「増刷」と「三人乗り」の(週刊 自転車ツーキニスト328)
発行日時: 2008/4/8
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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「増刷」と「三人乗り」の何だかよく分からない328号
■「冒険」絶好調!
例の「自転車をめぐる冒険」(東京書籍)なんだけど、発売2週間にして早くも増刷決定となった。ぱちぱちぱちぱち。ホントに売れてるのだ(涙)。私は嬉しいよ(涙)。ドロン女史、強し!というか、自転車の風、強風!というか……(涙)、どちらにしても、私ヒキタは感慨無量であります(涙 ←しつこい)。買ってくれた皆様、ホントにありがとうございます(謝)。
もはや自転車の時代は、ハッキリと来ている。
ただ、今、吹いている風が「自転車的な将来」に本当の意味で活きてくるかどうかは、「今現在すでに自転車好き」たる我々次第だと思うのだ。まだまだ普通の人は、自転車の本質とキャパシティを理解していないから。それどころか自転車に対する「誤解」すらあるから。
そういう現状に対して、ソフトに「実はすごいんですよ、もっとすごいんですよ、自転車は」ということを(あくまでソフトに)植え付けていかねばなるまい。
そして、最終的には「自転車こそが人類文明のパラダイムシフトのきっかけとなる」という「誇大妄想」にして「大言壮語」な「しかし紛れもない真実」を理解していただく、と。そうあらねばならん、と。
でも、そういう時代はきっとくる、と思うのだ♪
■三人乗りのママチャリ
いやー、それにしても、昨今さすがに、それなりに議論は沸騰してきた。
例の三人乗りママチャリの話なんだが(母親および“子乗せ”に乗せた乳幼児二人)、まあ私に言わせるならば、もしも三人乗りが全面禁止になったとするなら、少子化対策にも逆行するし、エコにも反する(つまり「乳幼児二人以上を持つ母親はクルマに乗れということか?」ということ)と思う。
私としては、きっちり安全対策を施した上で、三人乗りのママチャリを、場合によっては「歩道専用車」などに指定し、速度制限も施し、いわば「本来の意味でのママチャリ」として遇すべく、きちんと線引きをすればいいと思ってる。
それ以外の自転車はもちろん車道であって、要はそれぞれの自転車の果たすべき役割に応じて、メリハリをつけるべきだということなのだ。
現状のままでの三人乗り自転車は、確かにちょっと危ない。バランスが良くない。少なくとも安全とはいえまい。だからこそ、警察庁も今回「安全な三人乗りが、開発できれば、それは禁止としない」としてメーカー各社を集めて懇談会を作った(ニュース映像を見てたら、あ、仏頂面のH企画官、発見!お懐かしや♪)。
どんなものができてくるかは各社のお手並み拝見だが、これについては後述する。
でもねぇ。考えてみれば、本来ならば、三人乗りのママチャリは、法改正の前後を問わず禁止だったんですぜ。
それを今回「法改正の前後の“違い”をなんとかしてつくろう」とばかり、警察はこの問題をことさらに持ち出した感がある。
■法「改正」の意味は、結局なに?
