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あれ? の(週刊 自転車ツーキニスト108)

発行日時: 2002/11/16

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【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
 またしても長い、連日の108号

■雨が降らないね

 少々曇っているとはいうものの連日の自転車通勤日和ですが(首都圏・昨日)、なぜだか連日のメルマガ。
 どういう風の吹き回しかは不明。ウソ。後で分かります。
 さて、気温がここまで下がってくると、当然ながらセーターなど着込んだりするわけですが、世の人々にセーター派とジャケット派があるとしたら、私は断然セーター派。セーターのいいところは、冬の日の自転車と相性がいいところかも知れない。
 立ち止まっているとセーターって暖かいけど、風の通りがイイから自転車を漕ぐと涼しい。漕ぎ出しの最初こそ「あれま寒いぞ」なんだけど、5分も漕いでいると。その通気の良さが快感だ。自転車生活は、乗ってるときの高温と、乗ってないときの低温とに、いかに折り合いをつけるかが快適性のカギとなる。
 まあ厳寒期になると、そうも言ってられなくなるけど、まだ11月だからね。

■前言一部撤回

 さて、前回のメルマガ107号に書きました「朝日新聞の何とかいう教授の記事」の部分。申し訳ない、前言を一部撤回というか、ちょっと加筆修正をしたいと思います。
 友人から「アレはアレで、納得できる話だと思ったが……」というメールをもらいまして、今、記事を取り寄せてじっくり読んでみた。
 うーん、論旨自体はそれなりに納得できるものだ……。あれ?

 本記事は、朝日新聞11/6付夕刊の「思潮21 自転車は『走る凶器』」と題する岩井克人東大教授の小論文でした。
 掲載されたときに読んだ時点では「自転車は凶器だ」と「猛スピード」「曲芸師のように」の手合いの文言にアタマに血が上ってしまっていたのかもしれません。だが、よくよく読むと、この記事の言わんとしているところは、歩道を無法状態で走り回る自転車によって、身体能力の低い人、すなわち老人の歩く権利が侵害されている、というところであって、それ以上でもそれ以下でもない。
 なんであんなに怒ってしまったのかよくわからない。きっとサラサラッと飛ばし読みをして、最後の「無法自転車に賠償金を」「本当に自転車は走る凶器です。」とのシメを読むことで「あー、そーゆーことかよー」となってしまったのであろう。ダメだなぁ、オレ。

 さて、しかしながら、この小論文には圧倒的に欠けている側面があるのも事実だ。
 前回の107でもチョコッと書いたのだけれど、「ならば自転車はどうすればいいのだ」という視点がまったくない。共存の思想が皆無。
 歩道上の無法自転車が多いのは、普段から私自身も申し述べているとおりで、右側通行、夜間無灯火、歩道上どけどけの暴走、などの不埒な交通マナーは本当に改善されなくてはならないと思ってる。
 だが、一方で、そういう風に歩道で邪魔にされ、車道からも追いやられ、では自転車は? という部分はどうすればいいのだ。この点を言いだすと、やはり交通システムが、インフラが、といういつもの「例の話」になって、ツマラナイので、長々語らないけれど……、ああ、今、分かった。最初に記事を読んで、私がアタマに血が上ったワケが。
「老人」という分かりやすい弱者・被害者をことさらに取り上げて、問題の本質をみないまま、自転車だけを「凶器だ凶器だ」とあげつらう態度が気に入らなかったのだ。
 岩井氏には恐らくそこまでの意識はなかっただろうと思う。
 だけど、自転車問題の本質は実は深い。ある現象だけをピックアップしてみるだけでは何にも変わらないのである。コレは「放置自転車」や盗難、自転車レーン、違法駐車、その他諸々の話にしてもしかりだ。私にしてもこの5年間考え続けて、ようやく分かってきたところなのだ。

