黄金週間真っ最中の(週刊 自転車ツーキニスト305)
発行日時: 2007/5/2
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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黄金週間真っ最中の305号
■ゴールデンウィークだねぇ
黄金週間の中休み、というべきか、出勤日に"またまたまたまたお久しぶり"の「週刊自転車ツーキニスト」であります。みなさまいかがお過ごしでしょう。人によっては連休を満喫している方もいらっしゃることでしょう。
私ヒキタは今日も仕事、明日も仕事、その次もその次も仕事で、要するに、今年もゴールデンウィークなんてまったくない。とほほな話なんだけど、通勤に最近GIANTの"Escape Mini"という小径車を使ってる(←何を唐突に?)。
これがなかなか楽しいのだ。
"Escape Mini"ってのは、"X字"になった(つまりトップチューブとダウンチューブが交差してる)フレームにドロップハンドルを組み合わせた、なんだかヘンな外観の小径車なんだけど(当初、私は「なんだかねじれに弱そうだなぁ」とか思ってた)、実際に乗ってみて驚いたのだ。
いや、軽い。んで、当然と言うべきか速い速い。予想外のカッチリ感も好ましい。久しぶりに新車に乗ってみた私としては、ちょっと満足してる。というわけで、仕事の上ではまったくGWじゃないけど、自転車に乗るココロはGWだよ(←あ、ここで整合性をとるわけね)。
そう思って、気持ちを誤魔化すしかないのだ。やはりとほほ。
■イオングループの戦略は?
ところで、私の自宅のすぐ近くには「ジャスコ南砂店」という巨大なスーパーがあるんだが、先日、そこの自転車売り場に行ってみて、ビックリした。
ちょっと前までは、ここの自転車売場、単なるママチャリ屋だった。
売場の片隅に「MTBモドキ」が置いてあるだけの、どこにでもあるフツーの自転車コーナー。ご近所のスーパーやホームセンターでもよく見るでしょ。
だが、先日のことだ。
あれ? 広くなった? 明るくなったな? と思って入ってみたら、驚愕。完全にマニアショップに変貌しているのだよ。よりによって、あの「ジャスコの自転車コーナー」が。
ママチャリももちろん売ってはいるが、自転車売場の奥は、ほぼすべてロードとクロスバイクとMTB、そして、各種のパーツだ。
完成車の品揃えこそ、7万〜13万と安価なレンジに設定してあるものの、パーツのコーナーで私は驚いた。インフレーターやヘルメットはおろか、サイクルコンピューター各社各種、ロード用タイヤ各社各種、グローブ各種、ケミカル各種、輪行袋だってあるんだぜ。
これがあのジャスコ?
アタマの中が瞬間的に「?」マークだらけになった私だったが、壁に貼られたポスターを見てちょっとだけ納得した。
「イオンはロードナショナルチームのオフィシャルスポンサーです。」
なるほど、そういうことになっていたのか。なるほどねぇ。
だが、同時に私は思ったぞ。
あざといほどに賢いイオングループが「売れないモノ」を扱うわけがない。この品揃えは「自転車ブーム」が、いよいよ本格的に到来したことの一つの証左なのではないか。
そういえば、この会社でもう一つ言うなら、最近のママチャリすなわち「ジャスコ自転車」も、アルミフレーム19,800円の方向に大きくシフトしている。山口智子がテレビCMに出てる例のアレのことだが、この自転車が13kg。言うまでもなく「低価格ママチャリ」としてはモノスゴク軽い。
だが、19,800円である。
この価格帯というのは、すでに1万円ママチャリに慣れたオバちゃんたち(つまりジャスコの顧客)に売ろうとするには、かなりの冒険であろう。オバちゃんたちは「軽い自転車こそが良い自転車」という自転車一番のテーゼすら知らないからね。
それを補うべく、売場では「試乗車」を用意していた。
価格が倍でも、軽い自転車というのはこんなに快適なんですよ、というのをアピールするためだろう。この試みは正しいと思う。
イオングループは、恐らく「ちょっと本気」なのだ。少なくとも私にはそう見えた。
このまましばらく続けて欲しいと思う。多少、売り上げに満足できないことがあろうが、我慢することだ。ちょっとばかりの売り上げの増減に一喜一憂しない。そのことをイオンには切に希望する。
