黄土高原だより |
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緑の地球ネットワーク(GEN)が中国山西省大同市の農村で緑化協力をはじめて
17年目に入っています。その間のできごとや自分の思いを書きつづっています。
不定期の発行です。
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黄土高原だより(NO.471)
(2008.09.16)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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またも人災
中国国内でも、問題が多いのは、私が通う山西省と、
その南の、河南省だと、されています。
どちらも農山村が広く、貧しいのです。
今回の惨事は、山西省臨汾市襄汾県陶寺郷で、9月8日におこりました。
土石流です。
13日夜までに、死者254人、負傷者36人。
2つの村が埋まりましたから、死者はさらにふえるでしょう。
これには、鉄鉱山の開発がからんでいます。
掘り出した土を、乱雑に積み上げていました。
そこに集中豪雨があり、土石流が発生したわけです。
あきらかな人災です。
経営にかかわっていた人びとが拘束され、
襄汾県の党委員会書記と、県長の停職が決まり、
さらに山西省の省長と、担当の副省長も辞任しました。
私は、この事態を予想していました。
どこかで必ずおこると、むしろ確信していました。
同様の現場を、なんども目にしていますからね。
山西省と、河北省との、省境にあたる太行山脈には、
鉄鉱石をはじめ、各種の地下資源の採掘現場が、無数にあります。
中国経済が急膨張する、このえがたい機会に、
いかに金を稼ぐかが、最優先され、安全対策は考慮の外です。
長くなりますが、昨年10月に、
(社)日中友好協会の機関紙「日本と中国」に連載したものの、
2回分を引用しましょう。
「ことし」とあるのは、昨年のことです。
ことしの夏、日本の植物の専門家と太行山脈を歩きました。私は4日連続になりましたが、驚いたことにその4日とも山中で重機の音を聞きました。
太白維山は霊丘県城のすぐ南にみえる山で、稜線のシルエットが観音菩薩が寝ているようにみえるそう。なるほど、左を頭に目や鼻がいかにもそのよう。「でも、おっぱいも、おちんちんもふくらんでいるじゃないか」と私がいうと、「だから観音様なんだ。観音菩薩は男でも女でもない」との答え。
山のふもとは以前から削られており、石灰石を掘って近くの工場でセメントを焼いています。このたびは谷筋をさかのぼって中腹をめざしました。入口に工場のようなものができて、「保護環境、安全第一」の大きな看板。鋪装道路がずっと延びており、警備員の話では「遠くまで行ける」とのことです。
坂道はだんだん急になり、鋪装は切れて土の道に。私たちの乗用車ではもうムリです。その道を黄色く塗った鉱山用大型ダンプが鉱石をこぼしながら何台も何台もゆっくり下ってきます。現れたのはマンガンの採掘現場でした。
スーパーショベルで山を削って道をつくった残土や鉱石のボタで谷を埋めて平らな土地を造成し、レンガ建て、コンテナハウス、テントなどのキャンプができています。驚いたことに若い女性や小さなこどもの姿も。そういう現場が何段にもできて、山頂に迫っているのです。
太行山に地下資源が多いことは知られていました。霊丘県の資料でも、鉄をはじめ金、銀、銅、亜鉛、鉛、モリブデンなどの金属と石炭、石灰石、花崗岩、方解石、沸石、長石、硫黄などで、40種以上を数えるそう。でも小規模に分散し、交通が不便で、開発資金も不足したため、多くは手つかずでした。
それが最近の中国経済の大発展で鉄もセメントも足りません。価格が高騰しただけでなく絶対量も不足しました。地元にとっては千載一遇の発展のチャンスです。資本は南方のものだとききます。現場で働いているのは四川省や陝西省からの出稼ぎで、地元の人は少ない。耳慣れない音声が飛び交っています。
これらの山にとって資源があったことが不幸ですね。でなかったら、こんなに傷つけられずにすんだ。もし長期の見通しにたつ開発なら、インフラ整備にもっと手間をかけるでしょう。地元による開発なら、これほどのムチャはしないでしょう。
この地方に多い局地的な集中豪雨が襲いでもすれば、土石流となって、ふもとの村までひと呑みでしょう。そうでなくても野積みの鉱石からは有害物質が流れだすでしょう。
汚染された水は最終的には唐河に流れ込み、河北省にぬけて西大洋ダムに至ります。このダムの水は南水北調の石家荘‐北京区間の完成を待って、来年4月から北京市民の飲み水になります。
(引用おわり)
同じようなことを、この「たより」にも、くりかえし書いています。
中国での講演その他でも、たびたび、警告してきました。
私が悪いことを口にすると、大同の友人たちは、あわてて制止します。
「高見が悪いことを話すと、そのまま現実になる」といって。
そういわれても、私のせいではないでしょう。
大同のなかでも、経済成長がめざましい県は、たいてい資源開発によるものです。
それらの県では、役所や学校の建物が一新されつつあります。
つい最近までの全国クラスの貧困県が、生まれ変わりつつあるのです。
支えるのは、資源開発にともなう税収増ではなく、
鉱山の開発権の売却によるもののよう。
大同市内の土地使用権の売却による「錬金術」については、
すでに書きましたが、よく似た構造です。
そして、それらの県では、水の汚染などが、深刻化していました。
しばらく前から、大同市の県で、あのような資源開発を禁止し、
売却価額の70%で、買い戻している、とききました。
それが本当なら、けっこうなことでしょう。
落ち着きを、とりもどす必要があります。
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GENセミナー「中国の環境問題と日中協力」
◆2008年10月25日(土)15時〜18時
◆立教大学池袋キャンパス8号館8101室
コーディネーター 上田 信さん(立教大学教授)
パネリスト 加藤千洋さん(朝日新聞編集委員)
山本 勲さん(産経新聞編集委員/論説委員)
高見邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
主催/緑の地球ネットワーク
共催/立教大学ESD研究センター
参加費 無料
要予約 氏名/連絡先/参加人数をご連絡ください。
◆税制上の優遇措置をうける認定NPO法人です◆
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認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)
552-0012 大阪市港区市岡1-4-24 住宅情報ビル5F
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