チュニジアからの風 「さらは」便り |
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皆様こんにちは。
どこかで数え間違えてしまっているような気もするのですが、
このメールマガジンも、50号を数えることになりました。
気ままな形式、内容にもかかわらず、
いつもお読みくださっている皆様、
本当にありがとうございます。
そしてこれからも、どうぞよろしくお願い致します。
今週は、「さらは」からのお知らせは特にございませんので、
レポートより、お読み下さいませ。
●●● フェズの女性たちに思いを馳せる ●●●
パリで、フェズ出身の女性と知り合い、彼女がフェズ刺繍の刺し手だったことから、
「さらは」オリジナル商品として、少しずつ、
クッション・カバーやハンカチなどの
フェズ刺繍商品をご紹介させていただいているのですが、
幾何学模様の美しさと、ウラ・オモテに同じ柄が出るという不思議な魔法により、
私自身、この刺繍の虜になってしまっていて、
常に頭の片隅に、「どう刺すのか?」という謎が引っかかっていたのでした。
刺し手であり、仕事を請け負ってくれている例の友人、
アマルに弟子入りすれば話は早いのですが、
どうも彼女は、人に教えることに乗り気ではないのです。
彼女の話から分かっていたのは、
下絵などは一切描かず、布のマス目を数えながら刺すということ。
刺しながら布を裏返したりはせず、普通に表面だけを見ながら刺すということ。
ところが先日、パソコンで迷惑メール削除作業(やっかいなのです)をしているときに、
ふっと謎が解けてしまったのでした。
あれはもう、フェズ刺繍の神様が近くに降りてきたとしか考えられないような、
瞬間的な閃きでした。
刺繍のことを考えていたわけではなく、
イライラしながらメールを削除していただけなのに!
頭のどこか違うところで、謎解きが続けられていたのでしょうか?
すぐに、布と針と刺繍糸を手に取り、閃き通り、刺し始めて見ました。
!!!
なる!裏表、リバーシブルになる!私にも刺せた!
一度謎が解けてしまうと早いものです。
リネンハンカチに刺してあるあの小さなモチーフを、
アマルが刺してくれたものを隣に置き、慎重に見比べながら、
布のマス目を数えては刺し、数えては刺し・・・
最初のひとつめは形がいびつになってしまいましたが、
二つ目からはコツがつかめ、商品にもできるくらいきれいに刺すことができます。
しかし、あの小さなモチーフひとつを刺すのに、2時間半もかかるのです・・・。
もちろん、私が素人だから、余計に時間が掛ってしまうのだとは思うのですが。
それに、マス目を数えながら刺すというあの作業の困難さ!
目の良い私でも、本当に目の疲れる作業ですね。
(アマルにお支払いしている金額が少なすぎるような気がしてきました・・・。)
でもなんだか面白いので、家事をおろそかにしながら、睡眠時間を削りながら、
エプロンやらナプキンやらの自分の物に、
ちょこちょこ刺繍してしまいます。
そしてやはり、フェズの女性たちのこと、フェズ刺繍の歴史に思いを馳せるのです。
私が「さらは」でご紹介しているフェズ刺繍は、
フェズ刺繍のなかでもシンプルなもの。
伝統的なフェズ刺繍は、もっともっと、複雑なものなのです。
例えば、こちらの画像、
http://www.marocantics.com/photos/uncategorized/2007/05/12/marocbroderie130.jpg
20世紀中ごろのものらしいのですが、白い布の白い部分が見えなくなるくらいまで、
赤い糸で、びっしりフェズ刺繍が刺されています。
そして、こんなに複雑でもやっぱり、リバーシブルなのです。
他にも、本当に緻密で細かなアンティークのフェズ刺繍が、
以下のサイトよりご覧いただけます。
フランス語のサイトですが、写真をクリックすると、拡大画像がご覧いただけます。
そして、お値段がついているものは、
DH(モロッコディラハム)表記になっておりますが、
0をひとつとると、大体、ユーロになります。(例 1000dh=100ユーロ=17000円)
ご参考までに・・・
フェズ刺繍の画像
http://www.marocantics.com/photos/broderiesfes/index.html
フェズ刺繍の画像、その2
http://www.marocauction.com/broderies_tissages/
アマルに聞いた話によると、
昔のフェズの女性は、外に働きにでるなんてもってのほかで、
一日中家の中で過ごし、
妊娠中は、生まれてくる子供のために、枕カバーや布団カバーにフェズ刺繍を刺し、
女の子が生まれると、その子のお嫁入り道具にと、
テーブルクロス、ナプキン、布団カバー、枕カバー、ハマム用の平織りのタオル、
などなど、ありとあらゆるものにフェズ刺繍を刺し、
その女の子がある程度大きくなると、刺繍を伝え、
その子自身の手で、自分のお嫁入りのそれら布類を仕上げ、
そして、また結婚があり、妊娠があり、
と、代々、刺繍が受け継がれてきたそうなのです。
資産のある家の女性ほど、家の中に篭り、家事などもしないので、
刺繍もより細かくなり、刺繍を刺す布や糸も、高価なものだったとか。
実際に、彼女のお嫁入り道具であり、彼女のお母様が刺した、
一連の布類を見せてもらったことがあるのですが、
