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放置自転車の(週刊 自転車ツーキニスト90)
発行日時: 2002/5/22----------------------------------------------------------
【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
放置自転車などに関しての90号
■その前に「ツーキニスト」だ。
大阪の自転車メーカー、ナショナルタイヤが通勤専用に開発したタイヤ「パナレーサー・ツーキニスト」ですが、そろそろ履いて2ヶ月になるので、そのインプレッション。
いや、予想以上にイイよ、これ。
私が使っているのは700×28cの、つまりはロードレーサー用の細いヤツなんだけど、何より安心感がいい。「お試し期間だ」と思ってるんで、毎日毎日通勤中に、段差とかマンホールとか、わざと積極的に乗り越えてるのね。ぜーんぜんビクともしない。これだけラフに扱っているのにパンクする気配もない。さすがは耐パンク性能を約2倍にしただけあるのだ。さらにはグリップもなかなかで、つまりは滑らない。まだ2ヶ月で新しいから、ということもあるのだろうけど、結構ツルツル目のパターンなくせに、粘る粘る。
これまで私はV社の安目のチューブラーあたりを中心に使っていたから、ロードはブレーキ時に多少滑るのは当たり前だと思ってたのさ。だけど「ツーキニスト」は滑らないなぁ。
おそらくスピードということで言うと「ツーキニスト」はほんのちょっぴり劣るのではあろう。だけど通勤時の利便性を考えると、どちらがイイかというと、こりゃ圧倒的に「ツーキニスト」だわ。実勢価格が3000円弱。値段が安いのもいいね。
そんなこんなで、最近、何だかタイヤマニアになっちゃってさ。あれこれ試してみるために、今、ウチにはホイールが6つもある。必然的に4本を部屋の中に置くことになって、カミさんに至極、評判が悪い。
■デヴィ本について
前回の「オススメ本(たまに非オススメ本)」で取り上げたデヴィ夫人の著作なんですが、そこまでヒドいなら、是非読んでみたい、という方がちらほらいらっしゃいまして……、困ったもんだ。
いや、カネの無駄です。読むと不毛で不愉快な気持ちになるだけ。おまけにそんなモノに金と時間をつかった自分に腹が立ちますからね。ホントに。
例えば、そのさらに前の前あたりに取り上げた、ザ・水野晴郎・フィルム「シベリア超特急」。
これなどは「わはは、何だよこれー、ゲラゲラ」と、明るくダメさ加減を楽しめるんだ。これに関しては「見てみたい」という人を私は止めやしないよ。むしろ薦める。奇妙な体験としてね。だけどさ、デヴィは……。
それでもどうしても、という向きには「ならば、どうぞ」と言うしかないけど、ホントに後悔するから……。安いイラスト、安い造本、すべてを含めて、最悪だよ。
■放置自転車について
さて放置自転車について。
これは「バイシクルクラブ」の連載「ツーキニスト疋田の"現場から生中継"」4月号分の転載です。
【タイトル】
「放置自転車」を悪と決めつけるだけで問題は解決するか?
【本文】
■地方自治体にとっては困った話なのだ
地方自治体にとってはホントに困ったことなのだ。この放置自転車の問題は。
例えば東京だけを例にとっても、世田谷区だけで対策費が年間30億円かかってる。
一口に言うけど、30億円ですぞ。一日当たり822万円が放置自転車撤去で吹っ飛んでいく計算だ。しつこいようだが、世田谷区だけで、ですぞ。
当たり前ながらすべて区民の税金だ。さらに言えば、その費消された税金は、まったく意味なく単になくなってしまうカネなのだ。
それに業を煮やしたのが、この間の豊島区で、放置自転車全国ワースト1の池袋駅を擁する同区は、この放置自転車の撤去費用を、池袋に駅を持つ鉄道会社に肩代わりさせようとした。鉄道会社にとってはいい迷惑だが、豊島区の側にも「理由なし」とは言わない。何しろこの区の撤去費用も年間12億。これは市町村レベルにとってはやはり過大な負担ではあろう。
と、ここまでは「行政寄り」のお話。
だが、私は以前から「放置自転車」の話をされるたびに、こめかみに「ピキピキッ」と青筋を立たせていたのだ。私の場合、髪型のせいか、それが殊更に目立つのだ。まあ、それはまた別の話だが。
■放置自転車を憎む理由とは?
東京豊島区の自転車撤去は、さすがに過激な法案を提出する区だけあって過激だ。誰に聞いてもそういうのだけれど、豊島区、中でも池袋駅前の撤去スピードは他区に較べて群を抜いて早い。
30分前に「撤去しますよ〜」と放送し、その言葉通り、トラックでバンバン撤去していく。それを朝夕2回。迅速な行政出動といえば聞こえがいいが、ナンデだ? なんでそこまでやる? と思うのも、一方の素直な感想ではあるまいか。少なくとも私はそう感じる。
なぜそこまで自転車を嫌うのだ? ってね。
もちろん、放置自転車が駅前で嫌われる理由は分からないではない。歩行の邪魔になる。地震、火事など、災害が起きたときの緊急車両の通行を妨げる。それも確かなことだ。特に「車椅子が通れない」などと言われると、もうそれはごもっともと言うしかないし。みんな停めてるからイイや、という根性が誉められたことではないのは言うまでもない。
ただし、だから即撤去、その費用は税金で、というところに話が落ち着くのだとすれば、それは問題解決のための手段を誤ってると言わざるを得ないと思う。自転車は走らせる以上、停まるのは必然で、ターミナルに自転車が集まるのは当たり前であり、それを収容するための施設がない。このことは紛う事なき事実なのだから。
豊島区の担当部長に聞いたことがある。
「池袋にはこれだけたくさんの『駐車場』がある。すなわち駅近辺にクルマで乗りつける輩にコレだけの便宜がはかられているのだ。このうちのいくつかを自転車のために借り受ける、または買い取ることは出来ないだろうか」と。12億円の使い道を考えるだけでも、話は変わってくるのではないか、とね。
残念なことに要領を得る回答は得られなかった。
■本当の理由は別にあるのではないか?
