【まだまだ続報】警察の思惑はここにある(週刊 自転車ツーキニスト276)
発行日時: 2006/12/11
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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【まだまだ続報】警察の思惑はここにある276号
■3年後を目指しての「速度制限見直し」
さて、そこまでして、なぜ警察庁は今回の「車道締めだし法案」をゴリ押ししようとしているのか。そこには理由がある。
実は今、クルマ、つまり軽自動車を含む一般の自動車と、自動二輪すなわちオートバイの速度規制の見直しが検討されているのである。
現在の高速道路、そして、一般車道の最高速度をもう少し上げられないか、という話だ。目標は3年後の法案提出だそうな。
そもそも現在の車両速度規制は、今から43年前に制定されたものだった。
まだ日本が砂利道ばかりで、クルマのレベルだって、100km/hも出せば車輪が吹っ飛んでしまう代物ばかり。そういった自動車工業の水準の中で定められたものだった。
いわば"発展途上国ニッポン"時代での制限速度が、現在のものだというわけ。
ところが現在。日本の自動車工業は、間違いなく世界最高の水準にある。
それなのに制限速度だけが低いまま。これはいかがなものか……、というのが、制限速度見直しの主なる骨格だ。
高速道路の制限速度は140km/h程度をメドに引き上げる。
それにともない、一般車道も、たとえば80km/h程度まで制限速度を引き上げてはどうか、というのが、見直しの大まかな構想。それが前提。
「制限速度を上げる」がまずありき、なのである。
そのために一般車道の邪魔なものを排除してしまおうというのが、今回の「自転車車道締めだし」の根底にはある。
「制限スピードを上げるのだから、車道はより危険になる。だったら自転車を完全に歩道に上げてしまえ」。制限速度を上げる露払いとして「車道のお掃除をしてしまおう♪」というのが、今回の流れだ。
もうお分かりだろう。
「お掃除」によってハジかれる「ゴミ」こそ、我々、車道の自転車なのだ。
なんとまあ失礼な話だね。また、これまで縷々述べたごとく、危険を交通弱者に押しつけるやり方だし、何より、この施策によって、歩道、車道を問わず、事故は間違いなく増えることが予想される。
■高速道路は「しかり」
話を自動車専用道(つまり高速道路)に限ると、私にだって、まんざら分からなくはないのだ。いや、むしろ賛成に近い。日本の高速道路は欧州諸国(特にドイツ)に比較すると、最高スピードが遅すぎるし、それが渋滞の一因にもなっている。交通工学をちょっと囓った人ならば誰でもご承知の通り、渋滞の発生率は、制限速度とおおよそのところ反比例するのだ。
高速道路の制限速度アップは、経済的な意義もあり、問題点は発見しにくいと私は考えている。
というより、検討に入るのが遅すぎたとすら思う。場合によっては、かつてのアウトバーン(独)のごとく「無制限」だって有り得ると思っている。
だが、それが一般車道に関わってくると、話は変わってくるのだ。
■都市間交通と都市内交通は、コンセプトが違う
高速道路と、一般道では、「速度」の意味合いが、まったく違うのだ。
ご存じだろうか。ヨーロッパ各国の流れは「テンポ30」にある。
この「テンポ30」とは、都市内の移動スピードをいずれの場合も時速30kmに抑えようというもので、ある地域の中(多くの場合、都市圏全部)では、クルマも、トラム(LTR)も、バスも、自転車も、もちろん歩行者も(笑)、あらゆる移動手段はその中に落とし込もうというものだ。
これにより、都市内の死亡事故発生件数を減らす。それだけでなく、クルマのアドバンテージを減殺し、より多くの市民が、自転車、そして公共交通機関を使うことを促進し、結果として、エコロジカルな都市を造ろうというものだ。
このやり方には、実に見事な整合性があるといえる。
都市内のクルマをいかに優遇しようと、平均時速がたとえば30km/hから40km/hになるという程度のものに過ぎない。その結果としての弊害は、たとえば環境に、あるいは交通事故の危険性に、大きく跳ね返ってくる。つまり都市内のクルマに関してはメリットとデメリットの天秤が、デメリットに傾きすぎるのだ。だから欧米各国の交通行政は、都市内と都市間を全く違ったコンセプトで扱っている。
要はメリハリなのだ。
都市間交通はスピーディに。そして、都市内交通はエコロジカル&セーフティに。
これこそが「交通行政」というものであろう。
なぜ日本だけができない? なぜ日本の官庁だけが、これに気づかない? あるいは気づかないフリをする?
