フィンランド |
フィンランドの四季、イベントを写真とともにお伝えします。
創刊日:2007-07-05
最新号:
2009-11-15
発行周期:不定期
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あり
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メールマガジン「フィンランド」 2009年11月 |
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By Maya and Kari Gröhn |
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今回はマナーハウスのお話です。 |
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マナーハウス |
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マナーハウスとは、その昔、荘園を所有していた領主たちの住宅のことですが、フィンランドにはこのような屋敷がまだあちこちに保存されています。ヘルシンキの北50キロ、マンツァラという近くの村にもひとつあると聞き、サイクリングがてら訪ねることにしました。 17世紀から18世紀にかけて建てられたというアリカルタノ邸です。 |
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この屋敷は著名な探検家、アドルフ・エリク・ノルデンスキョルド(Adolf Erik Nordenskiöld: 1832-1901)という人が過ごした家だそうです。この人は何度も北極へ出かけ、その北方ルートを発見しただけでなく、アジアから北東に向かうルートを初めてたどった人でもありました。彼の探検記は当時大ベストセラーになったそうです。彼の膨大な資料と著作は今も貴重なコレクションとして図書館に収められています。 鉱物学者の父をもったアドルフ・エリクはスウェーデン王室の庇護の下、ストックホルム大学の教授をしていたというのですから、たいへん優れた人物だったに違いありませんが、ノルデンスキョルド家というのはどうも奇矯な人物を次々と生み出した家系のようで、一族の中には彼に負けず劣らず冒険を好んだ人がおりました。 「あなた、またおでかけになるんですの」 「ああ、ちょっとシエラリオネまで行ってくる」 「シエラリオネなんて聞いたこともありませんわ。どこにありますの」 「アフリカだ」 「まあ、そんなところ、およしあそばせ」 と、言ったかどうか知りませんが、こんな冒険好きの夫をもった奥方様はさぞや苦労の種がつきなかったことでしょう。この人物はユートピア構想を抱いてシエラリオネまで赴き、そこで病に倒れて亡くなったそうです。 |
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このレディが奥方様かどうか定かではありませんが、勝手に想像しておきましょう。 |
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さて、頭のよい人というのはいろいろなことを思いつくものですが、それをまたかたっぱしから実行していったというのがこの一族の偉大なところでしょう。その奮闘の記録を見ると偉大な人物というのは失敗を恐れない人間のことかと思われてきます。学者でもあり、発明家でもあり、冒険家でもあった領主さまの頭はいつも新しいアイディアに満ち溢れていました。この家をこしらえた何代目かの領主さまは 「そうだ、中心さえ暖かくしておけば、家の中はいつも申し分なくぽかぽかと暖かいに違いない」 と考え、早速そのように大工に命じ、新しい家をつくりはじめました。そして家の中央を大きくくりぬき、そこにどーんと大きな暖炉を置いたのです(写真の右端がその暖炉です)。 ところが、彼はひとつ重要なことを忘れていました。空気には対流というものがあるということです。暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行きます。その結果、出来上がった居間は、家の中で最も寒い場所になってしまいました。 「あなた、ちっとも暖かくありませんわね」 「気のせいだ。そのうち、暖かくなる」 こんな会話が聞こえてきそうです。
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発明家の目は建築のみならず植物にもおよんだようです。 |
これはストーブではありません。錬金術の機械です。それにしても金をつくるにしてはちとお粗末な。 |
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発明家の興味はまだまだつきることがありません。ある日ひとりでタバコをくゆらせていた彼はふと思いました。 「ふうむ、タバコというのは実にけっこうなものだが、なんといっても輸入品だから高くついていかんな」 彼は学者であると同時に領主でもあったので、経済的なことに関してもなかなか抜け目ないところがあったに違いありません。 「そうだ、いっそのこと家でタバコをつくることにしよう。なに、わけはない」 思い立ったらすぐ実行です。フィンランドの地はタバコをつくるにはちと寒すぎるのではないか、などというようなことは考えません。何事も 「やってみなくてはわからない」 のです。 やってみなくてもわかることがあるのではないか、とつい言いたくなります。タバコはむろん失敗でした。ただ、彼がこのときに試したのはタバコだけではありませんでした。様々な種類のジャガイモ、リンゴ、そしてアスパラガスやナッツなど、そのあるものは見事に成功したのです。 もうひとつ特記すべきことは、何代目かのノルデンスキョルドの一員はフィンランド最後の錬金術師だったということです。 ちなみにこのノルデンスキョルドはスウェーデン国王の勅命で錬金術を研究していたそうです。 |
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