疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」 |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛ ┗━━┛
【例の法案】朗報から一夜明けて……の296号
■朗報から一夜
朗報から一夜明けて、二日酔い気味のヒキタであります。
いやまあ、昨日の速報の通りだったわけだが、私は感動もしてるが、驚いてもいる。
なぜなら警察は今回、完全に方針を転換したように見えるからなのだ。
というのは、現在私が手にしている「警察庁における今後の自転車対策の考え方」という文書に根拠がある。
この文書を書いたのはもちろん当の警察庁。その内容は、今までの警察の考え方と明らかに一線を画すものになっているのだ。それも以前からは考えられないほどに。
<提言4-2-4>の削除などは言うにおよばず、この文書に記載されているのは、一言でいって「ヨーロッパ型の自転車社会を目指す」としてしまっても過言でないものだ。あいや、そこまでは少々過言かもしれないが。
だが、たとえば自転車の「通行環境整備の例」であげられているのは次の4項目である。
●車線を見直し、<車道の>左端に自転車レーンを設置
●幅員の広い歩道の自転車通行指定部分を<物理的>分離
●車道の自転車レーン部分や歩道の自転車通行指定部分をカラー舗装により視覚的分離
●車道の環境整備に合わせて、自転車<歩道通行可規制の解除>等
(*<カッコ>はヒキタによる)
この4項目は、実に驚くべき変化ぶりで、特に1項目の<車道の>の部分は、にわかには信じがたい。実はこれ、これまでの警察庁なら死んでも口にしなかった要件だったのだ。
ホントのところ、あらゆる会議、あらゆる席で、彼らは常に「車道に自転車レーンは作りません」と断言し続けてきた。 だからこそ、歩道にペイントレーンが敷かれ、その結果としての「車道禁止」への流れがあったりしたわけ。
ところが、今回の警察庁文書では、その部分が180度転換している。
それも良い方向に!
■警察庁内に何があった?
うーむ、庁内に何があったのだろうか。
ここからは、私の推測、邪推、の手合いになるのだが、ひょっとしたら、今回の話の中で、警察庁内の主導権争いみたいなものがあったりして、いわば「良識派」が「歩道通行派」に勝った、ということなのではなのかもしれない。
で、法案化に際し、当初のポリシーが大転回した、と。
もしもそうならば、その「良識派」の後押しをしたのは、間違いなく大量のパブコメ(ありがとうございました)をはじめとする我々の活動と、世界の潮流、環境問題等だったのだろうと思う。
ふーむ、この文書「警察庁における今後の自転車対策の考え方」を読むに、なんだか警察庁内に、ものすごいパラダイムシフトが起きているような気がするのだ。
■パンドラの箱の底にあった「希望」
真面目な話、警察庁は今回の道交法改正でパンドラの箱を開けてしまったのではないだろうか。
30年ぶりに自転車の歩道要件をいじろうとしたら、思いがけずタマラン問題(高齢化や障害者福祉などもおおいに関連してきてる)が大噴出してきてしまって、これまでの方針を180度転換しないと、イカンともしがたくなってしまった、と。
だが、我々自転車乗りにとっては、そのパンドラの箱の最後に、まさに「希望」が隠れていた、という感じだ。
いやー、警察庁は、これから大変じゃろうて。
なにしろ30年間、溜まりに溜まった澱を一気に洗い流さなくてはならない。
この「文書」には「ルールの周知とルール遵守の徹底」という項目があって、小中学生、高校生への交通安全教育、なんてことが書かれていたりするが、誰もがご承知の通り、まずは白チャリ警察官の自転車教育から必要だ。
さらには「歩道通行する自転車に対する警察官の指示処分の新設」なんて項目もある。
新設かあ。これを一般ママチャリ市民に浸透させるのは大変だぞ。
それに「車道の左端の自転車レーン」なんてのも、国交省などと連携してコトに当たらないと、それこそ絵に描いた餅になってしまう。縦割り行政の排除が必要になってくるのだ。
これらのことは、ひょっとしたら<提言4-2-4>の削除以上にスゴいことだよ。
いやー、参った参った(嬉)。
警察庁はこれからも「誤解があった」と言い続けるとは思うが、それはそれでまあ構わん。実際には誤解どころか、大方針転換なのだが、結果が良ければそれでいい(嬉)。
それにしてもなぁ。なんなんだ、この方針転換ぶりは……(嬉)。
あいや、さすが日本の警察庁。えらい!
私が思うに、2/7に、自転車議連が交通局長を呼びつけるというのも、かなり効いたような気がする。100人弱の国会議員の前で、この矛盾だらけの提言を手に、まさか局長を吊し上げ状態にさせるわけにはいかないからね。警察庁にとっては。
■今後の予定
何はともあれ、良かった、良かった、だ。
今後の予定としては、次のようになる。
まずは、その2/7の議連で、交通局長が道交法改正案を説明する。ここで、今改正案のポリシーや、何を条文に入れ、何を外すかが、一応、公になるわけだ。
その後、2月の末か3月アタマあたりに法案が内閣部会に提出され、閣議了解を得る見込み。この時点で、すべての条文が新聞などに取り上げられ、ネットにも公開されるはず。
その条文を見て<提言4-2-4>に当たる部分がその中に発見できなければ、我々の勝利は確定されることとなる。
以上だ。
いやー、みなさま、ありがとうございました。激励のメールの数々、ヒキタとしてはホントに励みになりました。深く感謝申し上げます。
あ、そうそう。
今回の「おめでとうメール」の数々の中で、こういうのがありました。
「リーサル・ウェポンって何だったんですか?」「ちょっとリーサル・ウェポン発動!を見たかったかも……」なんてヤツ。
知りたい?
では、お教えしましょう(笑)。
実は、もしも警察庁がそれでもゴリ押しの一手に出るならば、私は外国人記者クラブで記者会見を開こうと思っていたんです。
すでに外国人特派員協会からは「そんなにひどいなら、いっちょ記者会見でもやりますか? 実は前々から、我々も日本の自転車はひどすぎる、法治国家の体をなしていない、と思っていたところだったんです」との打診を受けてたのだ。
ネタ枯れの昨今、彼らにとっては、格好の日本の悪口のタネになるからね。
私としても、日本の恥をさらすことにはなるものの、ここはひとつ「ガイアツ」だと思っていたのだ。
しかし、その必要もなくなった(よね?)。
いやー、良かった良かった。
今日も快晴、自転車日和だよ(首都圏)。
-----------------------
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
