幻の色とボクサーの(週刊 自転車ツーキニスト249)
発行日時: 2006/6/12
【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
幻の色とボクサーの249号
■幻の総天然色
前回の、耳の錯覚「ホロフォニック」に続いて、今度は目の錯覚。
一瞬ながら、ありもしないカラーが鮮やかに見える。ちょっと驚くよ。
http://www.johnsadowski.com/big_spanish_castle.html
この映像の鑑賞法はこうだ。
上記のURLに行ってみると、最初に見える黄土色と水色のヘンな画像。
これにカーソルをあててみると、画像が白黒の「お城映像」にチェンジするはずだ。
それを確かめた上で、絵の真ん中の黒い点をじっと見つめてみよう。そのままで20秒程度数える。その上で、再度カーソルを画像にあててみる。
すると、あら不思議、一瞬、目の前に美しいカラー写真が見えるはず。
だが、あれ? と、思った次の瞬間に、幻のカラーは姿を消し、目の前にはモノクロの写真だけが残るのだ。
うーん、私は感動した。
もちろんこの現象自体は、科学的に説明できる。要するに、長時間の凝視によって、ある特定の色について視神経が麻痺し、それを大脳が補うべく補色を目の前に現出させる、てなことなのだそうだが、うーむ、私はこれを見つつ、何だかこンな風に思ってしまったのだよ。
あの鮮やかな映像は幻だったのか? あの青空はウソだったのか? オレのあの美しい青空を返せぇぇぇぇぇ!! なんてね(笑)。
しかしなぁ、人間の目ってホントに信用できないものなんだね。
一瞬のあの現象はまさしくイルージョンであって、実体はどこにもない。だが、我々の目にはアレが見えてしまう。
こうした現象で説明できる話って、結構あるのかもしれないよな。
極端な話、UFOやネッシー、ひとだま、超常現象の手合いなんてのも、案外そんなモノなのかもしれない。
「百聞は一見にしかず」と言うがごとく、我々は自分の目で見たものをこそを信じる傾向があるけれど、実はその「自らの目」の方が信用できないってことは、ままあるのだろう。
目だけに限定された疑似マトリクス。
この世のすべては、幻なのかもしれない……。なんちてね。
■諏訪サイクルマラソン
ということで、行ってきましたがな、第一回諏訪サイクルマラソン。42.195kmのヒルクライムレースだ。
昨日(6/11)の早朝にスタートで、私は例の新車「FOCUS/IZALCO」で出場した。ヒューヒュー♪
結果はおよそ1000人の参加者中、500位。真ん中だ。ただし、その「真ん中」は大いなる誤認識であって、この「総出場者およそ1000人」の中には、ファミリー参加者やMTB参加者、そして女子(女子は速いね、侮れない)が、みんな含まれてるってわけ。
つまるところ私の属するカテゴリー「ロードバイク男子B(30代)」の中では、下から数えた方が断然はやい、という結果になってしまった。
ヒルクライムレース初出場とはいうものの、なんてヘタレなオレ。ちょっとショックだった。おまけに「初ビンディングペダル」で参加した私は、ゴール直後、絵に描いたような立ちゴケまでやらかしてしまった。実に恥ずかしい。
うーむ、畜生。このままではすむまいゾ。
私は来年出場に向けての練習を誓った。
だが、いったい何から取り組めばいいのか。
毎日の通勤は、そりゃ自転車だが、私の通勤コースは南砂-赤坂の東京湾岸であって、坂という坂がほとんどない。ちっともヒルクライムの練習にならん。では週末に秩父(とか首都圏近隣の山岳コース)にでも出向くかというと、週末はいろいろありすぎて、ほとんど時間がとれない。うーむ、このままマゴマゴしていると、来年も似たようなヘタレ状態で「あ、今度は600位」とか言ってかねない。
ふーむ、一緒に出場した「BiCYCLE CLUB」誌編集のY君は「ヒキタさんは脚力はあるんだから、あとはテクニック」とか言ってくれるが、いんや、自慢じゃないが、脚力だって無いぞ。ちなみにこのY君は100位だった。さすがに自転車雑誌編集部員なのだ。
しかしな、諏訪のコースは実に楽しかったよ。
高低差700メートル、総距離42.195km。そのすべてが自動車通行規制の中にあってストレスフリー。出場者としては、自転車のことだけに埋没できる。地元ボランティアも沿道の応援の方々もみなフレンドリーで、色々よくなさってくれたし、私としては非常に満足なレースだった。
面白いな。
エンデューロも悪くはないが、こうして順位やタイムがつくとうのには、ポタリングやツーキニズムにない、また別個の楽しさや達成感があるよ。
心配された雨も最後に多少パラついただけだったし、草原の中、八ヶ岳を目指して行く風景も十分に美しかった。
同じ日には富士山麓でもヒルクライムレースが行われていて、こっちの参加者は4000人以上を数えたのだという。うーん、世はいよいよ自転車ブームなのかもしれない。
■W杯日豪戦
というわけで、本日、キックオフだ。
サッカーにあまり関心がない私ではありますが、さすがにワールドカップは見てしまう。腕には例の"サムライブルー"のシリコンリングだって巻いてるぞ。キリンビールの販促品が偶然当たったから着けてる、というだけなのではあるがね。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)
「一瞬の夏 上下」沢木耕太郎著 新潮文庫
沢木耕太郎初期の傑作スポーツドキュメント。もはや古典だ。
幻の天才ボクサー・カシアス内藤の「復活」までの物語を、選手のリアルな本音や葛藤を通じて紡ぎ出す。本人の内面を現在と過去から、ある時は格好悪くもリアルに描く、という手法で、それまでのスポーツものに圧倒的な衝撃を与えた。
その手法がまたボクシングというスポーツにピタリとはまっているんだな、また。大学時代に読んで感動した。今読み返してみても感動する。
ただ、この作品の一番特徴的なところは、筆者沢木が、当事者の行動に能動的にコミットしているところだろう。本作のもう一人の主人公は決してタウンゼントじゃない。間違いなく沢木耕太郎本人であり、沢木がいなかったら、内藤にしても、この物語のような行動にでたか分からない。
対象物をあくまで客観的に第三者としてとらえるのがジャーナリズムであるとしたら、この本はジャーナリズムとは言えない。だからこそ発表当初は賛否両論をもって迎えられ、結果「ニュージャーナリズム」との言葉がここに生まれることとなった。
作品自体には素直に感動するし、面白いと思う。読み応えがある。勇気が湧いてくる。
だが、沢木嫌いの人に言わせれば、本作は「大いなるヤラセ」ということになるのかもしれない。意地悪な言い方をするとね。
しかし、そういったことを考慮に入れつつも、これは傑作だと私は思うのだ。
この作品の中で、沢木は「触媒」なのであろう。その後の彼の作品群を見ても、そのことは証明されていると思う。
あれ? ということで、奇しくも今号は「週刊自転車ツーキニスト」の名に恥じず、スポーティな話題でまとまることになってしまった。
W杯の妖気が私のアタマにまで伝わっているのかしらね。
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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E7%96%8B%E7%94%B0%20%E6%99%BA/249-6371737-5693951
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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