>> 記事トピックス一覧 
トップ > ライフスタイル > 環境 > 黄土高原だより

黄土高原だより(NO.463)

発行日: 2008/6/10

 
緑の地球ネットワーク(GEN)が中国山西省大同市の農村で緑化協力をはじめて
16年目に入っています。その間のできごとや自分の思いを書きつづっています。
不定期の発行です。
 
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
  黄土高原だより(NO.463)
     (2008.06.10)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
 
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
 義援金を届ける
 
四川省大地震の被災地救援のため、
私たちが呼びかけた義援金が、短期間で5百万円を超えました。
5年あまり、ずっと連携してきた
中華全国総工会と、中国職工対外交流中心に連絡したところ、
贈呈式をもちたいので、北京にくるように、ということです。
儀式が大きらいな私も、協力してくださった方の思いは、伝えたい。
6月2日にでかけました。
今回は、北京だけです。
 
それでも、いくつもの気づきがありました。
あれほど目についた、オリンピック関係の
広告やポスターが、空港や市内で、ほとんどみつかりません。
それに換わって、「抗震救災 衆志成城」という、
中国のテレビ画面の片隅でおなじみの、あのスローガン。
 
義援金の目録を、中華全国総工会書記処書記、
中国職工対外交流中心副会長の、陳栄書さんに手渡しました。
それに先立って、こころのこもった、あいさつをいただきました。
私たちがこれまでつづけてきた協力の内容を、よくご存じのようです。
私も、私たちの会員や協力団体が、
どんな思いで協力してくれているか、伝えました。
また、日本のいたるところで、
募金活動などがおこなわれていることも話しました。
 
日本をでるまえに、私たちの古い会報を、ひっぱりだしてみました。
阪神大震災のさいに、全力で、救援活動にとりくみました。
そのさいに、1か月半ほどで集まった義援金が、267万円でした。
わずかな期間に、その倍近い義援金が、このたびは寄せられたわけです。
中国人の反日と、日本人の嫌中は、たがいに刺激し、こだましあい、
おたがいの感情は、いいとはいえませんでした。
私たちの活動にも、障害になっています。
このたび、そこに穴があき、こころが通いあったことに、
私じしんが、感動しました。
 
中国の人たちの、日本人にたいする感情も、大きく変化しています。
とくに、反日の噴出の場であったネット上で、変わっているよう。
 
古くからの友人とあう一方、ホテルでテレビにしがみつきました。
最初の訪中以来、37年にもなるのに、初めてのことです。
ニュース番組では、3分の2くらいが、地震関連です。
衛星放送でみる四川テレビは、専門の局といっていいくらい。
そればっかりです。
大同からきてくれた、大同事務所の運転手の小郭は、
毎晩、遅くまでみないではおれない、といっていました。
 
大阪市立大学名誉教授の、高田直俊さんが、
Eメールで、連絡してくださいました。
土木が、ご専門です。
私は、そのことばの一部をお借りして、
「阪神大震災に、中越地震の山古志村をたして、
それに10をかけたようなもの」といっているんですけど、
ほんとにそういう状態です。
 
ガレキの下に、犠牲者がまだ眠っているところがあります。
山崩れが、道路をふさいでいるところがあります。
地震がなくても、よく山崩れがあったそう。
気象が不安定で、ヘリコプターも使えません。
遭難事故もありました。
仮設住宅が建ったばかりで、笑顔をみせる人もいます。
地震による堰止め湖の決壊が心配されますが、
その下流には、130万人もの住民がいるそう。
雨期を迎え、医療・衛生などが、重要になっています。
でも、その全体像なんか、わかりっこない。
 
前号でも書きましたが、私は、1998年の張家口地震、
1999年の大同の地震の、救援の現場をみたことがあります。
最高責任者が、現場で陣頭指揮し、
餓死させない、凍死させない、というレベルでは、
ほんとうに鮮やかなものでした。
今回も、温家宝総理をはじめ、最高指導部がつぎつぎに訪れましたが、
初期の救援は、思うようにすすまなかった。
それくらい、激しかったわけです。
 
そのぶん、国民の活動は、活発なようです。
義援金も、集まっています。
中華全国総工会では、31億元を超えたと、紹介されました。
献血の呼びかけにも、順番を待つ列ができているよう。
震源近くから、道なき道を、徒歩で数十キロも逃げてきた人がいますね。
老人や、子供も少なくないんですけど、
それを助けてきた、りっぱな人もいます。
私なんかには、最初から、できそうにない。
 
