ご無沙汰で……ありまするなぁの(週刊 自転車ツーキニスト313)
発行日時: 2007/9/25
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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ご無沙汰で……ありまするなぁの313号
■かれこれ1ヶ月ぶりではあるまいか
いやー、お久しぶりであります。ヒキタ、生きてます(汗)。
何だかんだでかれこれ1ヶ月ぶりであります。昨年末&今年初頭(はるか昔のようだ)に「ほぼ日刊ツーキニスト」だった頃と較べると、いやはや、もはや「月刊ツーキニスト」になり下がってる。ヒキタとしては反省しきりであります。皆様お元気ですか?
いやまあ、別段、今に始まったことではないんだけど、何だかんだで忙しいんすよ。ホントにもう細かい仕事がこれでもかと入ってくる。週末は全部埋まってるし、本業だって昨今は色々あって、週2徹もちらほらだ。なんだか「二足の草鞋の限界」みたいなものに近づいている気がするな。
でもね。これも例の「7つの理由」の余波なのか? と思うとちょっと嬉しかったりしなくもない。
色んな細かい仕事の中でも、このところのエポックだったのは、文藝春秋の「日本の論点」という年刊本があるでしょ、あれの2008年版に「自転車はどこを走るべきか(仮タイトル)」という項目が取り上げられることになって、そのページを私が書くことになったことだ。って、もう書いたんだけど。
まあでもこりゃ疲れる仕事ではありましたよ。
非自転車人に嫌われないように、でも、言うべきことは言わねばならんし、と。そのさじ加減がむずかしい。11月か12月に本屋にドドーンと並ぶはずなんで、目にとまったら見てちょ。
■その1ヶ月の間に……
1ヶ月経つと、色々変わるなぁ、というのか、色々なことが起きるもんだな。
何と言っても、安倍総理の突然辞任、そして、昨日の会見はちょっとショックだった。色々な意味で、ではあるがね。
思えばあの辞任劇からまだ10日程度しか経ってないのに、もうはるか昔のような気がするよ。話題はすでに福田新総裁の党人事と組閣に移ってしまってるし、安倍さんの回復もまだまだ先のようだ。
戦後最大の無責任辞任。最悪の引き際。歴史に残る情けない幕切れ。日本政治の絶望的な劣化。お粗末極まりない。
……などと報じられ、実際にもそうだったわけだが、私には何だか痛々しく、気の毒に見えてならん。
いや、ね。もちろん首相という職責、最大の権力者という意味合いにおいては、そんな甘いことを言っても仕方がないわけだが、あくまでそれはそれとして前提とした上で、何かやはりかわいそうでいけない。
要は、もしも安倍さんが自分のオジさんだの、年の離れた従兄弟だの、そういう身内、親戚だったなら、どう慰めてあげたらいいのか、というような意味なのだ。
■いい人・安倍晋三
気のいいお坊ちゃん、乳母日傘で育った安倍氏は、確かに「いい人」だった。
私は随分前、まだ彼が小泉内閣の官房副長官だった頃に、インタビューをしたことがある。首相官邸(まだ旧邸だったよ)の一室に現れた彼は、確かにスマートで、背が高く、スーツがよく似合い、若々しく見えた。
だが、一方で私は第一印象として彼のことをこう思っていたものだ。「あれ? 副長官(安倍氏のこと)、なんでこんなにオドオドしてるように見えるんだろ……?」
インタビューの内容自体は「小泉メールマガジン」(当時、安倍氏が「編集長」だった)について、という割合当たり障りないものだったんだが、安倍氏は常にきょときょとと目を動かし、何だか終始落ち着かないように見えた。
でも、その一方で、私は「この人って優しい人だな」とも思ったものだ。
安倍氏は、カメラ助手が無理な姿勢で照明をあてるのを見て「それじゃツラいでしょ、あそこの椅子を使ったら?」などと言った。私にも丁寧だったし、自らの秘書に対してだって丁寧だった。
エラそうな態度をとらない、言わない。周囲に常に気を使う。
これは「お坊ちゃん育ち」を自他共に認める安倍氏にとって、ほぼ唯一の処世術だったのではないか。
思えば彼は総理就任よりちょっと前、自分は「闘う政治家」であると殊更に言っていた。私の記憶に間違いがなければ、キャッチフレーズとして、例の「美しい国」や「戦後レジームの云々」よりも、「闘う政治家」の方を、より頻繁に用いていたものだ。
だが、それは安倍氏は他の誰よりも、自分が「闘えない政治家」であることをよく知っていたからだ。それどころか彼の人生を知るにつけ「闘わない」ことこそが彼の人生のテーゼだったのではないかとすら思える。