かなり緻密で細かく刺されています。
下記「さらは」HPにて写真を掲載しておりますので、どうぞご覧下さいね。
上から2枚目の写真がそうです。
http://www.saraha.jp/parisarabe/jan08.htm
アマルは、これらをとても大切に保管していて、一度も使ったことがないそう。
その気持ちはとても良く分かります。
もう、フェズ刺繍のことを考え出すと、フェズに一っ飛び、
すぐにでもスーツケースを抱えて
飛行機に飛び乗りたい気持ちになってしまうのですが、
それは、大好きでよく見させていただいている、ディアモロッコの方のブログで、
フェズ旧市街のリアドの何点かの写真を拝見して、
伝統的なフェズの女性の暮らしぶりのイメージが膨らんでしまってからは
なおさらのことで、
伝統的なフェズの家家のつくりと、あれほどまでに緻密な昔のフェズ刺繍との関係は、
絶対に切っても切り離せないものであるはずで、
バブーシュや陶器などが主に男性の手による工芸であるのに対して、
刺繍は閉じられた家の中で伝えられてきた女性による伝統技術であることからも、
是非、この刺繍が生まれ、育まれてきたフェズの街を訪れてみなくてはならない、
私の最大限のわがままを聞いてくれる差し手をフェズで探し出さなければならないと、
もう、そわそわ落ち着かないのです。
ディアモロッコの方のブログはこちらから。
(無断でリンクを貼らせていただいております)
http://dearmorocco.cocolog-nifty.com/marrakech/2008/07/post_c4da.html
こちらに掲載されている写真、文章から、
日もあたらない部屋の中で、女性たちがあつまり、
おしゃべりをしながら刺繍を刺し、一休みしてミントティーを飲み、
という光景が浮かぶのは私だけでしょうか?
ながーい、ながーい、家の中で過ごす時間を、
テレビもパソコンももちろんない中で過ごし、
子育てをし、家事をし、刺繍を刺す。
フェズ刺繍は、でも、刺してみて思ったのですが、頭の体操にもなるというか、
幾何学的な模様ですし、数学的な要素もあるので、
ジグソーパズルにはまってしまうような感覚で、
結構、昔のフェズの女性たちも、夢中になってしまっていたのではないかな?
と思うのです。
今は、もうフェズの街も近代化されてきていて、
他にたくさん魅惑的なものがあるでしょうし、
女の子ももちろん学校教育があるでしょうし、仕事にも就くのでしょうから、
だんたんと、刺繍の文化も廃れてきてしまっているのでしょう、
アマルが、あまりにも細かい模様を刺すのを嫌がるのも当然ですし、
アンティークのフェズ刺繍に目玉が飛び出てしまうほどの値段がつけられているのも、
当然なのでしょうね。
これから、アマルの家に、彼女の仕事を取りに行くのですが、
私がフェズ刺繍の謎を解いてしまったことは、
まだ彼女には内緒なのです。
どうしましょう?
夫に、アマルが仕事を失うのではないかと不安になったらかわいそうだから、
敢えて言わないほうが良い、と言われ、
迷ってしまいます。
私はただ謎解きをしただけで、彼女の仕事を奪おうだなんて、
思ってもいないのですが、
彼女が人に技術を教えたがっていなかったことを考えても、
何か、私には想像のつかない思いを彼女がしてしまう可能性は、
無きにしも非ずなので、
しばらくは黙っていようかな、と思います。
うーん、嬉しさに口を滑らせてしまいそうな気もする・・・。
皆さんも是非、フェズ刺繍の謎解きは内密に(?)挑戦してみてくださいね。
●●● 簡単アラビア語、チュニジア方言コーナー 最終回●●●
突然ではありますが、
私のボキャブラリーの限界もありますし、(笑)
第50号という限の良い今回をもちまして、このコーナーを終了させていただきます。
最終回の今日は、ちょっと長いフレーズを。
アシュハド・アン・ラー・イラーハ・イラーッラー
アシュハド・アンナ・ムハンマダン・ラスールッラー
これは、「シャハーダターニ」と呼ばれる、
イスラム教の礼拝への呼びかけ、
「アザーン」の中の一節です。
チュニジアに旅行されると、イスラム教の国なので、
多くのモスクを見かけることになり、また、一日に五回のお祈りの時間には、
この語句を含んだアザーンが、モスクのスピーカーから流れてくるので、
耳にすることになると思います。
チュニジアのひとびとは、そんなに頑なイスラム教徒ではないので、
実際に一日5回のお祈りをささげている人のほうが少ないような気がするのですが、
心の中ではイスラム教徒、という人が多いので、
このおまじないのようなフレーズを、頑張って覚えていって、
お土産物屋さんなどで、暗礁すると、
ものすごく喜ばれて、安くしてくれたり、
プレゼント、と言って何かくれたりしますよ。(笑)
イスラム教徒でもないのに、
こういう使い方をしている私、
いつか罰が当たりますかね?
今週はここまでです。
長々と、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
次回もパリからの更新になります。
シュクラン。
blog版「さらは」の店長日記も
パリからほぼ毎日更新中です。
どうぞよろしくお願い致します。
http://saraha.exblog.jp/
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