疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」 |
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【週刊 自転車ツーキニスト】"Weekly Bicycle Tourkinist"
いやー、スゴい選挙だった206号
■いやもうスゴかったね、選挙
まさかここまで小泉さんが勝つとはね。
勝つんだろうとは思っていたが、こんな歴史的な圧勝とは。ちょっと驚いた。
何つっても総理の戦略が全部ピタピタとはまったことと(選挙戦のどこかで失言でも出るかとハラハラしていたが、それもなかった。さすがに慎重だったのね)、やはり民主党のあまりの戦略のなさが、今回の結果を出したんだろう。
民主の敗因は、岡田さんが暗い、とか、得意の都市に浸透しなかった、とか、色々ありながら、どうしたって一番なのは次の点に尽きる。
「郵政民営化は基本的には賛成なんだが、この法案には反対」という煮え切らない戦術に出たことだ。
JRそしてNTTを見てきた国民は、やはりどこかで「民営化、いいんじゃん?」という印象を持っているし、それ以上に、完全民営化しなくては、今後、市場(宅配便や保険、金融など)も健全性を失い、公社自体がやっていけないことを知っていた。
裏を返せば、だからこそ民主も煮え切らない出発点にならざるを得なかったワケで、そこで足踏みをしていたのが最後まで祟ったといえる。
■国会の「議論」とは何か
では、どうすれば良かったか。
そもそもの解散の前、民主は衆院での議決の際に「条件付きで賛成」とでもして、条件闘争に持ち込めば良かったと思う。そうでなくとも「自民党に貸しを作る」ぐらいの腹の太さを見せて、賛成しておけば良かった。もともと「総論賛成」なんだから。極端な話、法案の内容調整など、可決の後や、施行の後でも間に合う。間に合わんかもしれんが、間に合う。ダメなら、またやり直せばいいのだ。
今回、国民が何となく感じてしまったのは「何だ、民主党、口を開けば政権交代政権交代とか言っていながら『何でも反対』の旧社会党と同じじゃん」という部分なのではないかと思う。
ちょっと青臭いことを言わせていただくと、国会の討議ってのを見ていて「こりゃ何だ?」と思うことはないだろうか。与党側から法案提出があって、野党が「質問」という名の反対意見を述べ、それで終わりだ。常にそれで終わり。採決に至っても、当初の党議を超えるモノが何ら出てこない。
国会というのは、そもそも話し合いの場ではないのか? と思う。議論を積み重ねて、法案を進化かつ深化させ、両論の中でアウフヘーベンする場ではないのか。それを放棄し「アレも反対、コレも反対」では、今の世の中、政府与党の方がアピールするのは当たり前なのだ。
もはやイデオロギーの時代は去った。これは誰の目にも明らかであって、誰も日本を本気で共産化したい、社会主義化したい議員はいないし、自由競争や市場経済を否定する者もいないはずだ(まあホンの一部の例外は除くんだがね)。
特に自民と民主の政策の差なんて、本来ほぼない、というのが現状だろう。たとえば「郵政」に関してだって「全反対」「全否定」するほど考えている内容が違うワケないのだ。
■小選挙区制下の野党は、野党にして野党に非ず
それなのになぜ「反対」なのか?
そりゃ答えは簡単だ。「野党だから」だろう。
だが、今や「野党だから」という理由だけで反対する輩に、政権を任せたい日本人は少数派だ。我々は間違いなく「力強い野党」を求めている。それはイコール「政権交代可能な野党」だろう。彼らだってそれを知っているから「政権交代、政権選択」と言い続けた。だが、国民の目に見えた姿は「旧社会党と同じ」だったわけだ。今回の選挙の結果というのは、つまるところ国民が「民主は政権交代できる器に非ず」という審判を下したということなのだ。
民主の第一番にするべきことは「とにかく反対票」ではなかった。せっかく作ったマニフェストだって誰にも読まれなければ仕方がない。何より国会審議で「こちらの方がベターな案だ」というのを分かりやすい形で提示して、政府与党をタジタジとさせ得なかったのが痛かった。
民主党は「野党とは何か」ということを、もう少しまじめに考えた方がいい。
野党とは「万年野党であることを当たり前とする」党ではなく「次の与党を『本気で』目指す党」であろう。だからこその小選挙区制なのだ。政権交代のインフラはすでに整っているのである。
そういう意味で、ちょっと笑ってしまったのが共産党だった。今回のキャッチフレーズが「確かな野党が必要です」。おいおい、志位さん。議席をとることによる無血革命で民主的共産政権(?)を作るという党の理想はどうした。与党を目指さん政党には、国会にいる意味がないぞ。国民の税金から高い歳費が支払われているのだからして。
まあ、今回の結果は、民主出直しの天の配剤であろう。ここで内部闘争やら分裂やらを始めるとしたなら、同党の未来はないだろうなぁ。
■まあそんなこんなで悲喜こもごも
でも、何だかんだ言って、面白かったね、選挙。大多数の人にとってはこの13日間「あー、面白かった」というのが正直な実感ではないだろうか。
政(まつりごと)の「祭りごと」たる所以は、民主義国家の中では選挙に一番発揮される。いやもう悲喜こもごも。日本全国、人間ドラマ炸裂状態だ。東京10区の小林氏、静岡7区の城内氏の哀れさには、政策云々は関係なく、ちょっと同情してしまったよ。
まあ、自転車ヒキタとしては、東京5区のモノホン自転車議員・小杉隆代議士が、小選挙区の雪辱を果たしたのが、ちょっと嬉しかったのではあるがね。京都のこれま
たモノホン自転車マニア・谷垣財相は、盤石の地盤と知名度で、まったく心配はなかったワケだが。
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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
「まれに見るバカ女」別冊宝島編集部編 宝島社文庫
タイトルを見てご想像の通りの本。俎上に上がるのは、これまたご想像の通り、福島瑞穂氏、田嶋陽子氏、柳美里氏、清水ちなみ氏、竹内久美子氏、菊川怜氏などなど。
すまん、恥ずかしながら、面白かった。
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「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
「大人の自転車ライフ」光文社知恵の森文庫
「自転車ツーキニストの憂鬱」ロコモーションパブリッシング
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バックナンバーはこちら。
http://www.melma.com/mag/03/m00016703/
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