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再会の(週刊 自転車ツーキニスト168)

発行日時: 2004/6/16

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【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
 再会の168号

■梅雨の中休み

「梅雨の中休み」なのだそうだ。
 流れ出す汗が、いや、爽快だよ。会社に着いたらしばらく汗をダラダラ出し、団扇でバタバタ扇いた後、別のシャツに着替える、と。
 タオルで顔と頭をグルーリと拭く。うへへへ、こういうとき、スキンヘッドはキモチイイですぞ。
 現在、日照時間が1年で1番長い時期だ。この時期にこうして直射日光が地面を温めていると、やがて2カ月程度後に効いてくるんじゃないかと思う。つまり、私の予感では、今年の夏は去年とはうって変わって、大猛暑になるような気がするのだ。
 気象学的な根拠はゼロなんだけどさ。

■S君のこと

 たった1年ほどだが、バラエティ番組のディレクターをやっていたことがある。10年ほど前の話で、ワンクールで打ちきりになった。もちろん視聴率がとれなかったからだ。タイトルを言っても、誰も憶えていないだろうと思う。
 テレビ局に勤めている誰も実感することだとは思うが、視聴率がとれないと、番組スタッフの雰囲気も悪くなっていく。こう言っちゃ何だが、プロデューサーも無意味に当たり散らすばかりだし、ディレクター同士も仲が良くない。ADの状態なんか輪をかけて最低だった。
 その時期に、私の下で働いていたADがいた。私よりも2期下。都内の都会派進学校から東大に行ってTBSに入った。とても優秀なADだった。よく気が付き、何でもテキパキと仕事をこなす。いわばスーパーAD。私はディレクターでありながらも、すごいなーと思いながら彼を見ていた。
 やがて番組は終わり、スタッフはバラバラになった。
 その後、彼が会社を辞めた、と聞いたのが、わずか1年後のこと。それっきり私は彼の消息を知らなかった。
 テレビの仕事のアホらしさ(ADでいるとホントにリアルにアホらしかったりする)に愛想を尽かしたのか、別のやりたいことがあったのか。とにかく彼は26歳か27歳の時点で、別の道を探るべく局を出ていったのだ。

■S君に「会った」

 そのS君に再会したのが、つい最近。ネットの中のことだった。
 彼は「インターネット配給・映像コンテンツ会社」某社の社長になっていて、とあるインタビューに答えていた。掲げられた写真は、当然ながら当時よりもちょっと老けていたが、おお、S君そのものだ。
 彼は既存のテレビ局のライバルとなるべく、ベンチャー企業を率いていたのだ。私はなんだか感動してしまってね。もともと優秀な男だし、ただ者じゃなかったんだから、いつかどこかで何らかの形でメディアに登場するなりして、私の目の前に姿を表すはず。そう何となく思っていたのもので。
 その予想はこうして当たった。
 彼はそこで抱負を語っていた。「ネット内のコンテンツビジネスは儲かる、というビジネスモデルを、私が示してみせる」と。S君のことだから、たぶん、本当にそうなるのだと思う。映像コンテンツはいよいよブロードバンドを流れる時代が来たのだ。

 ネット内でS君と再会した。
 それだけのことなんだけどね。小さなことだけど、私はなんだか感動したのであるよ。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「素晴らしき自転車の旅 - サイクルツーリングのすすめ」白鳥和也著 平凡社新書

 久々に純然たる自転車本。
 一読、私は驚いてしまったよ。私の本に、ものすごく似てるのだ。いやいや誤解してもらっては困る。盗作とかそういう意味合いじゃなくて、著者白鳥氏のスタンスと、人間としてのあり様が、私に実にそっくりなのだ。
 少年時代の自転車経験、大学に入って自転車から離れた生活を送る。その後、30歳を過ぎて再び自転車に。昔のランドナーを再生する。旅にでる。自転車は好きだ。だが、自転車自体とはマニアック過ぎるつきあいをしない。ブンガク好き(たぶん)。
 これは私のことではないか。だが、これらのことは、そのままこの本の中に書いてある白鳥氏のことなのだ。1960年生まれ。私よりも6つ年上。でも同じ60年代生まれだ。
 後半に白鳥氏の近影も載っているのだが、気のせいか、どこかで見たことがある。白鳥さん、あなたはいったい何者ですか?
 内容は面白いです。というのか、ここまで状況が似ていると、読んでて「そうそう」「分かるなぁ」だらけだ。共感などというもおろか。特に最終章のエッセイ部分は「オレの旅も、これそのもの」だった。

 本の構成も、私の「快適自転車ライフ」(岩波アクティブ新書)にちょっと似てる。さらに、実は現在書いている新刊と、かぶる部分が大いにある。私は驚愕した。やられた。先を越された。少なくともその部分は書き直さなくては。
 いやはや同志出現。というか、ライバル出現? と、私はちょっぴりドキドキしているのだ。

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バックナンバーはこちら。
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