日刊 小学校教師用ニュースマガジン |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
───────────────────────────────────
■□ 日刊・小学校教師用ニュースマガジン 992 □■
□■ 10月26日(土) 編集・発行 蔵満逸司 読者7288人 ■□
───────────────────────────────────
八田奈美■第3節 小学校における「死を考えるいのちの授業」の内容
----------------------------------------------------------------------
連載 小学校における「死を考えるいのちの授業」 第6回
八田奈美
第3節 小学校における「死を考えるいのちの授業」の内容(つづき)
例えば、朝の学級指導の時間に、末期ガンの医師について書かれた新聞記事
を読むことで、子どもたちと死について考える機会をつくったという実践があ
る(表2参照)1つの記事から、末期ガンの医師との交流にまで学びが広がっ
ていった。まだ幼い小学校2年生の子どもたちにとって、身近に感じられない
死を意識し、あたりまえに生きていることをその子どもたちなりに見直す、貴
重な機会であったと考えられる。
表2 死を扱った授業実践「死なないで!お医者さんでしょ」
(長妻真智子氏)
学年 2年
教科 朝の学級指導
題材 末期ガンの医師の記事を読む
ねらい 世の中には確実にやってくる死と正面から向き合い,病気と戦ってい
る人間がいることを,みんなで考え合ってほしい。
内容 ・末期ガンに冒された医師が自分の死を予告する随想を医師会報に載
せたという記事を子どもに紹介する。
・もし、「あなたは後3ヶ月しか生きられませんよ」と言われたらど
う
するかを考える。
・子どもが、「手紙を書いて、元気が出るようにしてあげよう」と言
い
出したことから、医師宛てに手紙を書く。
・後日医師から手紙が来て、読み聞かせる。
理科教材「ひとのからだ」の学習のさいに、科学的に人が死ぬという状態に
ついて考える学習を取り入れている実践も報告されている(表3参照)。子ど
もたちの身の回りには、ゲームやテレビを通して、痛みや苦しみを伴わない
「仮想死」が多く存在する。子どもたちは、科学的な死と関連した実話を通し
て、死は誰にでも起こりうることを自覚し、少しでも現実に近い死について考
えることができたのではないだろうか。そのことで、自分のいのちは自分で守
っていくことの必要性を実感するきっかけとなったのではないだろうか。
表3 死を扱った授業実践「ひととからだ」(相原 昭氏)
学年 6年
教科 理科
題材 理科の教材「ひとのからだ」
ねらい ・生きている人の体の仕組みを正しく知り、いのちを守るにはどうし
たらよいか、人間がどういう状態になると死ぬのかを知って、いのち
を大切にするということについてわかっほしい。
内容 ・心臓から血液が体中に送られる音を聴診器で聞き、血管内を流れる
様子を映像で見る。
・人は何デシリットル出血したら死ぬか考え、自分が死ぬ出血量を計
算する。
・出血多量で死亡した小学校2年生男子の過失致死事件の話から加害
者の6年生の行動について話し合い、人のいのちについて考える。
死を学ぶ授業では、絵本や本、お話が用いられることが比較的多いようだ。
小泉博明氏は、「文学作品は多かれ少なかれ、どの作品も生と死をモチーフに
している」と述べ、これまでに構想してきた文学作品を介した「生命を考える
あるいは生と死を考える学習」の試案を提示している。個々の生や死を直接経
験する機会が減少している現在、絵本や本は、生や死を伝える媒介として働き
身近なものとして子どもたちが真剣に考えていく要素を保持しているのではな
いだろうか。
例えば、表4に示した授業実践においては、第3時限において『わすれられ
ないおくりもの』という絵本の読み聞かせを通して、人の死が残すものについ
て考えさせている。死の残すものを通して、今を生きる子どもたちに大切なこ
とは何かを考えさせている。また、事前に生と性の学習を積み重ねることで、
自分自身の身近なこれからについて少しずつ考えられるようになっている。そ
のため、子どもたちが死について考えたとき、より学びが深まったのではない
かと考えられる。
表4 死を扱った授業実践「死ぬこと 生きること」(岩辺 京子氏)
ねらい ・これまで学んできた誕生に対して遠い存在であった死について考
えたり学んだりすることで、その間にある生について改めて目をむけ
る機会になるだろう。自らの人生に目を向け、生きることの大切さや
それぞれの生命体がかけがえのない存在であることに気づき、夢や希
望を大切に生きてほしい。
第1時限 ○人の死とは何だろう
*死に対する皆の疑問を知り、生物としての死についてわかる。
・誕生と死は避けられないこと
・死の原因は様々であること ・死による変化
*死の持つ2つの意味のうちの1つの側面「いのちの連続性」に気
づく。
・いのちの連続性・新しいいのちを育てる
第2時限 ○人の死が残すものは何だろう
・しみの体験、悲しみの内容を整理し、人の死が残すものは何か
