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5分でわかるデジタル家電のABC Vol.042
【人工衛星の組立かた・・・衛星の謎3】
発行:2008.06.21 02:00
配信数:249部
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【目次】
1.衛星の組立
2.特殊な技法
3.大量生産
4.クリーンルーム
5.まとめ
6.次回予告
7.編集後記
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【1.衛星の組立】
X君
「人工衛星っていったいどうやって作るんですかね?」
私
「人工衛星も基本は通常の電気機器と同じだけど、
特殊な環境で使うから、それに対応した作り方をしているよ」
X君
「真空とか無重力とか放射線とかですね?」
私
「うん。それから打ち上げ時の振動・衝撃にも対応しないといけない」
X君
「人工衛星って、何十台も作らないと思いますが、
ベルトコンベアで流れ作業とかしているのでしょうか?」
私
「通常は、組立作業は人間がやるようだね。
一個一個、手作業で部品を組み立てていく。
ハンダ付けとか、ねじ締めとか、まあそんなことを手作業でやるよ。
X君の言うように、数が少ない製品は大量生産に向かないからね。
余談だけれど、大量生産方式で同一規格の製品を実装する場合は、
クリームハンダを基板に塗って、自動で部品を基板に搭載し、
熱を加えてハンダを溶かして基板にくっつけるという工程をする場合がある。
そうすると一個一個部品を基板にハンダ付けするよりも
ずっとコストを削減することができるんだよ。
こういう工程を【フロー】とか【リフロー】とか呼ぶ」
X君
「何だかディープな世界を垣間見たように思いますが・・・」
私
「こういう実装の仕方を【表面実装】などと言うけれど、
民生品においては、最近ではこういう方法が主流になっている。
抵抗、コンデンサなど、
表面実装に対応した部品がたくさん生産されているよね。
量産品の中身に使われている部品を例に取ると、
例えば村田製作所のセラミックキャパシタ(キャパシタセラミック)
などが使われているけれど、表面実装タイプの部品は、
本当に小さいものにすることができるよ。
(米粒の数十分の一ぐらいの小ささ)」
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【2.特殊な技法】
X君
「人工衛星は、手作りなんですねぇ。
手作り人工衛星が、宇宙を飛んでいるって考えただけで震えますね」
私
「もちろん、全てが手作業という訳じゃなくて、
例えば【イオンエンジン】の出力部に穴を開ける作業があるんだけれど、
これなんかは、加工する機械がある。
(放電加工器で加工しています)
それから筐体(きょうたい)という、金属の製品は、
大きな金属の塊の中身を【くり出し】て作るんだね。
この作業も機械でやることになる」
X君
「何でわざわざ【くり出し】て作るんですかね?」
私
「衛星は打ち上げ時などに大きな衝撃がかかるからだよ。
【くり出し】て作ると、衝撃に対して強いものができる。
繋ぎ目が無いからね。
それから、衝撃で外れてしまいそうな電子部品は
しっかりと接着剤で固定する必要がある。
接着剤も真空中や、高温、低温で劣化しないものが使われるね」
X君
「何だか、いろいろな工夫をしているんですね」
私
「さらに、リード線なんかも、しっかり固定しておくよ。
振動でブルブル震えてしまうと不具合の原因になるからね」
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【3.大量生産】
人工衛星は、基本的には大量生産をすることはありません。
本当は大量生産することが出来れば、生産コストが下がるのですが、
それほどたくさんの人工衛星は必要とされていません。
実は、以前紹介した低軌道衛星を使った通信網、
イリジウム、テレデシック、グローバルスター、ICO(アイコ)
は、数十個の小型衛星を使用する計画でした。
そうすると搭載する電気機器の数も増えて、
コストが下げられる可能性があったのですが、
これらの計画はほとんど中止になってしまいました。
主な要因は、地上の携帯電話網が整備されたからでしょう。
衛星は計画してから、打ち上げるまで長い期間を必要とします。
そのため、実際に運用する段階になると、
衛星を計画した当初のインフラ状況や、
衛星搭載機器の性能が、古いものになってしまいがちです。
WINDS(きずな)なんかもそういう問題を抱えていますね。
(宇宙航空研究開発機構のサイト)
http://www.jaxa.jp/countdown/f14/index_j.html
余談ですがWINDSは「ウインズ」と発音します。
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【4.クリーンルーム】
以前、人工衛星は「埃」「ゴミ」などが大敵だと書きました。
理由は、真空で無重力状態だと、「埃」「ゴミ」などが
人工衛星内部の空間を浮遊し、電子部品の故障原因になるからです。
たとえば、ハンダクズ(導電性の物体)が浮遊して、
リード線部に接触し、電子部品がショートしてしまったら、
故障してしまいます。
人工衛星は基本的に修理に行くことができませんから、
故障したら大変なことになってしまいますね。
それを防ぐためにも、電子部品のリード線部に
コーティング剤を塗布する場合がありますが、
コーティングだけで全ての不具合を防ぐことができません。
そういうことで、ハンダクズなどが残らないように、
顕微鏡で検査をしながら清掃作業を行います。
また、組立作業は「クリーンルーム」内で実施し、
「埃」等の異物が混入しないよう細心の注意がなされています。
クリーンルームというのは、埃などが空気中に存在しないように
密閉された特殊な部屋です。
半導体工場などによくありますね。
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【5.まとめ】
1)人工衛星は基本的に手作業で組み立てられている。
2)生産台数がそれほど多いわけではないので、
手作りの方が結果的に安上がりになる場合が多い。
3)打ち上げ時の振動に耐えられるような設計がなされているため、
特殊な組立方法(くり出し、接着)がなされることもある。
4)「埃」の進入を防ぐため、作業はクリーンルーム内で行われ、
「ハンダクズ」を除去するための清掃作業が実施されている。
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【6.次回予告】
次回は衛星放送の続き。
その後は、こんな感じでいきたいと思います。
テレビ(ワンセグなど)
携帯電話、無線LAN、WiMAXなど。
ビデオ、CD、DVD。
FeliCa(Suica、Pasmoなど)
(予定は未定です)
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【7.編集後記】
6月になり、雨の多い日が続きます。
通勤通学で濡れると結構きついですよね。
大変な季節ですが、毎日、頑張りましょう。
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