巨大スーパーというのは、言うなれば一つのメディアである。
ここを訪れる人に「へー、こういうのがあるのか」と思わせることは、必ず自転車文化の振興と伝播を後押しするはずだ。難をいえば相変わらず「MTBモドキ」も2万〜3万程度で置かれていることだが、まあこの際、目をつぶろう。
自転車的なる未来は、もう見え始めている。あなた方の冒険は、将来的にきっと実を結ぶことと思う。
■6年前、そして、現在
私の最初のヒット作(私としては、ということね)である「自転車生活の愉しみ」(東京書籍)が、ついに文庫化されることになりましてな。現在、そのゲラを直している最中なのだ。
ところが、ここ最近の自転車事情の変化の著しさは、もう目を剥かんばかりのもので、それに今さらながら気づき、今さらながら全面改稿という難作業に直面してるわけ。
たかだか6年前の著作なんて、そのまま文庫化できるだろ、楽勝だ、と思っていたら、もうぜーんぜんダメなのだ。それぐらい変わってる。ホンの一例をあげるなら、6年前「リアのディレイラーは、国産の場合、最高級品は9速」とか書いてるんだけど、ご承知の通り、もう最高級品でなくとも10速が当たり前。ママチャリにだって上記にあげたごとくの変化がある。自転車活用推進研究会なんて、国会の私的諮問機関からNPO法人となってしまった。
とにかくいろいろ改稿しなくてはならないことだらけ。
以前「自転車ツーキニスト」(旧題「自転車通勤で行こう」)を文庫化したときにも、たいそう苦労したんだけど、あの時はあえて【附記】を添えることで何とかなった。じゃが、今回は地の文から変えねばならないんで、いやはや大変なのだ。
でも、結構充実した文庫本になりそうですよ。
朝日新聞社「朝日文庫」から。400ページ弱で、たぶん700円台になると思います。
読んだことのない人は是非。読んだことのある人もできれば是非(でへへ)。お願いたてまつります。
「これから自転車を始める」という彼女(または彼氏)にプレゼントするというのはいかがでしょ。文庫だから安いし。
ちなみに2007年は、私にとっても久々の出版ラッシュになりそうです。
文庫版「自転車生活の愉しみ」が出た後、同じく朝日新聞社から単行本が一冊。その後、東京書籍から「核弾頭本」が一冊。さらに木世(えい)出版社から「日本史の旅…」のパート3。
合計4冊なのだ。
出す前から、ちょっと息切れ。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「長い腕」川崎草志著 角川文庫
東京近郊のゲーム制作会社で起こった転落死亡事故と、四国の田舎町で発生した女子中学生による猟銃射殺事件。一見無関係に思えた二つの事件には、驚くべき共通点が隠されていた……。というのが版元の紹介文。第21回横溝正史ミステリ大賞受賞作である。
横溝賞というだけあって、横溝的オドロオドロを巧みに練り込んだ「ネットミステリー」というべき作品となっている。この「土俗」風味と「ハイテク」風味の混在こそが、この小説の醍醐味で、その両立にはかなり成功しているといえるだろう。それを可能にしたのは、一種、世の中を突き放したような、主人公の生き方と性格にある。彼女はなかなか魅力的だ。
ラストに出てくる犯人像だとか、田舎社会のしがらみやらは「ふーむ、よくできてはいるけど、ま、そんなもんね」という感じ。帯にある「この小説のテーマは歪みである」というほどの「テーマの歪み」(フィジカルな歪みではなく)は、私には感じられなかった。
ただ、私に言わせると、この本の一番の美点は、著者の語り口にあるような気がするのだ。一見、なんのことはない普通の文体なんだけど、私にとっては、読んでて間違いなく「居心地がよかった」。おそらくこの著者はエッセイを書いてもうまいと思う。
著者・川崎草志氏には、現在のところまだこの一冊しか著作がない。
惜しい。受賞が2001年。「早く次を」と思う。私は次回作も必ず買うだろう。
あまり話題にならなかったし、新人ならではの荒削りさもあるが、久々にオススメのミステリーである。
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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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