どうせそうなんだったら「これまで三人乗りは禁止だっけれど、これからは解禁とする」とでもすればよかった。でも、そうすると一般の人にとっては「あれ? そうなの? 今まで禁止だったの? 知らなかったわ。でも、解禁になるなら、結局、以前とまったく変化ないわね」で終わってしまう。
だから、今回「これからは禁止」とした。ところが、それじゃ「法律上は、以前とまったく変わらない」。
なんともワケの分からんことになってしまったものだ。
それもこれも、原因はもちろん「去年2月の大転換」にある。このメルマガをずっと読んできてくれた人はご存じの通りだ。
去年の2月まで、改正道交法案は「自転車はこれからは歩道に」にするつもりだった。それがいろいろ紆余曲折の大騒動の末「自転車は(これまで通り)原則車道を徹底」に大転換することになってしまった。
その結果、今年6月に施行されるはずだった新道交法は、法律上「いったいこれまでと何が違うの?」というものになってしまったのだ。
いいですか? 今回「教則」に新たに書かれたという「傘さし運転」も「音楽プレーヤー聴きながら運転」も、そしてもちろん「三人乗り」も、すべて現行法で禁止だったんですぜ。別に法律をことさらに改正せずとも、何ら変わらない。
不思議なことになってしまいましたなぁ。
報じるメディアも混乱するわけだ。私としては、それも無理ないことと思う。
でもまあ、話がよい方向に転ぶなら、それはそれで別に私はいいのだ。
■さて、でも一筋縄でいくかなぁ
で、さて、その三人乗り開発の話に戻ろう。私が思うのは、この話、一筋縄ではいかないだろうということだ。問題は「経済」部分である。
確かに三人乗りでも安全な自転車はできる。私が思うに、新開発の三人乗り自転車は、まず間違いなく「小径かつ前輪二つのトライク(三輪車)で、二つの前輪の間にチャイルドシートを挟む」という形になると思うんだが、しかしながら、そういう自転車は、どう作ったって、5万円を超えてしまう。5万円どころか、10万円を超えてしまうかもしれない。
そこの部分をどう考えるか、に、今回の話の骨子はあると思う。
そもそもが「何で禁止なのよ、主婦感覚が分かってない、子育て感覚が分かっていない」というような話から始まったのだ(それが悪いこととはいわないが)。1万円のママチャリに慣れきったママさんたちは、おそらく「そんなに高い自転車が買えるわけない」と言うと思う。それこそが「主婦感覚」だから。
コレはどうしたって仕方のないことだ。
本来は「今までのママチャリに対する考え方の方が間違っていた。普通のママチャリだって1万円ではロクなものは作れないのだ」「BAAもとれないような粗悪自転車では危ないのだ」というところから再スタートしなくてはならないのだが、それをまっとうにママさんたちに教えるのは、ものすごくホネの折れる話だろう。
30年間放っておかれた、自転車行政の歪みが、まさにこういうところにあらわれる。
ま、これをきっかけに「自転車の値段を考え直す」「クオリティ、安全性を考え直す」「本来的なエコを考え直す」という方向に議論が進んでくれればいいとも思うんだが、果たしてそううまくいくものかどうか……。
「主婦感覚」や「庶民感覚」というものは、とてつもない強敵だからね。
今回のガソリン騒動を見てても、お分かるとおり。
ま「朝三暮四」のお猿さんとまでは言わないが、似たようなテイストは確かにある。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「自転車三昧」高千穂遙著 NHK生活者新書
このところ自転車本を連発してる(なんでだ?)NHK生活者新書から、またまた自転車本。
もはやカリスマSF作家としてだけでなく、自転車エッセイストとしてもお馴染みになった、高千穂“自転車で痩せた人”遙先生の、ハイパー自転車エッセイだ。
コレが面白い。
何が面白いのかといわれると、いわく言い難いんだけど、トレーニングの話も、健康法の話も、道路(自転車レーン)の作り方の話も、ママチャリは頑丈で良いぞの話も、そしてロードへ……の話も、いずれも肩が凝らず、語り口が面白く、ひょうひょうとしていて、時に適度に毒があり、照れがあり、いつの間にか読まされてしまった、おやおや気付くともう○時、という感じ。
要するに「文章が上手い(または旨い、つまりは美味しい)」というのは、こういうことを言うんだろう。
本全体を通じて、何が言いたいの? と問われるなら「自転車で痩せた人」の方が、そりゃ論旨ははっきりしているし、まあ評価は高くなってしまうんだろうけど、私としては、こちらの方が面白かった。というか、読んでて楽しかった。
まさに「自転車三昧」。こういう本がこの「自転車」というジャンルの中に増えていってくれると、自転車文化はもっと芳醇なものになると思う。
実のことをいうと、私の「自転車をめぐる冒険」だって、密かにそこのところを目指していたりするのだ。