その逆も、もちろんありますよ。
義援金を装った、詐欺もあるようですし、
窃盗団も、現地にはいったそう。
それが、山西省の人間だったりして…。
日本では、ちょっとみられないような、人物がいるかわりに、
箸にも棒にもかからない人間もおおいと、いつも私はいってますけど、
こういうときにも、それが表にでるわけです。
 
学校が集中的に壊れ、たくさんのこどもが犠牲になりました。
痛ましいことです。
手抜き工事や、農村が取り残されている問題も、
あらわになりました。
中国の発展は、そういうことを、置き去りにしてきたわけです。
 
それらを含め、今回はわりとオープンに報道されました。
自然災害における、犠牲者数も、
ちょっと前まで、機密扱いだったんですね。
SARSの不手際の反省から、それが解除されました。
こういうことが、だんだん、ふつうになっていくんでしょうね。
犠牲者にはお気の毒ですが、こういった経験から、
いいほうに、転換してほしいと思います。
 
義援金では、私たちにとって、困った問題があります。
緑の地球ネットワークは、国税庁長官の認定を受けてますから、
私たちへの寄附金は、税控除の対象になります。
今回の義援金も、その対象になるかどうか、
大阪国税局に、電話で問い合わせたら、
対象にならないどころか、認定取り消しの恐れもある、とのこと。
びっくりして、翌日、担当者に会いにいきました。
 
緑の地球ネットワークの定款は、緊急時の救援を定めていないので、
義援金を募るのも、それを被災者に送るのも、
私たちの特定非営利活動とは、認められないとのこと。
私は、「定款にない活動をするのは違法だ」とまでいわれることを、
とっさに覚悟したんですけど、
さすがに、それはありませんでした。
「そういう活動をするのを、止めはしません。
しかし、ひきつづき認定を受けようと考えるなら、
注意すべき点があることを、伝えておきます」ということでした。
 
細かなことは省いて、ザクッと書くと、こういうことです。
特定非営利活動に係る事業費は、
総事業費の80%以上でなければなりません。
受け入れた寄附金総額のうち、特定非営利活動に係る事業に充てた額が、
70%以上でなければなりません。
ほかにも、いくつか、ひっかかる項目があります。
今回の義援金が、特定非営利活動にあたらないとなると、
その額が大きければ大きいほど、認定にとって、不利になります。
要件からはずれれば、認定取り消しです。
 
「集めはじめているんですか?」との問い。
「ええ、集まっています」
「いくらくらい?」
「440万円ほどです」
「えっ、そんなに集めてしまったんですか」
 
私は、疲れ切って、事務所に帰りました。
気持ちも、ことばも、うまく伝わらないんですね。
もともと、NGOやNPOの活動を、促進するための、制度のはずなんですけど、
運用しだいでは、逆に、規制の作用をするんですね。
認定制度は、今年度から、大きく改善されました。
私は、そう考えていました。
でも、まだまだ、問題は多いようです。
--  
******************************************************
講演会「植物による土壌水分の輸送」
講師:吉川賢さん(岡山大学農学部教授)
6月21日(土)13時30分〜15時 
会場:大阪市立総合生涯学習センター第一研修室
           (大阪駅前第2ビル5階)
参加費:500円(GEN会員無料)

★税制上の優遇措置をうける認定NPO法人です★
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)
 552-0012 大阪市港区市岡1-4-24 住宅情報ビル5F
 TEL.06-6576-6181 FAX.06-6576-6182
 E-mail  gentree@s4.dion.ne.jp
 URL  http://homepage3.nifty.com/gentree/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします
ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル
政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。
NPO/NGO Walker 市民活動の情報誌
NPO/NGO、ボランティア、コミュニティ・ビジネスなど幅広い市民活動をテーマにした週刊情報誌。イベント情報や書籍紹介に合わせて、様々なNPO/NG...
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
フェアウッドマガジン
環境に優しい木材を推進するため、違法伐採問題や森林管理や林産物の認証といった取り組みをはじめ、森林経営や林業、環境問題に関する情報を、研究者、業界、...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

利息が気になるあなたへ
オリックスVIPローンカードなら
<<年率5.9%〜15.0%、利用可能枠最高500万円>>
ゆとりのカードローンです。
←お申込みはこちら

スポーツNEWS速報!

その他ニュース 相次ぐ食品偽装 消えた年金達

メルマガデータ

  • メルマガID : 17010
  • 創刊日 : 2000-09-18
  • 最新号 : 2008-08-04
  • 発行周期 : 随時
  • バックナンバー: 全て公開
  • 発行者サイト: あり
  • 読んでる人 : 1006人
  • コメント数 : 4
  • Score! : 100点
  • >> 月間ランキング

発行者プロフィール

ペンネーム :


このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


このメルマガのバックナンバー


注目情報


新着記事トピックス