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黄土高原だより(NO.402)

発行日: 2007/3/1


  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーは緑の地球ネットワークのウエブページとブログにあります。

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  黄土高原だより(NO.402)
     (2007.03.01)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

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 高速道路その後

 北京−大同の高速道路が、全線開通したのは、
 2002年11月でした。
 北京−大同間は路程330kmほどですので、
 車を飛ばせば、3〜4時間。
 高速道路ができるまでは、列車で最低でも5.5時間でしたから、
 だいぶ近くなりました。
 開通直後は、若い運転手たちが、記録づくりに挑戦し、
 「2時間半で着いたぞ!」という男がいれば、
 「おれは2時間15分だった!」というのがいたりで、
 ちょっと恐ろしかったのです。
 
 ところが、いまはもっとかかります。
 北京から、大同に行くときは、まだいいのです。
 渋滞も、ほとんど経験しません。
 トラックやトレーラーも、ほとんど空荷で、
 荷を積んでいるのは、めずらしいくらい。
 なかには、自分と同じ大きさのトラックを、
 荷台に積んで、走っているのもあります。
 燃料と、高速料金を、浮かすため。
 チェーンやワイヤで、いちおう固定してますけど、
 横にならんだりすると、こわいですね。

 問題は、大同から北京にでるほうです。
 こちらの主役は、石炭を満載した、トラックやトレーラー。
 積載量60tのトラックに、100t以上積んでいるのが
 めずらしくない。
 あちこちに、積載量をチェックする(はずの)関門があるんですけど、
 どういうわけか、くぐりぬけています。
 石炭が安かったら、高速道路はワリにあわないでしょうけど、
 いま北京では、1tが800元以下ということはないでしょう。
 運転手としても、稼げるときに、稼がないといけないわけで、
 いかに回転をあげるかが勝負。
 みんな高速道に上がってきます。

 道路の設計規格を、大きく超えていることでしょう。
 路面が、すぐに傷みます。
 あちこちで、舗装の若返り工事が、くりかえされます。

 それほどの過積載ですから、登り坂になると、
 トラックは、つらいんですね。
 日本の高速道だと、登り坂には、登坂車線があって、
 遅い車は、そちらを走るでしょ。
 ところが、ここの高速道は、きちょうめんに、
 どこも、片側2車線です。
 なかには、時速20km以下に落ちる車がでてきます。
 それを、時速25kmのトラックが、追い越そうとするわけですよ。
 私は、「目くそ鼻くそ追い越し」とネーミングしました。
 ノロノロのトラックが、2車線をふさぎますから、
 高性能車といえども、前にでることができません。

 ついでに、大同で流通した小話をひとつ。
 「自動車は、汽車より速い。
 自転車は、自動車より強い」
 汽車より、自動車が速くなったのは、高速道のおかげです。
 でも、数台の自転車が、横にならんで走ったら、
 自動車が、まえに出ることはできません。

 積み荷の石炭を、いちおうは、シートでおおうようになりました。
 たまには、例外もありますけど。
 それでも、シートのすきまから、石炭が落ちます。
 バラバラッとまいている、トラックを追い抜くときなんて、
 ほんとに、恐怖ですよ。
 ガツンとくらったら、フロントガラスなんて、
 かんたんに、割れるでしょう。

 落ちてきた石炭を、ひろうために、高速道に上がる人が、
 たくさんいます。
 高速道の両側には、いちおう、有刺鉄線やフェンスがありますけど、
 はいろうと思えば、かんたんですものね。
 袋をもって、あちこちで、ひろっています。
 舗装がいたんで、段差ができているところなんて、
 絶好の場所なんですね。
 「小さな炭鉱」なんてネーミングができそう。
 石炭の値上がりで、そのような人たちが増えています。

 そういえば、私は去年、山火事の多かったことを、書きました。
 石炭が値上がりすると、低所得の農民は、石炭を買えなくなるから、
 山にはいって、燃料をとろうとします。
 火の始末になんか、気をつかわないから、
 山火事の原因になっている、ということです。
 世の中は、まさに、循環!

 最近の何回か、大同から、北京に出るとき、
 河北省と、北京市の境界のあたりで、大渋滞を体験しました。
 友人たちが、バスで北京に帰るとき、
 私はべつのルートをすすめたんですけど、
 彼らは、まっ正直に、その道でいって、
 夕方に帰り着くはずが、翌朝になったそう。

 あるとき私は、渋滞の場所で、車を降り、自分で歩いて、
 周囲を、しばらく観察しました。
 そのときの私の結論は、道路を管理している、中国の公安が、
 わざわざ、渋滞をつくりだしている、というものでした。
 で、私は、「これは温家宝総理の経済政策だ。
 過熱する経済にたいして、ブレーキをかけている」といったんです。
 ある中国の幹部は、そういう私に、
 「高見さん、そんなことをいっては、いけません」
 といいました。
 私の話もジョークですし、彼女の応答もジョークでしょう。

 ことしの1月、大同から北京に帰るときは、
 あの、魔の渋滞地点で、トラックと、その他の車のレーンが、
 完全に、分けられていました。
 以前のように、高速道路上で、夜を明かさないですみそう。
 でも、事情が落ち着くまでは、
 大同→北京の高速道路は、帰国時間が切迫している人などには
 おすすめできません。
************************************************
 ●ラジオ番組のおしらせ●
 NHKラジオ第1 3月8日〔木〕9日〔金)AM.04:05〜04:50
 ラジオ深夜便「こころの時代」に高見が出演の予定です。
 ●東芝環境展でお話しをします。オープンな集まりです。
 http://www.toshiba.co.jp/env/kankyouten/
  http://www.toshiba.co.jp/social/jp/info/kankyouten2006_j.htm
 
   2007年春の黄土高原ワーキングツアー
   期間/4月17日(火)〜24日(火)7泊8日
   訪問先/中国山西省大同市(北京経由)
   経費/一般17万円 学生16万円(関空発着の場合)
     (航空保険料/燃油特別付加運賃など約1.5万円プラス)
   締切/3月15日(定員30人にたっししだい締め切ります)
   
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 認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)
 552-0012 大阪市港区市岡1-4-24 住宅情報ビル5F
 TEL.06-6576-6181 FAX.06-6576-6182
 E-mail  gentree@s4.dion.ne.jp
 URL  http://homepage3.nifty.com/gentree/
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