夏が過ぎゆく(週刊 自転車ツーキニスト139)
発行日時: 2003/8/30----------------------------------------------------------
【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
夏が過ぎゆくよの139号
■瀬戸内ロード
瀬戸内は、今治-尾道間。つまりはあの「しまなみ海道」から帰ってきましてね。
これは雑誌「バイシクルクラブ」の取材で行ったわけだけど、しまなみ、思った以上のサイコーさでした。まさしく自転車パラダイス。こりゃサイクリストに好評なわけだわ。その理由がよーく分かった。
6つの橋が、すべてたったの50円で渡れる。ボックスにちゃりんと入れるだけ。全部合わせてもたったの300円。その一つ一つが、安全、勾配、の双方に関して考えられた自転車専用道だ。
利用者も少ないし(!)、景色も最高。空気もイイ。ついでにいうとメシも美味い。これはマジで「タイやヒラメの……」ってヤツだった。みんなその辺の海で獲れるんだから、新鮮極まりないのだ。元来魚好き、刺身好きな私にとっては、毎日が天国でありましたよ。
だが、何と言ってもこのしまなみ海道のサイコーに良いところは「自分の足で一つ一つ島を乗り越えて、海峡を渡る」という感じ、そのものに尽きると思う。これがタマラナイ。気持ちいい。
島々の上を通る空中回廊。この浮遊感はたぶん世界中を探しても、唯一にして無二だと思う。
もしも今現在「ツーリング行きたいんだけど、どこに行こうかな」というような人がいるならば、しまなみ海道、是非どうぞ。完全なる日本一のオススメロードであります。奥さん彼女を連れて行くにも最高。つまりはあまりキツくない。
現在の私に言わせると、本当にダントツのオススメ。特にお近くにお住まいで行ったことのない人は、勿体なすぎる。今すぐにもどうぞ、だ。
この橋を造るのにかかったカネが、総額およそ1兆円だそうな。その1兆円は間違いなく本四連絡架橋公団の、未来の破綻処理として、重く税金にのしかかってくる。
そのトンデモない無駄遣いぶりは、いくらでも批判・検証してしかるべきだとは思う。
思うけど、出来ちゃった以上、使うべきは使おう。特に自転車人に対して、しまなみロードは本当に安くて安全で快適だ。1兆円。なんとも贅沢な自転車ロードだよな。
それにしても暑かった。瀬戸内。
今年の東京ではまったく味わえなかった「本来の夏」ってヤツを満喫してきましたがな。それもそれで良かったよ。やっぱり夏はこうでなくちゃ。
焼けたぞ、肌が。左手には腕時計の痕とグローブの痕がバッチリだ。それもこれも、もはや夏の思い出かぁ。明後日から9月……。
■9月といえば
9月といえば、私の5冊目(文庫を除く)「サドルの上で考えた-自転車的なる精神の欠片」が、いよいよ発売です。
たぶん9/1(月)には、全国の書店に並ぶはず。つまり今現在でも、東京などの早いところではすでに店頭平積みになってる可能性あり、です。東京書籍から264ページ、1200円であります。
ヒキタ伏して、よろしくお願いします、のであります。
今回の内容は「自転車にまつわるエッセイ集」というのが一番近い言い方でして、デビュー作の「自転車通勤で行こう」の続編があるとすれば、この本が一番、それに近いと思う。
自分で読むと、ちょっと恥ずかしい部分もあるのだね。前3冊のような「マニュアル・解説本」「主張本」とは、ちょっと違うもので。
だけど、周囲の人に聞くと「ヒキタらしくて、コレが一番面白いよ」との声も多いのだ。
雑誌「BicycleNAVI」「バイシクルクラブ」などの発表分と、このメルマガとの重複分が、ちょっと含まれています。つまり、このメルマガのテイストがお好みにあう方ならば、それなりに楽しんでいただけるのではないか、と思うのでありますよ。
なお、装幀は物凄くオシャレ。私の本じゃないみたい。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「学研電子ブロックのひみつ」大人の科学編集部編 学研
コレは興味のない人にはまったく面白くない本なんだけど、一部の人には、ホントの涙本だと思う。
特に学研の電子ブロック「EX-150」を持っていた人、中でも私のように「EX-30」からブロックを少しずつ集めていった人にとってはね。
「EX-30」なんてICアンプが紙なんだから。紙。泣けるなぁ。
……と、すいません、知らない人には、何のことやらさっぱり分からないと思うのだ。
かつて70年代に、学研が作った少年用のエレクトロニクス実験玩具に「電子ブロック」というのがあったのですよ。
46個の半透明のプラスティック製ブロックの組み合わせで、ラジオを作ったり、嘘発見器(!)を作ったりするオモチャが。もちろんそのブロックの一つ一つにコンデンサや抵抗、ダイオード、トランジスタなどが仕込まれているわけで、ブロックだからいちいち半田付けしたりする必要がない。
実に卓越したアイディア、よくできたオモチャだった。
あそこから電子の面白さに目覚め、現在の日本の、家電やコンピュータ業界を支えている人も沢山いらっしゃることと思う。真面目な話、かなり高度なオモチャだったからね。電子ブロックは。
残念なことに、その電子ブロックは、86年に生産がうち切られるのだけれど、その後、2000年になって、大人になったかつての科学少年たちのために復刻版が出されたのだ。それがヒットした。
冒頭の本は、その解説本というわけ。
実は私は復刻版ならぬ当時の電子ブロックそのものを持ってます。
当時の私にとって本当の宝物だったから、捨てるなんて到底出来なかったのだ。思わずそれを引っぱり出してみたことでありましたよ。懐かしい。でも、今読むと別の意味でもびっくりしますぜ。
回路の内容なんて、ラジオとかブザーとか、そのあたりだけかなと思っていたら、あらま、コレは原始のコンピュータの回路だ、なんてのが頻出する。
小学生の玩具としては、ものすごく高度。特にナンド回路、ノア回路なんて言葉が普通に使われてるのには驚嘆せざるを得ない。
ふーむ、電子ブロックの向こうには、何かが見えてくるような気がするよ。
特に86年の生産打ち切りの理由は「テレビゲーム、ゲームウォッチに押されて」というものだったそうだ。何かが引っかかると思いませんか?
この話はまた書こうと思います。
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【自転車通勤で行こう】
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