取材者もいろいろの(週刊 自転車ツーキニスト245)
発行日時: 2006/5/18
【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
取材者もいろいろの245号
■雨もスパムも降ってくる
雨が降るねぇ。このまま梅雨に入ってしまうのかしら。もう少し初夏の爽快さを味わっていたかったんだけど、これからが自転車にとって最も苦手な季節だ。
それとはまったく関係がないが、ここ最近のスパム(迷惑メール)の多さはなんなんだ。ちょっと異様じゃありませんこと? 1日100件以上はくるぞ。私だけ? いや、そんなことはないよね。
バイアグラが安いとか、浮気相手を紹介します、の手合い。いずれも開けもせずに捨てるだけだが、困るのは、ザッとさらってゴミ箱に入れるときに、時折、必要なメールが混じっていたりすることだ。タイトルだけでは、分からないものがあるからね。
以前にも書いたことがあるが、どこかで致命的な不義理をしているのではあるまいか(多分してる)と思うと、なんだか身悶えしたいような(太宰風)気分になってしまう。それもこれもスパム野郎のせいだ。あの手合いの連中に、なんとか罰金を科してやることはできないものかなぁ。
■人生いろいろ、取材者も色々
さて、ここ数年というもの、自転車関連の取材を受けることが結構あって、もちろん雑誌のライターさんや編集者が訪ねてくるんだが、時折、スゴいのと出会うことがある。
ちょっと前に会った某社某編集部のライターさんが、そのスゴい人のグランプリだった。
彼は私に会うなり、こう言い放ったものだ。
「いやー、ヒキタさんの本、読みましたけど、編集者が優秀ですねぇ。どうやったらこういうのができるんですか? どんなルートですか?」
正直言って、最初、彼の言いたいことがよく分からなかった。
は? 何のことですか? と思ったが、話を聞いているウチにだんだん朧気に分かってきたのは、つまるところ、こういうことだった。
「こんなふざけた風貌のテレビ野郎に、こんな本なんか書けるわけがない。どうせ、優秀な編集者に書いてもらったんだろうが。または相当直してもらったんだろうが。それにしてもうまくヤリやがったな。どんなルートを使ったんだよ、おい」
まことにトホホな話なのだが(当たり前ですが私はもちろん自分で書いてますし、ほとんど直しも受けません)こういうことを面と向かって言える彼の度胸は、ちょっと評価できるのかも知れぬ。しかしな。それ以外もトンチンカンな人だったよ。聞かれもしないのに「自分は本当はコレコレの仕事をやりたい」などと語りはじめるわ、「TBSのあの番組は嫌いだ」とか「あのタレントさんがこういう噂がある(後で聞いたらまったくのウソ)」とか言い始めるわ。
さて、そのヘンなライターさんに対して、私はそれでも誠実に答えたつもりだ。自転車通勤のコツはどのへんにあるか、自転車行政はどうあらねばならないか、ヨーロッパの現状はどうであるか、とね。およそ1時間半にわたって、静かに熱弁をふるった。
だが、結局その記事は出なかった。
なぜか?
