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汗は大丈夫かの(週刊 自転車ツーキニスト87)

発行日時: 2002/4/27

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【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
 汗は大丈夫かの87号

■速乾Tシャツ着てますか?

「走り始めてからしばらく経つとそろそろTシャツ一枚でも大丈夫」な気温になってきましたねぇ。めぐるめぐるよ季節は巡る。もうすぐ夏だ。もう初夏だ。セミはまだか?
 ユニクロは今年も「安・速乾Tシャツ」を出してくれるかな?
 去年はずうっとアレで通してしまいましたが、なかなか快適だった。今年もアレで行こうと思ってるんだわ。安いし。走ってる時、というよりも会社に着いたあとにスッと乾いてくれるから、そこがイイんだよね。

■「エイムック516」

 来週アタマにはほとんどすべての書店にお目見えすると思うのですが、「バイシクルクラブ」のエイ出版から「通勤・通学 スポーツ自転車の本」というムックが出ます。
 うーむ、意外と言っては失礼ながら、実によくできてる。
 自転車通勤用の、自転車、グッズのカタログ部分から、メンテナンス、走り方講座まで、カラー写真満載で、分かりやすく、楽しく、ポップで、それでいて980円と安い。困った。私の本の強力なライバル出現という感じなのだ。困ったな。
 いや、でも、自転車持ってないけどコレから自転車通勤始めたい、という人には、ピッタリです。特に64ページ以降の「ライド上達法」は初心者には、とってもタメになるはず。
 今月は「ファンライド」も「自転車通勤ライド特集」だし、「Bicycle NAVI」も「街乗り大特集」の季刊第1号だしで、自転車通勤関連の雑誌が豊作だ。
 自転車屋さんに行くついでに、書店にもどうぞ。さらに言えば「自転車生活の愉しみ」「自転車通勤で行こう」もよろしくね。「銭湯の時間」もありまっせ。コレは自転車と関係ないけどさ。
 それにしてもさ、このところ本屋さんで、自転車関係コーナーって増えたと思わない?
 嬉しいね。私としてはホントに嬉しい限りだ。

■名古屋で

 愛知県地方では、自転車のことを「けった」と言うのね。けったマシーン。
 その名古屋で「KETTA祭り」をやろうという企画が、鋭意準備中なのだそうです。どのようなフェスティバルになるのか、楽しみなんじゃが、今のところは、まだその全貌が見えない。乞うご期待というところ。

■京都で

 京都行って、例のベロタクシー(3輪自転車タクシー)に乗ってきました。
 車体重量150kg(!)だというのだけれど、思いのほか、スムーズに動きます。これ以外にも京都では色々な自転車企画が始動中、ということで、何だか面白そうなことになりそうだ。こちらも名古屋と並んで期待だな。
 というか、東京。
 どんどん地方都市に先を越されるゾ。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

「文章読本さん江」斎藤美奈子著(ちくま書房)

 先週の予告通り「文章読本さん江」だ。
 谷崎潤一郎「文章読本」に端を発する「日本語作法の本」すなわち「文章読本」の歴史をつらつらと通観し、その上で、日本人にとっての「文章読本」とは何か? なぜ「文章読本」はこんなに作られるのか(一説によると1000冊以上あるのだという)? ひいては文章はどうあるべきか(とは直接には書いてないけどね)、を考えていく本。
 この本の面白いところは「文章読本を書く」ということ自体が、その文章読本の作者にとってどのような意味を持つのかを、理詰めで追っていく中で、「文章」というものの本質が次第に姿を現していくことにある。本質とは何か。それは本書の最も最後の章になって姿を見せるのだけれど、まあ、ココでは言わない。読んでみて下さい。
「文は人なり」なんて思ってる人にとっては(すなわち文章読本を書いてきたほとんどの作者にとっては)、困った結論だよ。

 斎藤美奈子の面白い点は、乱暴に言うと、既存の(男系の)権威を小気味よくこき下ろすところにある、と、見られていると思う。乱暴に一言で言っちゃうとね。で、私としてもそれは間違っているとは思わない。そして、そのやり方が実に巧みなところにこの著者の真骨頂はある。
 ただし、本書に関しては、その「巧さ」が、両刃の剣となっているところが面白いと思うのだ。
 何かと言いますと、この「文章読本さん江」は、本人の筆力がないと書けない本である、という鉄板の事実。
 当たり前だわな。谷崎からこっちの、三島、井上、丸谷、その他その他、の並み居る文章家を、茶化し、こき下ろすためには、書いている自分自身が下手くそな文章をこねてるんじゃ、到底、その目的を達し得ない。
 そして、そのハードルを斎藤美奈子は軽々とクリアしているのだ。つまり、斎藤美奈子は、実に文章がうまい。
 コレは矛盾なんですよ。
 彼女が、彼女レベルの文章を書くためには、心の中に、自分にとっての色々な「文章作法」があるはずだ。「禁忌」もあるだろうし、こうあれかし、という理想だってあるはず。それは本書の中にも書かれている「ライター時代の『理不尽な書き直し』」などに滲む悔しさに如実に表れていると思う。
 それを一方におきながら、様々な文章作法をこき下ろしていく、というのは、2パターンの危険を孕むことになるのではないかと思うのだ。
 1パターン目は「アタシは文章の天才だから、文章作法なんていらないのよ、おーっほっほっ」女なのではないかと勘ぐられる、という危険。もう1つのパターンは「文章読本を否定しながらも、ホントは自分自身が文章読本書きたいんじゃねえかよ、斎藤は」と思われてしまう危険。
 どちらも斎藤美奈子本人の本意ではないはずだが、斎藤自身の文章が、ふざけた表現なども取り入れながらも、端正で、読みやすく、上品ですらある、つまりは非常に巧い文章であることが、その反応を避けがたいモノにしている。

 いずれにせよ、私はかなりの傑作だと思います。面白い。好きな人には大オススメ。
 谷崎、三島、川端、井上、丸谷、本多……と続いてきた「文章読本界」にもう1冊、傑作が加わった。こんなことを書くと斎藤氏自身は「違うのよー」と髪を掻きむしるかもしれないけれど。

 ちなみに斎藤美奈子本は、これ以外に、デビュー作の「妊娠小説」をはじめ、「紅一点論」「あほらし屋の鐘が鳴る」などなどと、だいたい期待を裏切らない。書評家、コラムニスト、として現在、最強の一人であると私は思います。
 
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【自転車通勤で行こう】
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