かいかいかいと(週刊 自転車ツーキニスト159)
発行日時: 2004/2/25----------------------------------------------------------
【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
かいかいかいと159号
■今年はなんか早めじゃありませんこと?
何だか今年は、ちょいと早めに自転車通勤ベストシーズンがやってきてしまったという感じだね。多少、風は強いものの、南風が肌に気持ちがいい。まだ2月だというのに「春はもうそこまで」、というより「春、もう来ちまった」という肌触りだ。
嬉しい誤算であることはあるけど、これも地球温暖化の一環なんだろか、と思うと、ちょっと手放しでは喜べないところがあるな。おまけに花粉系の方は、鼻がそろそろぐずぐずなんだっていうしね。
■かいかいかい、と、背中が痒いわけじゃない
かいかいかい、の、かい(魁)というのは私の息子の名前でありまして、随分と大きくなった。まだ生後54日目なのだが、デカいデカい。6kgオーバー。37歳の父親としては、やはり可愛いわけで、写真などもバチバチと撮ってしまうのだ。ミルクをガブガブ飲んで、小便をジャージャーするのだ。一日中、泣いて飲んで出して寝て、また泣いて飲んで出して寝ての繰り返し。まことに子育てとはかくや、なのね。今まで知りませんでした。
まあ、そんなこんなで、全く自転車通勤とは関係がなくて恐縮なのだけど、コレだ。
http://japgun.hp.infoseek.co.jp/pianokai.html
ね、でへへへへ、可愛いでしょ。たぶん「フツーの赤ん坊じゃん」と思われる方、大多数(というのかほぼ全員)なのだと思うのだが、今の私には、むしろそのことが信じられん。ほらほら、こんなにスペシャルじゃない、かわいいじゃない、ってね。年賀状にガキの写真を載せる気持ちが分かる。困ったもんだ。
しかし、この子のオムツを換え、風呂に入れ、綺麗なおべべを着せて、ミルクを飲ませ、とかやってると、以前、取材した(そう言えば、このメルマガにも書いたよなぁ)アフガン難民キャンプを思い出すのよ。
あそこにいた赤ん坊たちには、綺麗なおべべどころか、オムツも風呂もなかった。ミルクだって(ミルクに関しては各国の援助があった筈だが)十分な量だったか、かなり怪しい。
最低の衛生条件で、最低の教育環境、6歳までにほぼ半数が死んでいく。
誰かにとっては、あれも我が子。これも我が子。あの当時は分からなかったけど、何だか切ない気分になってしまうよ。
■とうわけで、またしても忙しいモード
目の前に、本が2冊。さらに育児(カミさんの補助的役割ではあるがね)、と、またしても、忙しモード全開だ。
本2冊というのは、1つ目が、木世(えい)出版社から出る「ペダルを踏んで、日本の歴史を見てきた(タイトル未定)」というようなヤツで、これは「バイシクルクラブ」の連載を集めたもの。だからして、まあ作業的にはあまり問題はない。ついでに言うと自分で読んでて、結構、面白い。そこらの歴史ガイドブックや紀行モノとはひと味違う。何が違うって、自転車と歴史巡りのスピード感がピタリと一致しているところだ。そこに軽快な文章(のつもり)と古代の謎が踊る。歴史はまさに自転車に限る。
おまけに、巻末にはスペシャル企画、あの逆説の巨匠・井沢元彦先生との「ガチンコ対談付き」だ。うーむ、濃いぞ。
だが問題はもう1冊の方なのだ。
こっちの方は、朝日新聞社からで、「自転車生活、楽しみはコレからだ(仮題)」とばかりに、自転車生活・次へのステップを誘う書、というわけ。自転車通勤、自転車生活の毎日の楽しみの次には、あれもあるこれもある、こんなに凄いことも自転車なら可能だ!そして初心者を一気に乗り越え、読んだアナタも中級者だっ。
という予定なのだけど、これが書いててなかなか難しい。書くことはたくさんあるのだけど、何だかとりとめがない。なかなか論旨が真っ直ぐにいかない。という感じで結構、苦労してるのだ。実はこちらの締め切りが近い。
「自分自身が読みたくなる本に」というのが、今回のテーマであります。となると、私としても自転車通勤を始めた頃と較べ、必然的に興味のベクトルが多方面にいくことになってて、そこのあたりの辻褄を合わせるのが、思った以上に難しいのだな。
文字がかなり多めな本になる、という予感。
色んなところで見知らぬ私の読者に会って、人によっては「自転車通勤」の続編をそろそろ書いてよ、という意見も強くて、それに応えたいと念じているのではあるのだけれど……。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「リアル鬼ごっこ」山田悠介著 文芸社
こりゃ驚いた。いったい何なんだこの小説は?
読んだ瞬間にアタマの中には「?」マークが点滅し、何かザラリとしたしょっぱさがオクチの中に拡がる、と。ヘンなもの読んじゃった。参りました。一言で言うと「素人作品」だ。高校の文芸サークルなんかが、文化祭に発表するような代物。
ところが、これが売れてるのだという。実売ですでに10万部を突破。書店での平積期間も随分と長い。
実に不思議だ。
内容を大まかに言うと、
未来の架空の国(でもそこは日本だ)の中で、架空の王様が「全国の佐藤という名前の人を全滅せしめよ」と命令し、全国500万人の佐藤さんは逃げる、そして殲滅される、その中で佐藤という名を背負った主人公の運命は……?
とおいう、まあ、いわばSF風ファンタジー。ただし、読んでて驚くのは、その話の荒唐無稽さじゃない。これぐらいのありえなさぐらいは、私は十分ありだと思う。
問題はプロットじゃないのだ。その細部、セリフ、語り口調、登場人物、小説が小説たる部分のほぼすべて。そのすべてが、どっかで見たなぁ、どっかで見てて恥ずかしいなぁ、という感じ。チープなマンガのシーンの寄せ集めというテイストなの。読んでて実にトホホ。幼い頃に別れた妹との再会と別れ。自己を犠牲にする親友。そういったものが、いちいち実に類型的で、独りよがりで、鳥肌モノなのだ。書籍のカラオケボックス化は、まさにここまで極まってたんだなぁと思う。
恐らくは著者の山田氏は、あまり活字を読むタイプの青年じゃないのだろうと思う。
だがそれが書店に並ぶなり、売れるという現実。
興味のある方は是非、書店で手にとっていただきたい。間違いなく「現代の奇書」だと思う。読んでぶっ飛び、どこか居心地の悪い思いをする、というのもタマにはいい。まったく皮肉な意味ではあるのだけれど。
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【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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