彼は1週間くらい経った後に、電話をかけてきて、こう言った。
「雑誌の読者の中心が40代から50代ですからね、ヒキタさんは30代だから、本誌にふさわしくないということになったんですよ」
いやまあ、アキれた話でしてな。もう、ココまでくると、腰が砕けてしまって、文句をいう気もなくなってしまった。いったい何なんだ、この自称ライターさんは。私が30代なんて最初から分かっていたでしょうがな。読者ターゲットだって、今の今、聞いたとでもいうのかしら。オレのあの1時間半を返してくれと言いたいよ。
某出版社(ホントは名前をあげたい)は、こういう人を「当社(委託)のライター」として、世間を泳がせていてはいかんと思うぞ。ほんとに会社の信頼に関わるから。
■ほかにも色々
さすがにそこまでヒドいのは滅多にいないものの、実はそれに類するタイプは結構いたりする。
勉強が足りない(たとえば自転車は車道を通るのが基本なんてことすら知らない)なんてのや、私の本もウェブサイトも読んだこともない、なんてのは至極当然であって、もはや何も気にならない。最初から丁寧に説明するだけだ。
だがね、困るのはこういうのだ。
資料を借りたまま返さない、とか、ツーキニストを紹介しろ紹介しろといって、紹介すると後は梨のつぶて、とか、自転車はこうあるべきだと、あたかも私の言ったことのような体裁で自分の主張を記事に載っける(私の本来の主張と真逆だったりする)、とか、枚挙にいとまがない。
何というのか「ライターとして」という以前に「人間として」どうかと思ってしまう。困ったもんだ。
実はそういうヘンな人々には、ある共通点がある。
何だか最初から私に敵意を持っている、という雰囲気が濃厚にあることだ。
だったら最初から取材になんて来なければいいのに、と思うが、理由をつらつら考えるに、どうやら私がテレビ屋だからなんだね。テレビ屋ってのは、往々にして嫌われがちだから。いやまあ、色々な事情や誤解(真面目な話、多々ある)はあるが、私にだって満更ワカランわけではない。
ただね、あるカテゴリーに属しているからといって、全員が全員「そういう人」ということはないのだ。テレビ屋にも優秀な人もいるし、そうでない人もいる。良い人も悪い人もいる。活字屋さんがそうであるのと同じように。
ただ、確実に言えるのは、そういったことが理解できない人に、真に優秀なライターはいないということだ。なぜならば、そういう偏見、先入観を排して取材に当たることこそが、ジャーナリズムの基本中の基本だから。
「テレビ屋なんてどうせこうだろ」と考える先には、確実に「自転車なんてどうせこうだろ」というの出てくる。
これはその人が「テレビ嫌いの、自転車好き」であってもだ。
大げさに言うと「○○なんてどうせ」と思った瞬間に、物書きは廃業なのだ。
ま、自らを省みてね、他山の石にするしかないんだけど、さ。
■学習院の公開講座
例の学習院の公開講座、ひきつづき受講生募集です。
シリーズ5回目の今回は、講座タイトルを「楽しむための自転車学・大全」としました。
基本は「自転車を生活に活かすための初心者向け講座」なんですが、「自転車生活の愉しみ(東京書籍2001年)」以降のヨーロッパの状況や、自転車豆知識、最新自転車行政事情などを含め、盛りだくさんにお送りする予定です。
人によっては、講義後の飲み会の方が楽しみ、などという方もいらっしゃいますが、そちらはあくまで自由参加であります。よね、Nさん♪
講座日程、連絡先などは次の通り。
【講座日程】5/23、6/6、20、7/4、火曜日 19:30〜21:00 全4回
【場所】〒171-0031 東京都豊島区目白1-3-19(JR山手線目白駅徒歩5分)
【電話】03-5992-1040(直通) FAX:03-5992-1124
詳しくはこちらにどうぞ。
【学習院生涯学習センターウェブサイト】
http://www.gakushuin.ac.jp/open/course/life.html#C081
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)
「天狗風-霊験お初捕物控〈2〉」宮部みゆき著 講談社文庫
霊験お初シリーズのパート2。なぜか1は読んでない。ヘンな事情があって、パート2から手にしてしまった。だが、パート2から読んでも何ら違和感はない。物語世界にすぐに入りこめる。
宮部みゆきが巧いのは、もう周知の事実中の周知の事実で、それについて今さらクドクドとは述べないが、だがな、それにしても宮部作品のカテゴリーごとの差異には、ちょっと驚いてしまうのだ。
本作は時代物であると同時に、ある種の超能力ファンタジー物でもある。探偵役の少女・お初には、普通の人に見えないものが見える能力があるという。夢のお告げや物の怪の手合いも、お初にとっては「当然のあるべきモノ」だ。