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最新刊「自転車をめぐる冒険」(東京書籍・ドロンジョーヌ恩田と共著)
*現在、全国各書店で大好評平積発売中です。よろしく♪ というのか、品切れ書店ではご迷惑をかけております(←すいません)。
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞社
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞社
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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この記事へのコメント
全5件表示はっしー「自転車をめぐる冒険」読みました。去年ひょんなことからスポーツバイクに乗り始めるまで「自転車は歩道を走らなきゃいけないもの!」と思っていた私。今は逆走バイクに切れ気味です。先日夜間の世田谷区を子連れで走ったときは9割が右側通行でした。なんで!?子供に言い聞かせるフリをして、「ああいう無灯火で逆走してくるバカな自転車がいるから気をつけなさいねっ!!」と大声で言うのがやっと。でも疋田さんの本を読んでこれからもしつこく言うぞ!!と思ったのだった。日時:2008年4月13日
はと三郎どーも。いつも楽しく読ませていただいてます。
さて・・・
>「主婦感覚」や「庶民感覚」
ってよく言われるんですが。
今回の3人乗り自転車開発については
なんか違和感あるんです。
なにも「高級自転車を買え」って消費を
あおってるわけじゃないと思うんです。
今のままでは危険だから安全なものを使いましょうってことですよね。
ただ「だめ!」ってだけじゃなくって即開発を促した今回の動きは評価できるものだと思います。(すみません。今までの経過についてはあまり詳しくはないですが)
あなたにとって子供の命って5万円の自転車と
てんびんにかける程度のものなんですか?
と聞きたいです。
「3人乗りでもダイジョウブよ!」
「本当に?もしこけて目の前で自分の子供が頭から血を流して・・・目が上向いて・・・意識がなくなって・・・あなた多分泣き叫びますよ」
チャイルドシートの時もそうでしたよね。
今じゃみんなしてない。
「チャイルドシートって高いし・・・」
もちろん今までにない出費は高く感じます。
でも命より高い?
自分(運転者)はシートベルトして(なんで?)子供は横で暴れてる。
お母さんの携帯電話で遊んでる。
寝てる。
兄弟でじゃれてる。
事故したら、自分は無傷で目の前で子供だけ
フロントガラスに頭突っ込んで・・・。
安全って高いです?
200万300万のクルマに20万もする
カーナビやオーディオつけて、最新のケータイもって、2〜3万円のチャイルドシートがねえ^_^;
いらなくなったら、ヤフオクで売ればいいじゃない。
今や大切なものより、目先のお金に目が向くのは、政治家や企業だけじゃない世の中ですよね。
悪文失礼しましたm(__)m
日時:2008年4月11日
初めまして、書籍・メール楽しく拝見させて頂いております。
さて、毎年恒例の春の交通安全運動の季節になりました。
雨の中、お巡りさんが道路で・・・何をやってるんでしょうね?
傘をさしながら走る自転車に対して、何も注意しません。
私「交通法改正いつからでしたっけ?傘さし自転車注意しないんですか?」
巡「いやー、捕まえてどうこう出来るものでもないですからねw」
余りに呆れたので、会話の細部までは覚えてないですが、確かにこんな感じのことを言ってました。
巡「携帯電話は見つけたら注意してるんですがねw」
当たり前だボケ(´д`)そんな事しか得意げに話せないのか。
元々警察を信じてない私ですが、今回の改正も結局何も変わらないのではないでしょうか・・・
(余談ですが、子供の頃自転車の盗難届け出しに行ったときに、被害額値切られましたよ・・・)
元々傘さし運転や無灯火運転が悪い事だと知らない人ばかりなのに、警察が黙認してしまったら誰が注意できるのでしょうか?
乱文悪筆失礼致しました。
PS:少年チャンピォンで新しい自転車漫画が始まりましたが、「時速30kmオーバーで歩道爆走!同じコマには子連れが居るよ」
コレもどうなんでしょうね・・・仮にも全国紙で自転車の事を扱うからには、こういう所もきちんとして欲しいところではありますが。
投書しようと思いつつ、タイミングを逃してしまいました。
日時:2008年4月10日
いつも思っていますが、内容が良い!私は独身ですが、外出時にお子さんを自転車に乗せなければならない母親の事情はわかるし、妥当な安全性がある自転車を開発すべきだと思います。それに合わせて自転車自体の品質を確保した価格のあり方についても疋田さんと同意見です。日時:2008年4月8日
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