HPの更新は激シブの自転車部分(週刊 自転車ツーキニスト25)
発行日時: 2000/11/4
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【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
ねえ、聞いて聞いての25号
連休中日、いかがお過ごしでしょうか。私は日曜出勤。したがって連休ではありませんでして、おまけに、土曜日の今日も、たまった色々な原稿を書いてます。こんなにいい天気なのにね。さて、今日はただ「聞いて聞いて」な話。自転車と全く関係ありません。
あ、HPも更新してます。ご覧になってみて下さい。そちらはちゃんと自転車の話です。
今年の春頃だったかなあ、横浜で、16歳の女子高校生が、交際中の男子高校生(17)に頼んで、自分が産んだばかりの赤ん坊を山中に捨てた事件って憶えてますか?
赤ん坊はそのまま死んでしまって、両方の高校生が逮捕されたんですけど、後になって、この赤ん坊は、男子高校生の子供でないと分かったのね。女子高生は随分前から「援助交際(売春って言え)」を繰り返してて、その中の一人の子供だろうということになったワケ。
事件はそれで終わるかに見えたんだけど、ところがところが、この事件、警察がやたらに力を入れてて、赤ん坊のDNA鑑定と、女子高生の行動の洗い直しから、父親を見つけてしまったんですよ。
結果、58歳の男、K容疑者が青少年保護育成条例違反で捕まりました。いわゆる淫行条例ですね。
K容疑者は「女子高生が子供を産んでいるなんて知らなかった」と警察に話していると言うことですが、さて。
さてさて。
このK容疑者の自宅が、私の住んでるマンションのほぼ向かいなんです。
「容疑者の自宅」がテレビに出てきて、私ゃ、目が点になってしまいましたよ。行ってきまーすと自転車に跨ってすぐ、いつも見てる馴染みの家。結構イイ家です。
でさ、いやはやスゴい人だったのよ。ここに住んでた人。
実際年齢の58歳より少し若く見えるんだけど、いっつも自宅の前でぼーっと佇んでて、前を通る女性などをじいっと見てるのね。クルマの中から見てることもあったし、自転車に跨りながら(スタンド立てたまま)見てることもあったらしい。何やら物色してるって感じ。見た目はモロやくざ風。シャブ系。
カミさんに言わせると「ヘンな人って、何となく『ヘンな人オーラ』出してるでしょ。あの人、ホント出しまくりだったんだから」とのこと。
さらに、自宅の屋上に何だか大きな鳥を飼ってて、それが大音声で鳴くのね。
「クワックワクワッッ、クエーッ、クエーッ、ケケケケケッ、キエーッ」とかね。
大迷惑。
小鳥の声、なんてものじゃなくて、並の大きさの鳴き声じゃないのよ。東西線の南砂町東口周辺にいる人は絶対に聞いたことがあると思う。少なくとも半径500メートルには響き渡っていたからね。
近所の人が苦情を言いにいったことがあったらしいんだけど、反対に凄まれてしまったんだって。ヤクザみたいな人だから。
「だからね、もう近づかないようにしてたのよ。関わりになるとロクなことないし、怖いでしょ。近所の人も、つきあいある人なんていなかったわよ」(近所の酒屋さんのおばあちゃん談)
何やってる人かというと、自動車担保の高利貸しだったらしい。「乗ったままでも融資」みたいなね。
ふうん。
私、この町に越してきてまだ1年半しか経ってないんだけど、詳しいでしょ。なぜか。それは昨日の逮捕当日、K容疑者宅の二軒となりの酒屋(兼八百屋兼雑貨屋)さんで、噂が持ちきりだったからです。
「いい気味、せいせいしたわ」
「いつか何かやると思っていたのよ」
などの話が、常連の奥様方と店の人との間に飛び交い、偶然ビールを買いにきた私も、ふんふんなるほど、などと会話に参加してたんすよ。何だかはじめて地域社会にコミットした気すらしてしまったね。
非日常的な事件が起きると地域社会は活性化する。阪神大震災の時に学んだ法則が、南砂町でも適用されてしまいました。ただし「淫行条例違反」なんすけど。
私は職業柄、犯人の自宅なんて、ほぼ毎日見てるんですけれど、それでも何か沸き立つものがあるんだな。こんなに身近にテレビに出るような犯罪が起きると。
なぜだろ。
やっぱり、どこかにブラウン管の向こうの世界は向こうの世界、という意識があるんだ。いくら自分がテレビ屋でもね。そのいわば「向こう側の世界」が自分自身のプライベートな日常に食い込んでくると、やはり私にとっての「通常の事件」と違ってくる。
K容疑者、もっとよく見ておくんだったな。今となっては。
もっと知りたいな。K容疑者のこと。こんなにヘンな人だった、とか、こんな悪さをしていた、とか。誰かご存じの方はお知らせ下さい。(←何だ、この結論は)
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「百夜行」東野圭吾 集英社
映画化された「秘密」や「放課後」などで有名な東野圭吾作品。正直言いまして、私は東野圭吾はあまり好きではなかったのです。語り口が甘すぎて。まあまあ面白いんだけど「お子様ミステリー」という感じがしてたのね。昔3チャンネルでやってた「青春ミステリー」の類みたいだなって。失礼ながら。
ところがところが、この「百夜行」は全然違います。
重厚な筆致と精密な構成。時代背景の描写も巧みで、読んだ後に「食った食った、旨かったぁ」と満足感が湧いてきます。
描かれる二人の若い主人公は異様ながらもリアルだし、悲しいし。高度成長期の昭和という時代の闇に遡っていく中年刑事は、松本清張作品のような風格を持ってます。
傑作です。コレはオススメ。
読み終わってから表紙を眺めると、真っ黄色の中に写ってる風景が悲しくて、なるほど、表紙も含めてよく出来てる。
文庫化はまだでしょうから、単行本でどうぞ。ブックオフなんかにもたくさん出回ってると思います。
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