■安売り戦線さらに加速

 さて「輪界レポート」という自転車業界紙を読んでましたら、こんな話が書いてあった。
 今、続々と日本各地に建ちつつある、いわゆる大規模ホームセンターなどでは「開店キャンペーン」として「激安自転車」「激安折り畳み自転車」を目玉に据えるところが多いのだそうだ。で、驚くのはその値段だ。あるHCチェーンと、別のあるチェーンの販売競争ラインは今や3980円なのだという。
 もちろん一番ベーシックなママチャリではあるんだけど、それにしても3980円だよ。小売りで。すごいよなぁ。ピザ2枚分で自転車が1台買えちゃうのだ。正直言って私は滅茶苦茶だと思う。こんな馬鹿げた値段があるか。
 競争を激化させている両チェーンはともに誰でも知っているような大手チェーンだ。その大手が3980円で自転車を売る。その値段で売れるような自転車を卸せと問屋、メーカーに要求する。
 3980円は「現物を見ていないから何とも言えない」というレベルではない。中国のメーカーすらが「これでは厳しい」と言っているのだ。当たり前だ。3980円では、どうしたってちゃんとした自転車は作れない。

■この業界に「神の見えざる手」はないのか

 自転車業界は、ホームセンターの突き出す要求(3980円にしろという要求)を、でも結局は飲まざるを得ない。販売ルートのほとんどをホームセンターやスーパーなどの大規模小売店に頼っている現状では、扱ってもらえないことは、そのまま会社の存亡に関わるからだ。無理をしてでも、小売値3980円で、卸す。その無理はどこに出るか?
 もちろん出る。
 問題はその3980円を実現させるために、どこをコストダウンしているかだ。一言でいって、見えないところすべて、がコストダウンの対象となる。フレームと車輪とブレーキとハンドルがあって、見た目にカラフルな色で塗られていれば、見えない部分は問わない。つまりは、強度、精度、重量、その他その他、見た目以外がすべてダメになる。
 それでも消費者は飛びつくのだ。どうせ3980円。1年持てば儲けもの。
 多少重かろうが(多少ではないんだけど)、多少ふらつこうが(多少ではないんだけど)、自転車なんて最初からそんなものという意識なのだ。

■業界基準を作れ

 デフレデフレと言われながらも、ここまで値段が下がったものは自転車をおいてほかにないのではないか。そして、ここまで、その内容を問われない商品も珍しいと思う。 
 別段「安いこと」自体が悪いワケじゃない。家の中で一人勝手に楽しむものならば、安かろうが、悪かろうが、個々人の勝手だ。
 だが、問題なのは、自転車は堂々と公道を走る交通具であることだ。事故は一人で起こすものじゃない。多くの人を巻き込んでの不幸を作るものだ。そこには何らかの基準があってしかるべきだろう。交通具が「安かろう悪かろう」では困るのだ。
 遅まきながら国交省なども「自転車の『作り』による事故」の実態統計検討に乗り出した。
 問題は我々ユーザー側にもある。3980円には対抗しようではないか。
 そんな値段の自転車を買ってはいけない。あなたは既に自転車を持ってるだろうから、周りにそう言って下さい。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「詐欺師のすべて」久保博司著(文春文庫)

 今回は新潮文庫じゃないからYONDA君グッズとは関係ない。
 実は私、詐欺って好きでしてね。
 もちろん詐欺そのものが好きであるわけではなくて、色んな種類の詐欺の手口を知るのが好きなのだ。そこには必ず「現代の世相」(なんてね)みたいなモノが透けてみえてくる。
 だから大神源太(乳首すけすけナルシスト男)、山本一郎(KKCの鼈甲メガネヒゲ男)なんかがテレビに出たりすると、嬉しくて仕方がない。手口の巧妙さや馬鹿馬鹿しさ、どうしても漂う軽薄感が実に興味深い。面白い。被害者の方には何とも申し訳ないのではあるけれど。
 この本は、そういう「詐欺好き」を満足させてくれる、ある種の傑作詐欺本と言っていい。
 本屋に行くと分かるけど、実は「詐欺本」は発行点数が非常に多い。私と同じような「詐欺好き」って結構いるんだなと思う。だが、内容は玉石混淆で「またコレかよ」と思わせられるのもしょっちゅうなのだ。
 その中で、この本が優れているのは、豊富で克明な実例とともに「なぜその種類の詐欺が流行るのか」「なぜ引っかかるのか」にまで、グッと踏み込んでいるところだ。
 著者の久保氏はフリージャーナリスト。警察方面に詳しい人だそうだ。

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【自転車通勤で行こう】
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バックナンバーはこちら。
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発行者プロフィール

ペンネーム : ヒキタ

  • 環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。 と、思ってたのですが、ただ単に私ヒキタからのバカメールが届きます。ご容赦。

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