だからこその「闘う宣言」だったのだ。あれは「これからは総理大臣だぞ、孤独だぞ、闘わなければやっていけないぞ」という、自分自身にあてたメッセージだったのだろう。
安倍氏はもう政治の表舞台には戻れないだろう。表舞台どころか、政治家を続けていくこと自体が、本人の思いとは別に、もう絶望に近い。
私としては残りの余生を心安らかに過ごされることを祈るのみだ。50代にして余生のスタートというのが、ちょっとばかり早すぎたとは思うものの。
■さて、学習院の秋講座もスタート
今週金曜日にスタートします。もう8回目になるんじゃが、この講座のいいところは、OBの集まりが異様に盛んなところで、講座を終えても、房総だの秩父だのと色々ツーリングイベントを開いてる。そのサークルは非常にフレンドリーで、初心者や初対面の人にも優しい。ま、私の講座が初心者向けなもので、元初心者と初心者しかいないわけだが。でも、誰でも最初は初心者だよ。
今回もそういう人を中心に生徒さんの募集です(←ってもう明々後日だっつの)。
参加者は、20代から上は70代まで毎回様々。我もと思わん人は、是非ご応募を。聴衆が多い方が私もノリノリになるってもんでありましてね。首都圏在住でご興味のある方はよろしくー♪ JR山手線・目白駅の真ん前、学習院大学の一角であります。
詳しくはこちらを。
http://open.gakushuin.ac.jp/blog/course/life
講座名は「さらに楽しむための自転車学'07秋」。
■乗鞍後日談
例の乗鞍ヒルクライム。もう私としては振り返りたくもないんだが、その顛末は現在発売中の「BiCYCLE CLUB」に書いてあります。私の情けない姿を見たい方は、読んでみて下さい(涙)。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「ロシアン・ジョーク」 酒井隆三 著 学研新書
その1ヶ月、それでも色々読んだわけだが、一番お手軽で、面白かったのは、この「ロシアン・ジョーク」だったかな。中公新書がスマッシュヒットを飛ばした「海外ジョークシリーズ」のエピゴーネンかと思ったら、ちょっと違ってた。ロシアのジョーク「アネクドート」を色々楽しむ中で、次第に「なぜソ連は崩壊したか」「なぜその後のロシアは迷走したか」という大テーマが分かりやすく浮かび上がってくるところがいい。現代ロシア史をお手軽に知りたい人にはかなりオススメです。私としてはゴルバチョフはもう少しちゃんとした人だとは思うけどね。
「官邸崩壊」上杉隆著 新潮社
これもかなりの力作だった。安倍前総裁が誰に脚をとられ、どうして迷走したかが、よく分かる。ページをめくる手が止まらない。呆然の辞任劇を見た今、生身の人が行う「政治(国を治めるという意味での『政治』ではなく『政治的』という意味に使う『政治』)」というものがよく分かってくる。ベストセラーになるのもムベなるかなと思う。
ちなみに上杉氏は私のお友だちでありますが、この人、テレビに出ると全然面白くないんだけど、本はやはり面白いね。ちなみに前作「小泉の勝利 メディアの敗北」も、なかなか好著だったよ。
「楽園(上下)」宮部みゆき著 文藝春秋
大ベストセラー「模倣犯」の続編という括りだが、前作を読まなくても普通に楽しめる。例によってグイグイ引っ張る宮部節。単純に面白い。ただ、この作品は、多くの書評があげているような「バブルを背負った人々の物語」だの「それぞれの人が願ってやまなかった悲しい『楽園』」がテーマというようなものではないと思う。「楽園」というタイトルは、むしろ後付けに過ぎない。主人公・前畑滋子(「模倣犯」にも出てきた女性ライターね)の克己の物語として読むのが正当であろう。
ただ、私なんかが不思議に思うのは、本作品が連載された産経新聞は、よく版権を文藝春秋に譲ったな、ということだ。「宮部みゆきの新聞小説」なんて「単行本化で大儲け♪」のための先行投資だろうに。一番美味しい部分を文藝春秋に持ってかれちゃった。本作品の一番のミステリーは、実はそのあたりにある(笑)。
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最新刊「自転車生活の愉しみ」朝日文庫
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この記事へのコメント
全2件表示日本の論点2008への掲載おめでとうございます。日本の論客への仲間入りですね。 岡本 哲(岡山市 弁護士)日時:2007年9月25日
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