メルマガイドよくある質問サイトマップ

2008メルマ!ガ オブ ザ イヤー発表
2008メルマ!ガ オブ ザ イヤー発表

黄土高原だより

RSS
トップ > ライフスタイル > 環境 > 黄土高原だより
最新号をメルマガでお届け

この記事の発行者<<前の記事次の記事>>最新の記事

黄土高原だより〔NO.399)

発行日: 2007/2/13


  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーは緑の地球ネットワークのウエブページとブログにあります。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

  黄土高原だより(NO.399)
     (2007.02.13)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 10年ぶりの李二烟村(1)

 ことしの1月、天鎮県の東沙河村を訪れました。
 そのことは、前回に書きました。
 自分の気持ちのなかで、少し葛藤し、そのあと、李二烟村に回りました。
 私にとって、思いの深い村です。

 たいへん貧しい村です。
 この村のプロジェクトこそ、なんとか、
 成功してほしいと願ったのですが、
 なんど挑戦しても、連続して失敗しました。
 村人にも、責任がないとはいえませんけど、
 主要な責任は、この県の林業局にあります。

 自然の条件がきびしいのです。
 土地がやせているうえに、水がとぼしい。
 マツしかムリだな、と考えて、そのような計画を立て、
 時期になって、現場にいってみると、
 いつのまにか、アンズが植えてあります。
 そのつぎの年、マツすらむりだろうと考えて、
 灌木のヤナギハグミ(沙棘)を植える計画を立てると、
 こんどはマツが植えてあります。
 しかも、マツにとっては条件のよくない南斜面を、わざわざ選んで、
 大苗が植えてある。
 「こんな大苗が育つはずがない」と私がいうと、
 県の林業局の技術者は、
 「小さい苗を植えたのでは、ノウサギの害に対抗できない」といいます。
 「たしかに。枯れてしまったものは、ノウサギだって
 見向きもしないだろう」と皮肉をいうのが、私にはやっと。
 本気でケンカをするには、エネルギーが必要ですので、
 継続する意志を固めないことには、ケンカはできません。

 村の人たちは、ほんとに人がいいんですね。
 このうえなく、やさしいんです。
 3度ほど失敗して、もうこれでおしまいだと気持ちを固めて、
 話し合いの席で、私が立ちあがったら、通訳の王萍が、
 「みんな、泣いてますよ」と、耳打ちしました。
 で、もう一年、延長したんですけど、それも失敗しました。
 苦い思い出が、たくさんあります。
 
 その一方で、なつかしい思いもあります。
 私は、この村で、たくさんのことを勉強しました。
 底無しの貧乏を知ったのも、この村でのことです。
 はじめてこの村を訪れた1994年、1人あたりの年間収入は、
 100〜150元だと紹介されました。
 その翌年は、水害にみまわれ、土づくりのヤオトン(窰洞)が傾いて
 村中の家が、つっかい棒だらけになりました。

 80歳をすぎた、村の長老に話をきくと、
 「いまの時代がいちばんいいんだよ。
 1960年ごろは、飢饉が何年もつづいて、だれもかれもが、乞食にでたよ。
 草や木の皮、根っこまで食べたんだから。
 いまはなんとか、食べていけるだろ」。
 でも、若い男たちの話では、
 「こんな村なんて、嫁のきてがありません。
 なんとか金をためようと出稼ぎにでるけど、
 40過ぎた光頭棍(単身男がたくさんいますよ」ということでした。

 1人の中年の女性が、いろんなことを私に教えてくれました。
 彼女には、息子2人と、娘2人がありました。
 「よかったじゃない。
 2人の嫁取りの結納金を、娘2人で取り戻せたでしょ」と私がいうと、
 なにもわからないやつだな、という顔をして、
 「娘たちは、ちょっとでも豊かな村に嫁がせたいのが人情でしょう。
 そうすると、結納金なんて、ほとんどありませんよ。
 逆に、まずしい村で、嫁をとろうとすると、
 結納金は2万元にもなるんです」ということでした。

 この村で生まれ育って、この村のことしか知らない人の話は、
 あてにならないところがあります。
 なんども書いたり、話したりしてますけど、
 この村の人から、「この村には、すばらしい泉があって、
 どんな旱魃の年にも、涸れたことがない」と紹介されたことがあります。
 ところが、じっさいにみると、その泉とは、
 浸食谷の底にある、3畳ほどの、たまり水です。
 深さ2mほど掘ってあって、伏流水をためて、汲み上げるわけです。
 その水が、ぞうきんの絞り汁のような色。