私にはどうしても理解できない。
その結果のしわ寄せが、今、自転車と歩行者に来ようとしている。
何もかもリスクは交通弱者に。アホかいな、なのである。
味噌も糞も一緒。高速道も一般車道も一緒。どうしてこういう発想になるのだろう。ココでも例によっての論理破綻だ。
いったいなんでなんだろう。
だんだん冗談ではなくなってくるのだが、担当者は、ホントに知能が低いのではあるまいか。
■自転車活用推進研究会の行動として
さて、首都圏の方々。「自転車活用推進研究会」通称・自活研は、いよいよ最初のアクションを起こします。「自転車の権利」ではなく「歩行者の安全」に力点をおいて、今回の警察庁提言に反対します。
詳しくは「エコサイクルマイレージ」のサイトにてどうぞ。「全歩連」というのを立ち上げるのだそうです。
http://ecomile.jp/
【安心して歩ける歩道/安全な自転車道…を実現する全国連絡会(全歩連)キックオフミーティング&忘年会のご案内】
12/22(金)に日比谷公園内、日比谷グリーンサロンにて開催予定。詳細・参加表明はログイン後、議論の広場「オフ会告知板」へ!危険な歩道走行に反対しましょう!
私も多分喋ります。会場でお会いしましょう。
ただし、心配なのは、会場のキャパシティでありまして、日比谷公園内とはいえ、グリーンサロンは、150人も来れば立錐の余地なしの満席でありましょう。
どれほどの人が来るのか、想像もできないのですが、入れなかったらすいません、という感じなのです。会場外には署名簿が設置されるそうです。ビラなども配る予定だそうです。
なにせあまりこういうことに慣れてないもので、不手際、その他、ご不満等々あるかとは思いますが、よろしくお願いします。
何か動かないと、何も動かない。
その一点のみでの開催であります。
ついでにもう一つ。
作家の高千穂遙さんが、ブログで「国会議員を巻き込む方法」について書いています。大いに参考になります。
http://www.takachiho-haruka.com/
あと、老舗の自転車メーカー「ミヤタ」のエンジニア氏からも、下記のシンポジウムの連絡がありました。
茅ヶ崎周辺にお住まいの方は是非どうぞ。講師の小林さんとは、自活研の理事長であります。
神奈川県委託事業 相模湾サイクルアカデミー
テーマ:自転車力で茅ヶ崎いろいろ元気アップ サブテーマ:「自転車市民権宣言」茅ヶ崎市の都市交通の新たなステージ
とき:2007年1月27日(土)午後1時30分〜
場所:茅ヶ崎市コミュニティ大集会室
講師:小林成基氏 特定非営利活動法人(NPO)自転車活用推進研究会・理事長 東京都自転車組合総合対策検討会委員 「自転車王国ぐんま推進協議会」委員
著書「自転車『市民権』宣言」(リサイクル文化社刊)・「いま起きている地球温暖化」(化学工業日報社)
主催:神奈川県 茅ヶ崎市商店会連合会サイクルライフ研究委員会
後援:相模線サイクルトレイン準備会
■おハズカシや
ところで、おハズカシや、の訂正です。まだありました。
前号の「逆提言」の中に
○歩道は、一般の歩行者のみならず、障害者、老人、幼児、ベビーカーなどの安全が確保されるものではならないこと
というのがあったんですが、当然ながら
○歩道は、一般の歩行者のみならず、障害者、老人、幼児、ベビーカーなどの安全が確保されるものでなくてはならないこと
の誤りですね。お詫びして訂正します。いやはや寝不足はアタマをヘンにしますな。今もそうなんだけど。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)
今回もお休みです。
某メジャー月刊誌、某メジャー週刊誌、某メジャー新聞社、某地方局からも、取材の依頼がきたぞ。さあアピールするぞ、するぞったらするぞ。テーマはもちろん「歩道の交通弱者を守れ!」だ。
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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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この記事へのコメント
全3件表示ぼあ私はロードバイクをこよなく愛する者ですが、自転車が車道から締め出されでこぼこだらけの歩道に追いやられたらタイヤの細いロードバイクでのツーリングは苦しいですね。自転車で安全、快適に堂々と車道を走りたいものです。日時:2006年12月11日
eihitぼあさんへ
おっしゃるようになったのは、70年代に自転車が歩道を走ってもよいという法律が出来たからです。
その時から、自転車は歩道を走るべきだという間違った常識が生まれてしまい、自転車は邪魔物と思い込んでいるドライバーが急増しました。
弱者保護の原則が破られたのです。
そう言った意味からも今回の法案は間違っていると思います。日時:2006年12月11日
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