郷は竹の中、空っぽです。
「竹を割ったような性格」、曲がったことが嫌い、生一本のシンボルです。
最後は、梅です。
北風が吹き荒れ、他の木々は葉っぱを落とし、いかにも寒そうですが、梅は頑
張って、小さな花をリンと咲かせ、「春近し」を告げています。
春告鳥と書いて「うぐいす」ですから、春告花で「うめ」はどうでしょうか。
鰆と書いて「さわら」ですから、椿と書くと、これ「つばき」で、先輩がいま
す。
この椿ですが侍の家では嫌われていたようです。
何しろ散りぎわがよくありません。
花が枯れ切って散るのではなく、大きな花がポトリと落ちますから、首が落ち
るように見えるらしいのです。
お侍さんの首が落ちるのは、切腹のときですから縁起が悪いので、正月には向
かないのでしょう。
松竹梅、語ろもいいですね。
この縁起ものの三つを玄関に飾り、神様を迎えたのです。
年神様がいらっしゃってくださるときに、確実に、我が家にきていただくため
の道標、表札の役をしていたのではないでしょうか。
お盆のときも、同じことをしています。
きゅうりの馬となすで作った牛ですね。
正月は神様を、盆には仏様を迎えるための行事ですが、季節折々の花や農作物
を供えるところからも、農耕民族であることがわかります。
何かにつけて、事の起こりは中国ではないかと考えますが、松竹梅も、厳しい
冬を堪えて生きるみやびやかな木、「冬厳の三友」といわれ、それが日本に伝
わり、「長寿・節操・清廉」などの解釈を加え、めでたいもののシンボルとな
ったのです。
いや、それだけでは終わりません。
後程、紹介しますが、あっと驚く秘密が隠されているではありませんか。
◇鏡 もち◇
鏡もちは、その年の神様からいただいた、新しい魂を表したものです。
丸い形は、角を立てないように、みんなで仲良く暮らそうという意味が込めら
れています。
お飾りは、だいだいとえび、ゆずり葉、昆布、勝栗、干柿、扇など、地方によ
って多種多彩ですが、だいだい、ゆずり葉、裏白、昆布などが一般的でしょう。
それに裏白も使われています。
ところで、なぜ、裏白なのでしょうか。
お飾りにも、それぞれ意味ありなのです。
だいだい(橙)は長寿、裏白は葉の裏側が白いしだ類(わらび、ぜんまいの仲
間)で、うしろ暗いところがなく、清らかで汚れのない心を表し、ゆずり葉は
新しい葉が出てから古い葉が落ちることから「譲り葉」、家督を子孫に譲るの
を祝う意味があるのです。
★★松竹梅に隠された秘密★★
何やら、週刊誌の見出し風ですが、文句なしにすごい秘密が隠されているので
す。
初めて読んだときの驚きといったらありませんでした。
専門用語で説明されていますので、私流に簡単な文章に書き直させていただき
ました。
こういうことだそうです。
植物には、梅、桜のように、花を咲かせて実を結び種を作るものと、コケやシ
ダのように花を咲かせないで胞子でふえるものがあります。
種には、竹や梅のように種が実の中に包まれているものと、松、いちょう、ソ
テツのように種が裸のままのものがあります。
種が実の中にあるものをまくと、芽を出したときに、最初に出る葉が一枚のも
のと二枚のものとあります。
なぜ、門松は、「松竹梅」からできているのでしょうか。
ここにも驚くべきことが表されているのです。
■植 物 界■
◆花が咲き実を結び種を作る(顕花植物)
種が裸のもの (裸子植物)………………………………… 松
種が実の中のもの(被子植物) 葉が一枚(単子葉類)…… 竹
葉が二枚(双子葉類)…… 梅
◆花は咲かせず胞子で増える(隠花植物)……………………… 裏白
松竹梅は、花を咲かせて実を結ぶ植物のそれぞれの代表であり、これに正月の
もう一つの飾りものである鏡餅の下に敷く裏白を入れれば、植物の代表が、す
べて正月に揃い、お祝いをしていることになるのです。
著者の永田先生は、
「この素晴らしい事実を古代人が知っていたのだろうか。松竹梅の意義の深さ
に、めでたいということはもとより、頭の下がる思いがする」
と述べています。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P28)
いかがでしょうか。
松竹梅というと、お寿司屋さんなどでは、上中並と同じように値段を表すのに
使っていますが、実は、こういうすばらしい意味があるのです。
本当に不思議です。
「なるほど!」と納得するばかりではなく、感動しませんか。
昔から受け継がれているものには、それなりの意味があるわけです。
また、こういったことを科学的に実証する先生がいらっしゃったのも、頼もし
い限りではありませんか。
★★正月の食べ物★★
正月の食べ物というと、雑煮とお節料理でした。
しかし、現代っ子は、雑煮やお節料理を食べているでしょうか。
私の子どもの頃は、おもちは正月しか食べられませんでしたから、楽しみであ
り、しかもご馳走でした。
今は、一年中、売っていますし、いつでも食べられますから、魅力の点で引き
つける力がないのでしょう。
おもちも季節感を奪われてしまった被害者です。
非常食としても優れものですけれど。
◇雑 煮◇
雑煮は、大晦日の夜に、神様をお迎えするためにお供えをした食べ物を、神様
と一緒に食べ、神様の力を授かる食べ物です。
雑煮は、いろいろな具を入れ、一緒に煮込んだものですが、必ず、青い葉っぱ
を入れるのが作法、決まりです。
この青い葉っぱが、子どもに嫌われるのではないでしょうか。
しかし、これにもきちんとした意味があるのです。
ものの本によれば、「葉っぱを入れる」「菜を入れる」から「名をあげる」
「成功して名前が知られるようになる」に通じますから、青い葉っぱを入れる
のだそうです。
おもちは本来、丸いものですが、東日本では四角に切った切もちを、関西では
丸いおもちを使っています。
さらに、雑煮の作り方ですが、東京では、おもちを焼いてからお椀に入れ、具
や汁を入れますが、大阪では、おもちをゆでてからお椀に入れます。
私は、父が関西の出身でしたから、ゆでるのに慣れていますが、東京の焼いて
から食べるのも香ばしくて、おいしいものです。
雑煮については、織田信長に面白い逸話が残されています。
ある年の元日の朝、信長の雑煮の膳に、箸が片方しか添えられていなかったの
です。
あの短気な信長のことですから、平穏にことが収まるわけがありません。
しかし、怒り心頭に発した信長を、木下藤吉郎(後の太閤秀吉)が、
「今年から諸国をかたはし取りにされる吉兆でございます」と言い換え、ご機
嫌が直ったそうです。
そういえば、曽呂利新左衛門のとんち話(傑作な話がたくさんありますから、
読んであげたい本の一つです)の中に、病気見舞いに送られてきた松竹梅の盆
栽が枯れたのを見て落胆した秀吉を、新左衛門の機知で吉報に変えてしまう話
があります。
世の中、めぐり合わせですね。
(次回は、「正月の食べ物」他についてお話しましょう)
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