 その女性は、父親に軍歴があって、
 あちこちの地方を転々とした経験がありました。
 いちばん遠くまでいったのは、四川省だそう。
 こういうふうに、村の外での経験のある人の話は、
 信用できるし、わかりやすいんですね。
 自分の村のことを客観的にとらえ、話すことができるわけです。
 ずいぶんと教えられたんですよ。

 このたび、村に着くなり、私は彼女を探そうとしました。
 名前はまったく覚えていません。
 父親が軍で働いていたこと、
 それから彼女が、豆腐をつくって、村で売っていたこと。
 小さな村ですから、これだけわかれば、十分でしょう。
 ところが、なかなかわからないんですね。
 若い人たちは、記憶にないんですよ。
 いま、若い人と書いたんですけど、
 比較的若い人で、村に残っているのは、女性にかぎられるんですね。
 やっと、情報をえられたんですけど、すでに亡くなったそうです。
  (つづく)

**GEN世話人の村松さんからの案内です***************
鳥取大学乾燥地研究センター×学習院大学東洋文化研究所
東京公開シンポジウム
中国・黄土高原と日本の明日−地域へのかかわり方
日時:2007 年2 月17 日(土)9:30 開場 10:00 開始
主催:鳥取大学乾燥地研究センター/共催:学習院大学東洋文化研究所
会場:学習院大学南3号館201 教室(JR 山手線目白駅下車徒歩1分)

1、鳥取大学乾燥地研究センターのかかわり方(10:10〜11:00)
【司会: 縄田浩志(鳥取大学乾燥地研究センター専任講師)】
山中典和(鳥取大学乾燥地研究センター助教授)
 中国黄土高原の砂漠化と生態系修復
縄田浩志(鳥取大学乾燥地研究センター専任講師)
 黄土高原における「退耕還林」政策前後の土地利用変化と暮らし
ブホーオーツル(酪農学園大学助教授)ほか
 リモートセンシング地表面パラメーターを用いた中国黄土高原「退耕還林」の生態
効果の検証
2、自然科学研究のかかわり方(11:00〜12:00)
【司会:福田健二(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)】
松永 光平(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
 黄土高原における沙漠化の特徴と地域的要因
是常 知美(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
 中国黄土高原に生育する樹木の生理生態特性
小田あゆみ(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
 砂漠を這う針葉樹?中国内蒙古自治区に自生する臭柏の生態
3、緑の地球ネットワークのかかわり方(13:00〜14:10)
高見 邦雄 (認定特定非営利活動法人「緑の地球ネットワーク」事務局長)
 変わったこと、変わらないこと−農村でみる15 年
4、歴史研究のかかわり方(14:20〜15:20)
【司会:鶴間和幸(学習院大学文学部教授)】
菅野 恵美(学習院大学客員研究員)
 画像石からみる古代陝北地域の人々
市来 弘志(学習院大学非常勤講師)
 統万城遺跡とオルドスの環境
村松 弘一(学習院大学東洋文化研究所助手)
 黄土高原と歴史資料ー「地域環境史」構築へむけて
5、黄土高原生態文化回復活動のかかわり方(15:30〜17:00)
【司会:深尾葉子(大阪外国語大学助教授)】
 深尾 葉子(大阪外国語大学助教授)・安冨歩(東京大学大学院情報学環助教授)
 ・藤森博之(有限会社DGC 総合研究所)ほか
 黄土高原・オルドスとのかかわり
6、ディスカッション (17:10〜18:00)
お問い合わせ:
(学習院大学)〒171-8588 東京都豊島区目白1-5-1学習院大学東洋文化研究所(村松
研究室)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)
 552-0012 大阪市港区市岡1-4-24 住宅情報ビル5F
 TEL.06-6576-6181 FAX.06-6576-6182
 E-mail  gentree@s4.dion.ne.jp
 URL  http://homepage3.nifty.com/gentree/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

この記事の発行者<<前の記事次の記事>>最新の記事

 
  規約   
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to Google

この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

このメルマガの最近の記事





おすすめメルマガ詰め合わせ2009年 あなたの今年の運命は?ゆく年くる年メルマガ!

メルマ! ガ オブ ザ イヤー 受賞メルマガ2008年度の受賞メルマガ
2007年度の受賞メルマガ
2006年度の受賞メルマガ
2005年度の受賞メルマガ




melma! ご利用規約 │ メールマガジン発行規約 │ マスコミに関するお問い合わせ │ 会社概要 │ プライバシーポリシー
インターネット広告 サイバーエージェント