黄土高原だより |
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中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
書きつづっています。不定期の発行です。
バックナンバーは緑の地球ネットワークのウエブページとブログにあります。
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黄土高原だより(NO.450)
(2008.02.04)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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大同市北部の自然林
中国の南部が、凍りついているようです。
ふだん暖かいところで、備えがないだけに、
ほんとに、たいへんでしょう。
かなりの死者もでたようですね。
ことしは2月7日が春節(旧正月)で、
地方から出稼ぎにきている人たちの、帰郷シーズンなのに、
足止めをくらっているそう。
それが千万人単位であることに、中国を感じます。
大同への電話のついでに、きいてみると、
最低気温が、氷点下30度前後、
最高気温が、氷点下16度、ということでした。
歴史上の最低気温に、迫っているようです。
こちらは、寒さには慣れっこですが、
石炭価格の急上昇で、暖房の温度も、低めになっていて、
そのために、寒いのだそうです。
この「黄土高原だより」でも、大同市最南部の霊丘県に、
いくつもの自然林があることを、紹介してきました。
ナラ、カエデ、カバノキ、シナノキ、トネリコ、クルミなど、
落葉広葉樹が中心です。
原生林ではもちろんなく、人による破壊のあとに、
再生してきたものです。
ところが、大同市の北部では、このような自然林は、
なかなか、みつかりませんでした。
ほとんど、あきらめかけていたところ、
大同事務所の技術顧問、いまは亡き、侯喜さんが、
大同県、陽高県、渾源県、広霊県という、
4つの県の境界のところで、森林が再生しつつあることを
教えてくれました。
六稜山という山で、山頂は2375m、その北面です。
「樺林背林場」として、保護されていることもわかりました。
霊丘の自然林は、みな、くるまの入れる道路から、
遠く離れているために、アクセスがたいへんですが、
ここは、道路のすぐそばで、便利です。
森林が再生しつつあるところは、海抜が1600m以上のところ。
霊丘で中心になっているリョウトウナラは、
ここにはあまりありません。
中心は、名前のとおり、シラカンバです。
それから、カラマツや、トウヒもはいっています。
最終的には、トウヒ林になるであろうことを、
以前に、書いたことがあります。
ところが、ていねいにみると、そのほかに、
ミズキ、ナナカマド、ヤマナラシをはじめ、けっこういろんな樹種が
生えています。
そして、林縁には、高山植物が花を咲かせます。
めだつのは、レイジンソウ、オダマキ、マイヅルソウなど。
ギョウジャニンニクもあったので、
霊丘自然植物園まで持ち帰ったところ、
「山蒜だ。ここにもたくさんある」と言われました。
樹木や草の種類は、ひょっとすると、霊丘の自然林より、
多いかもしれません。
昨年の夏、遠田宏さん、桜井尚武さん、前中久行さんといった
専門家といっしょに訪れたんですけど、
この数年で、ずっと育ってきた印象でした。
実験林場「カササギの森」の中央部に、谷があり、
くるまの走れる道になっています。
というより、雨が降って、水が流れるときは川、
人やくるまが通るときは、道です。
よけいなことですけど、この正月に、
NHKの「関口知宏の中国鉄道旅行」という番組が、
大同周辺のことをとりあげました。
石炭トラックの大渋滞があり、
その一部が、河底を通っていくようすがありました。
私の友人が、びっくりしたようすで、知らせてくれましたけど、
しばらくまえまでは、しょっちゅう体験したことです。
黄土の地道は、水を含んだら、グリスのようになって、
とても走れませんけど、
河底は、砂利分が多いので、むしろ安全なのです。
谷底の道を、8kmほど、さかのぼると、
麻地溝という、村があります。
途中にも、いくつか、村の跡がありますが、
人は住んでいないよう。
麻地溝の名は、大同では、よく知られています。
ここのヒツジが、いちばんおいしいというのです。
谷には、たくさん薬草が生えていて、
それを食べているからだといいます。
シロネをはじめ、ハーブが多いのは事実です。
数軒の家があり、ヒツジの放牧で暮らしています。
現在では、春から秋まではここに住み、
冬は、下の村におりるのだそうです。
村に近づくと、ヒツジの糞がぶ厚くたまっていて、
臭いが、強烈です。
実験果樹園「かけはしの森」の建設にあたって、
ここから、ヒツジの糞を買って、運んだそう。
エサがエサですから、効果も大きいかもしれない?
話を、本筋に戻します。
その麻地溝村から、少し下ったところに、
シラカンバが自生していることは、以前から、知っていました。
樹高2mほどのものを、抜いて帰って、カササギの森に植えたことがあります。
ところが、昨年の夏、さらに奥にはいって、びっくりしました。
かなりの勢いで、シラカンバが、広がっているのです。
そろそろ、林といっていいだけの、
樹木の大きさと、広さを、もってきています。
川筋を中心にポプラも混じっていますが、大部分はシラカンバ。
その近くに、村の跡がありますが、いつのころかに、なくなったようです。
人がいなくなって、森林が再生するのは、ここも同じです。
霊丘で育てた、リョウトウナラの苗を、カササギの森に植えても、
枯れはしませんが、育ちもしません。
植えてから5年もたつのに、50cmほど。
土がやせているためでしょう。
ここのシラカンバの林床は、土が黒くなり、
かなり肥えてきています。
春になったら、試しに、リョウトウナラを植えてみたいものです。
昨年の12月、大同に行ったとき、
大同の市街地の南西にある、七峰山に登りました。
登山のつもりで、靴まで用意したのに、
実際は、山頂まで、自動車道がありました。
長城に、テレビ放送の、アンテナ設備があるためです。
その周囲で、やはり植生が、再生しつつあります。
喬木は、リョウトウナラです。
でも、まだ、大きいものでも、3〜4mくらい。
風が強いせいか、樹形は、あまりよくありません。
何種類かの、灌木もはえていますが、
冬枯れしていることもあって、樹種はわかりません。
この山の標高は、1714mです。
緑の時期に、調査したいと思います。
まだまだ、点でしかありませんが、
大同市の北部でも、このように、
森林が再生しつつあるところがあります。
これが、つながっていくと、おもしろいんですけどね。
いま、心配なのは、石炭の値上がりが、つづいていることです。
1tあたり500元を超え、所によっては600元にもなっています。
2000年には60元だったそうですから、7年で10倍近く。
これ以上高くなると、農村では、買えなくなりそうです。
そうすると、山にはいる人が、ふえるでしょうね。
木を伐って、燃料にするわけ。
タバコの火の不始末、といった問題もあり、
林業関係者は、心配しています。
国際的な原油高とかけて、山火事の心配、と解く。
「風が吹けば桶屋がもうかる」ような話です。
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GEN関東ブランチ2月度例会
日時=2月23日(土)13時30分〜16時30分
会場=本駒込交流館 参加費300円
(文京区本駒込3-22-4 本駒込地域センター内)
東京メトロ南北線「本駒込」下車
「オリンピック開催で気になる環境
〜大同における16年の環境協力を通じて」
と題して、高見が話します。
おっきな会場ですので、よろしくお願いいたします。
◆税制上の優遇措置をうける認定NPO法人です◆
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認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)
552-0012 大阪市港区市岡1-4-24 住宅情報ビル5F
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