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特定非営利活動法人・緑の地球ネットワークは中国山西省大同市の黄土高原で緑化協力活動をつづけています。そのなかでのできごとを、事務局長の高見邦雄がつづっています。




黄土高原だより(NO.457)

発行日: 2008/3/31

 植生調査(陰坡)

3月27日から、29日の夕方、私たちのワーキングツアーが到着するまで、
大同市最南部の、霊丘県に滞在しました。
大きな目的は、霊丘自然植物園で、
植生調査を継続するための、基礎づくりです。
遠田宏先生、前中久行先生に同行しています。
ふたりとも、私たちの顧問です。

3月27日は、昼の1時半すぎに着きました。
自然植物園のスタッフと、かんたんに打ち合わせたあと、
現場に向かいました。
20m×20mの、調査区を設定し、
そのなかの樹木の生育ぶりを、継続的に調査します。
乾燥地では、陰坡(日陰斜面)と、陽坡(日向斜面)とで、
植物の種類も、生育ぶりも、極端にちがいますので、
最低でも、2か所は設ける必要があります。

しかし、このように書くのはかんたんですが、
じっさいは、かなりめんどうです。
管理棟があるのは、標高900mほどの地点ですが、
森林の再生が、急速にすすんでいるのは、
海抜1200m前後の地点です。
急な坂道を、登っていかないといけません。
敷地内のいちばん高いところを、南天門といいます。
泰山の山頂が、この名前で有名ですが、
もちろん、そことはちがいます。
でも、私たちがかってにつけたのではありません。
地図にも、ちゃんと、記載されています。
管理棟から、南天門までは、道をつけました。
雨のたびに、流されてしまうので、
一部は、コンクリートで鋪装してあります。

この道の途中から、等高線に沿って、枝道を伸ばしました。
海抜1200mのところです。
そのおかげで、樹木が生育しているようすを、
手軽に、観察できるようになりました。
昨年夏、ここを視察した、日本の専門家たちは、
「この道は値打ちですよ。
それにしても、よくこれだけのことをしましたね!」と、
感心してくれました。
敷地内の道路によって、ここの意味が倍増しています。

陰坡のほうは、この道沿いに、プロットをとりました。
等高線に沿って、巻き尺で、20mをはかって、
その両端に、杭をうち、ロープをはりました。
これがたいへんなんですね。
ここは陰坡で、日当たりが悪いので、
土の凍結がとけていません。
李向東が、杭の頭をガンガンたたきますが、
はいっていきません。
しかたなく、1本は、立ち木にくくりつけました。
そのあと、両端から直角に、20mをはかり、ロープをはります。
残った1辺が、ちゃんと20mになるか、不安でしたが、
ほぼ正確でした。
ちょっとぐらい、ちがっても、かまわないんでしょうけど、
これから、長く継続することを思うと、
できるだけ正確にしておきたいのです。
経験の豊富な、前中さんが、指揮してくれました。

それから、区域内の、胸高周囲が、13センチ以上の
すべての樹木をマークし、ナンバリングしました。
120cmの木の棒を、私がもち、その高さに
印をつけていきます。
この直後に、白いペンキで塗っておきます。
順序をそのようにしたのは、ペンキ塗り立てでは、測れないからです。
スタッフの孟さんが、番号札を打ちつけていきます。
3cm×4cmの白いプラスチック札に、ヒモをとおしたものを、
電気ケーブル固定用の、ステープルで打ちつけます。
札の両面に、マジックインキで、数字を書き込んであります。
通訳の任さんが、臨時に担当してくれました。
水俣の照葉樹林で、長く実施されてきたノウハウを、
そっくりいただきました。

李向東が、スチールメジャーをあてて、
胸高周囲を、読み上げていきます。
それを、前中さんが記録しました。
樹高もはかりたいところですが、その器具は、
3月29日に到着するツアーの人たちが、運んできてくれます。
前中さんによると、樹高は4mほどだそう。
まだ若い林です。
400平米のなかに、胸高周囲13cm以上の樹木は、
ちょうど80本ありました。
大部分はリョウトウナラです。
その最大のものの胸高直径は、11cmほどです。
シナノキも、7本ありました。
おそらくマンシュウボダイジュですが、
葉のない状態では、正確なことはわかりません。
ほかに、シラカンバと、アブラマツが、2本ずつありました。
シラカンバは、ほんとは1本ですが、
胸高より下で、幹が2本になっているため、そのように記録しました。
アブラマツは、1960年代に、飛行機で播種されたものです。

林床には、腐葉土が厚くたまっています。
土ができれば、樹木の生長も速まります。
いい循環ができていくでしょう。
この林が若いこともあって、これからの変化は急速でしょう。
おもしろいデータをえられると思います。

それにしても、日本と中国の混成グループで、
わずか半日足らずで、よくこれだけのことができたものです。
じつは、2000年を最初に、同様の調査を、数回やったことがあります。
今回は、長期の継続を前提に、調査区域を固定し、
一本一本の樹木を、ナンバリングしたのです。
 (つづく)

 
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