はははは春だ(週刊 自転車ツーキニスト44号)
発行日時: 2001/3/22----------------------------------------------------------
【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
そんなこんなで春が来たの44号
■峠を越えました。
いやどうも。めったやたらに忙しい日々でした。睡眠時間2時間が1週間続いてしまいました。でも今となってはみな過去のことよ……。過ぎてしまえば楽しい思い出。
なんちて、楽しくない思い出も多数出来てしまいましたけどね。主に本業方面。ホントに上司さえいなければサラリーマンは気楽な稼業なのですけど。でも上司のいないサラリーマンなんていませんね、はい。
そんなワケで、ようやくMA(音入れ、TV編集の最終段階)が終わりました。今月24日(土)の午後2時から「地雷ゼロキャンペーン特番」の第一弾が放送されます。お時間がありましたら見てみて下さい。私はこういう番組を作っているのです。
気にいらない部分は多数あるのですが、そこはそれ、上司には上司のお考えがあるのでしょう。私は与えられた役割をただ淡々とこなすのみです。カンボジアやアメリカやアフガニスタンなどで地雷がドッカンドッカン爆発するあたりが、まあ私の担当部分だと思っていただければ間違いありませんです。多少チャラい部分にはちょっと目をつぶっていただくとして……。
さて、もう一つの峠、朝日出版社の「銭湯の時間」が原稿、イラストともに仕上がりました。
表紙の見本なども出来てきて、私は「うひょー」と喜んでいます。予想以上の仕上がりです。しりあがり寿さんの表紙イラストは可愛らしいし、帯のコピーも気がきいてます。帯の裏やカバーの奥にも色々と仕掛けがあって、楽しいです。外側だけで定価の価値があると見た。1300円(確定)。でも、問題は中身なんだ。今となっては、これが何とも心許ないのよ……。
原稿を入れた後に「あー、これで良かったんだろうか、ひょひょひょ、これでホントに面白いんだろうか、はらほろひれ」とか考えたりするのは前回と同じで、今回は特に最終段階が意識朦朧状態だったんで、さらにそう。
恥ずかしい話も色々と書いてあったりします。すでにして「げげげげげげ、アレ書いちゃった、うひょ、アレも……」なんて思ってます。面白いことを書こう書こうとすればするほど、必ず自らの恥の暴露になってしまうのが、私の芸風の悪いところでして、編集者(26歳・女)に「コレはちょっと下品すぎるんじゃないですかァ?」とボツになってしまった章も数限りなく(大袈裟)存在します。でも裏を返せば、載ってしまったモノに関しては、彼女が「コレは下品に非ず」と認定したものなワケなんだよな。
よって、その方面の責任は、編集者(26歳・女。しつこい?)にありますです(←ウソ)。
ボツものについては、そのウチに「銭湯の時間・外伝」として、このメルマガで発表させていただくときもあるかも知れません。
4月10日発売です。が、プロモーションの関係上、もう少し遅れるかも知れません。
書店に並びましたら、是非、手にとって、しかる後に帯を剥がしてみて下さい。その瞬間、ガスが噴出し、買いたくなるような仕掛けも施されています(←半分ホント。どういう意味かは、お手にとって見てから……)。
よろしくお願いいたしますです。
内容の関係上(東京の銭湯のハナシなもので……)、まずは首都圏のみの発売となります。
それ以外にお住まいの方で「読んでやるぜ」という奇特な方は、間もなく決まります専用メールアドレス(朝日出版社気付)にメール下さい。送料無料でいち早くお送りいたします。おまけにアタシのキスマーク付きよ?と編集カワセ女史(26歳・女)は申しております。
■春が来た
いや昨今、気持ちのイイ季節になってきたと思いませんか?