何かを考える。
・人の死は、思い出や励まし、勇気、文化を残すことができる。
ことがわかる。大切なのは、どう生きるかであるということを理
解する。
第3時限 ○生きていく上で大切なことは何だろう
・人の死は悲しみの他に、何を残すのかを絵本や友達の話を聞い
て考える。
・やがて死んでしまう人間にとって大切なことは何かを 考える。
・生きていく上で大切なことは何か、様々な人から話を聞き、こ
れから自分の生活を見直してみる。
----------------------------------------------------------------------
■メッセージ■
□先行実践を学ぶことは,授業づくりに欠かせません。貴重な情報です。あり
がとうごいます。
■こうして学習で扱われる課題を見ると,「もし、あなたは後3ヶ月しか生き
られませんよと言われたらどうするかを考える」「生きていく上で大切なこと
は何か、様々な人から話を聞き、これから自分の生活を見直してみる」など,
子どもたちだけでなく私たち大人も一生かけて考え悩んで答えを見いだそうと
する人間にとって共通の課題も多いですね。答えはその都度変わっていくもの
かもしれません。年に一度日を決めて,その時の答えを記録していくのも悪く
ないなあと思いました。
■偏った宗教教育はもちろん許されません。しかし,高校で,いのちの学習を
するなかで,仏教・神道・キリスト教・イスラム教などの死生観を紹介するこ
とも意味のあることかもしれませんね。日本史,世界史,倫理などで意識して
扱っている方はおられないでしょうか。小学生に蜘蛛の糸を読み聞かせをする
方も多いと思いますが,仏教の死生観の紹介になっていると考えてもいいので
はないでしょうか。また,死に関するいろいろな方の名言を紹介することは小
学校でもできると思いました。
----------------------------------------------------------------------
■2002年度学年別メーリングリスト(1・2・3・5・6年)■
http://member.nifty.ne.jp/KURAMITU/mlmlml.htm
----------------------------------------------------------------------
■読者の皆様へのお知らせ■
□読者の関係する研究会・講演会・書籍等の情報原稿募集中。一行35文字、
行数は,研究会・講演会20行以内,書籍紹介はメールで御相談下さい。連絡
先メールアドレスまたは電話番号と文責者氏名は必須事項です。
□感想や投稿大歓迎。本MMで使うことがあります。匿名希望・掲載禁止の場
合は明記してください。本文に御氏名のない御質問・御依頼・御批判・御相談
には対応していません。諸事情から掲載できないこともあります。掲載につい
てのお問い合わせはご遠慮ください。
□編集者の方では,登録・解除・アドレス変更を行っておりません。後記のH
Pなどでお調べの上御自分でお願いします。どうしても出来ないときは御氏名
明記の上御相談下さい。
□連絡先は, wahaha@po.synapse.ne.jp 蔵満逸司宛です。
----------------------------------------------------------------------
■2002年10月予定表■
27 993 森竹高裕■私たちの生活とTVゲームを読んで 藤原友晴
28 994 読書のアニマシオン運動 渡部康夫
29 995 面白半分セレクション 佐々木彰
30 996 命と体を見つめる 澤栄美
31 997 未定
■2002年11月予定表■
01 998 こんなほんだな 沼澤晴夫
02 999 人権教育の視点を生かして 松下一世
03 1000 読者からのメッセージ
----------------------------------------------------------------------
■関連HP・MM・ML■
□HP『小学校教師用教育関連総合リンク集』 41万アクセス
http://member.nifty.ne.jp/KURAMITU/index.html
□MM『授業づくりネットワークメールマガジン』登録・解除
http://www2.synapse.ne.jp/mm21/index.htm 月3号
□小学校教育メーリングリストWAKUWAKU 320名参加
http://member.nifty.ne.jp/KURAMITU/mailing.htm
───────────────────────────────────
■MM『日刊・小学教師用ニュースマガジン』登録・解除
http://www.synapse.ne.jp/~wahaha/index1.htm
----------------------------------------------------------------------
★MM小学992★
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