私は宮部作品の現代小説「火車」「理由」「模倣犯」などについては、大賛辞を惜しまないんだが、どうもこの手のヤツは正直言って苦手。怨霊だの、ヒト語を喋る猫だの、神隠しだのが、通常の事象として、当たり前のように登場して、当然のように大活躍をはじめると、その度に、ガクンガクンと(ヒキタ的には)テンションが下がってしまう。また主人公の恋人役「右京之介」、猫の「鉄」などの性格設定が、どうにも少女趣味でいかん。
いや、面白いことは面白いのだよ。
読者側の趣味性は別にすると、登場人物のキャラも立ってるし、ストーリーも巧み。美味しいエピソード満載で、飽きさせない。これが好きな人にはタマランだろう。
私がココで申し述べていることはあくまで「ヒキタの好み」というに過ぎない。
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「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
*昨年12月発売の最新刊。今回はなぜか「奈良・暗峠」「秩父・八丁峠」「北海道・日高峠」と、峠モノが満載。
「疋田智の自転車生活スターティングブック」ロコモーションパブリッシング
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーション・パブリッシング
「日本史の旅は自転車に限る!」木世(えい)出版社
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
http://tinyurl.com/ebhuz
【自転車通勤で行こう】
http://japgun.infoseek.ne.jp
バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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この記事へのコメント
全3件表示ところで、前に一度お話(メール)しましたが、歩道上の自転車はどちらを走るべきなのか? 警察もはっきりしない状態では、大きな事故を待っているようなモノです。 緊急避難的に車道から上がることを考えると、歩道上でも左側が(歩行者から見え易いという点でも)良いと考えますが…
あと、自転車の総合保険についても、一度語って欲しいと思っています。 私のように乗用車を持っていないと、車の保険の特約みたいな奴(例えば、某保険会社の「most」とか)は、受けられませんから… 日時:2006年5月27日
madmat疋田さんの歴史探訪モノでは、道鏡の回が面白かったです。 そうですよね〜、少し位×ン×ン大きい位で、女帝を操って…なんて、考える方がどうかしてます(笑)。 考えてみると、理想主義者で潔癖な人間が時の天皇に在るべき政治の道を指し示して見せ、天皇がその政治の理想を実行しようとするということが、権力者の周りで甘い汁を吸っている人間には、たまらなく、邪魔で邪魔でしょうがなかったんじゃないでしょうか? 前から道鏡デカ×ン説に疑問があった私としては、大いに溜飲を下げたのでした(爆)
ところで、前に一度お話(メール)しましたが、歩道上の自転車はどちらを走るべきなのか? 警察もはっきりしない状態では、大きな事故を待っているようなモノです。 緊急避難的に車道から上がることを考えると、歩道上でも左側が(歩行者から見え易いという点でも)良いと考えますが…
あと、自転車の総合保険についても、一度語って欲しいと思っています。 私のように乗用車を持っていないと、車の保険の特約みたいな奴(例えば、某保険会社の「most」とか)は、受けられませんから… 日時:2006年5月27日
madmat疋田さんの歴史探訪モノでは、道鏡の回が面白かったです。 そうですよね〜、少し位×ン×ン大きい位で、女帝を操って…なんて、考える方がどうかしてます(笑)。 考えてみると、理想主義者で潔癖な人間が時の天皇に在るべき政治の道を指し示して見せ、天皇がその政治の理想を実行しようとするということが、権力者の周りで甘い汁を吸っている人間には、たまらなく、邪魔で邪魔でしょうがなかったんじゃないでしょうか? 前から道鏡デカ×ン説に疑問があった私としては、大いに溜飲を下げたのでした(爆)
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あと、自転車の総合保険についても、一度語って欲しいと思っています。 私のように乗用車を持っていないと、車の保険の特約みたいな奴(例えば、某保険会社の「most」とか)は、受けられませんから… 日時:2006年5月27日
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