花粉症の方々にはお見舞い申し上げますが、私はそうでないもんで、よく分かりません。すいません。ひたすら気持ちのイイ季節だ、と春を謳歌しております。
私の通勤途中にあります永代橋のたもとの(旧山一證券の本社ビルの目の前だ)バカ桜が、今年もいち早く満開です。この桜は毎年こうです。嬉しいね。
知らない人からのメールもこのところ増えてきました。やっぱり暖かくなってくると、身体を動かしたくなってくるんだよね。私も人知れず力こぶを入れつつ、よっしゃぁ、だ。自転車の21世紀へ。汗だくの夏へ。
滞りまくっていましたHPの更新作業を精力的にやるぞやるぞやるぞと思ってます。
これからの予定としましては、本業の特番(4/30)はおいとくとして、5月中に「ツースペ2」の完成、6月に「BICYCLE NAVI」の復刊、さらには「自転車活用推進研究会」の詰め。そしてそしてそしてビーッグな隠し球も用意しております。
隠し球については「お楽しみに」です。皆々様にも、ご協力を色々お願いすることになるかも知れません。ヤマモトさん(隠し球のキーマン)、期待しておりますですよ。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「梶原一騎伝」斉藤貴男著(新潮文庫)
それでも読んでたか、オレは。
読んでました。私を知っている人はご存じでしょうが、街を歩きながら。エレベータの中。昼食中。風呂の中。いつも読んでます。忙しくても睡眠不足でも、常に本を読み歩いています。私が時折「変人」と呼ばれる所以の一つです。
でも、ご大層な本は一切読まない、というところが情けないのですけどね。
さて今回の白眉はコレでした。
伝説の名著「夕焼けを見ていた男」の文庫版ですが、いや、濃い、濃い。梶原本人だけでなく、書いた斉藤氏にも梶原の情念がのりうつってます。
梶原一騎とは、もちろん「巨人の星」「あしたのジョー」「愛と誠」などでド有名なマンガ原作者の、あの梶原一騎氏ですが、晩年が決して褒められたものではなかったことでも有名でした。
梶原本人の抜きがたいコンプレックス、脂ぎった上昇志向、マッチョ志向、過剰な父性、暴力性が余すところなく語られて、その異様な人物像には嫌悪感を催す人も多いでしょう。特に晩年、まわりにいた人はさぞかし辟易したことと思います。梶原番を仰せつかった若手の編集者は震え上がったそうですよ。見た目も恐いからね、彼は。でもそれだけじゃなくてホントに殴ってたんだって。色んな人を。まあ結局それで最終的には逮捕されてしまったのですけど。
しかし、それでも読み終わった後にさわやかな気持ちにさえなるのは、著者が梶原一騎をそれでも大好きだからなのでしょう。
実は私も梶原なるモノが心の奥底でスキなのだと思います。
飛雄馬が、伴が、ジャージャー流す滂沱の涙や、「キミのためなら死ねる!」の岩清水くんに「勘弁してくれよ」と言いながら、でも心の底で、どこかその世界に惹かれてる自分を否定できない。何より全盛期の梶原ストーリーは読み始めたら止まりませんでしたものね。「星」も「ジョー」も。「番場蛮」や「巴突進太(何じゃこの名前は)」さえも……。
梶原は、ある意味では作品世界とまったく同一の人間性の人物だったし、また別の意味ではまったく別の行動をする人でした。少年だけどヤクザ。自分なりにはモラリストなんだろうけどデンジャラス。
後半の「極真カラテ」系の話になってくると、少々ついていけないな、という部分もかなり出てくるのですが、それでも文芸編集者だった父の影響下に、ブンガクにコンプレックスを持ちつつも、マンガ原作者として成功をしていく過程は、何か「高度成長」の時代のテイストともあわせて「健気」にも近いモノを感じます。
よく言われることですが、梶原作品の中で、ただ一つ、異質なのが「あしたのジョー」でした。
自分の原稿には一切手を入れることを許さなかった梶原が、ただ一人「この原稿で好きにやってや」と原稿用紙を託したのが、作画者のちばてつやだったのだそうです。有名なラストシーンをはじめとする、色々なエピソードのかなりの部分が、ちばのアイディアでした。
「ジョー」はやがて日本マンガの最高峰(文春アンケートなどでも2位を大きく引き離して1位)と称されるようになりますが、その「ジョー」が梶原の曲がり角だったと、著者の斉藤氏は分析します。恐らくそれは正しい。
続きは読んでみて下さい。
時代は梶原を産んだ、そして、一方で、梶原こそが時代を産んだ。
漫画の神、手塚治虫の対極にいた人物。裏帝王として漫画界に君臨しながら、エネルギッシュで、悲しくて、いつも飢えていて、そして不器用。そんな人物像が堪能できることでしょう。
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