以前、とある都市圏選出の国会議員がこう言うのを聞いたことがある。
「我が町からは駅前の放置自転車を徹底的に撤去した。だから駅前が非常に美しい。日本人はもっと街の美観を考えるべきだ」
この代議士は別段、なんの悪気もなくこのセリフを口にしたのだと思う。しかし、その時、私はなるほどなと思った。実はコレこそが行政のホンネなのではないかと思ったからだ。街の美観のために自転車を撤去する。本当の目的はそのあたりにあるのではないかとね。
この日本においては、ある程度エラい地位についたオジさんたちは自転車に乗らない。そして、その彼らの眼からは「下々の者が乗る」自転車がゴッチャリ集まった姿は非常に汚いものに映るのではないか。
だが、待てよ、なのだ。エコがどうの、環境がどうの(あ、同じか)なんて、シカツメらしいことは言わない。ただ単に「美観」ということだけを申し上げても、そこには重大な疑義がある。
我々はすでにアムステルダム、コペンハーゲン、ボン、などのヨーロッパの自転車先進地域の姿を知っている。それらの街で、駅前、繁華街に信じられない数の自転車が集まってくるのは、自転車好きならば、もはや常識だと言っていい。
それが果たして汚い光景なのかどうか。
ほぼすべての人々が自転車に乗る、という状態の中、駐輪場以外にも多数の自転車がホイホイと停められ、街中に東京どころではない数の「放置」自転車が溢れかえってる。だけど、例えば、アムステルダムと東京とを較べて、東京の方が美しいと言ってくれる人が、世界にどれだけいるだろうか。
美観のために放置自転車を撤去する、という考え方は、極端なことを言うと「人間がいると汚いから、街に入る人間の数を制限をする」という考え方に似ている。そこに欠けているのは「誰のための街か」という視点だ。
思い出すのは、世界に冠たる放置自転車ゼロの街、ピョンヤンだ。あの街を美しいと思うかどうか。
思う?
だとしたら、それは多くの人々にとって不幸なことだと私は考える。
■悲しみの放置自転車置き場
撤去された自転車がどこに行くか。
もちろん撤去自転車の置き場に行く。その地代、管理費なども「放置自転車撤去費用」に大きくのしかかっている。私が見に行った都内某所の自転車置き場には、実に多種多様の自転車が置いてあった。収容数、約3000台。もう誰も取りに来ないだろうな、というような錆だらけのものもあるし、買ったばかりであろう新品もある。意外なほどにイイ自転車もあるんだ。プジョーやジャイアントは言うに及ばず、私が行った置き場にはルイガノとBD-1があった。
私の目の前で、ちらほらと自転車を取りに来る人がいる。ああ、自転車クンよ、良かったな、と思う。
だが、この撤去自転車置き場は常に満杯なのだ。多くの自転車が、取りに来る人もなく、ここで人知れず錆びていく。先にあげたBD-1も風雨にさらされてかなりくたびれ始めていた。もちろんこの自転車置き場には屋根などないからね。そして、古い順番に自転車は廃棄されていくのだ。
撤去された後、自転車を取りに来ない人が多いのには理由が二つある。
一つ目は、ママチャリの値段があまりに安すぎること。もう一つは、盗難自転車の割合が非常に高いことだ。自転車ドロボーは「ちょっと拝借」型が非常に多いから、盗んだその日に駅前などに乗り捨てていくケースが非常に多い。それが放置自転車とされ、持ち主の知らないところで、こうした置き場で日々朽ちていくことになる。
安すぎる自転車(当然ながら安全性にも大きな問題を持っている)を考え直すことと、盗難に対する取り締まりの徹底。この二つはめぐりめぐって放置自転車対策に非常に大きな効果を発揮すると思うのだが。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「中年シングル生活」関川夏央著(講談社文庫)
相変わらず安定した関川節。彼のエッセイはこれ以外にも「ただの人の人生」「家はあれども帰るを得ず」「豪雨の前兆」(いずれも文藝春秋)などがあって、皆しみじみとイイ。オジさん、もしくはオジさんになりかけの人にオススメです。
関川氏自身はもう50歳ぐらいになると思うのだけど、どの著作をとっても「ちょっと少年、ちょっと青年、でも枯れることを指向してるよん。でも枯れきれないんだよん。」というテイストがあって、それが自分の中のタマラナイ部分をかき立ててくれます。
その文章が誠に流麗。
実のところ私は彼のような文章が書きたいと、いつもいつも念じているのです。
ちなみに彼は北朝鮮に詳しい知識人でもあって、以前「ニュース23」で出演依頼をしたことがありました。やってきた関川氏は、まあ写真の通りだったのですが、写真では縮尺が分からない。いや驚いたのは、その頭部の巨大さだ。
村上龍氏といい勝負。
私は文壇の二大巨頭は龍と夏央だと即座に認定してしまいました。まあ、どうでもイイコトではありますが。
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【自転車通勤で行こう】
http://www.hoops.ne.jp/~japgun/
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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