5分でわかるデジタル家電のABC |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
5分でわかるデジタル家電のABC Vol.020
【次世代ディスプレイ・・・SEDって何だ?】
発行:2007.06.08 02:00
--------------------------------------------------------------
【目次】
1.最近忙しくて
2.SEDって何だろう?
3.SEDの原理
4.SEDの将来は?
5.まとめ
6.次回予告
7.編集後記
--------------------------------------------------------------
【1.最近忙しくて】
「こんばんは。最近忙しいようですねぇ」
X君が遊びに来ました。
私
「うん。最近忙しくて、寝る時間もすごく少ない」
X君
「やっぱり、エンジニアは忙しいんですね」
私
「まあエンジニアだけじゃなくて、日本人の多くは忙しくしているね。
でも、今回は急ぎの仕事が集中して、終電ばかりの日々だった」
X君
「体には十分気をつけてくださいね」
私
「ところで、今回は無線通信について書こうと思ったけれど、
次世代ディスプレイで書くのを忘れていたのがあったよ」
X君
「次世代のディスプレイですか?
液晶やプラズマ以外にもあるんですかね」
私
「あんまり有名じゃないかもしれないけれど、あるんだね」
X君
「もしかして、今日はその謎のディスプレイの話?」
--------------------------------------------------------------
【2.SEDって何だろう?】
今日はSEDの話です。
SEDは、Surface-conduction Electron-emitter Displayの略です。
(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)
あまり知られていないかもしれませんが、SEDというのは、
キヤノン(キヤノンの「ヤ」は大文字で書くって知ってました?)
と東芝で共同開発している次世代ディスプレイのことです。
私は、このSEDの本物を見たことがあります。
私が視聴した部屋は薄暗く設定されており、
また、近くで見ることができなかったため、
単純な比較はできませんが、確かに画面はとても綺麗です。
もしも、液晶テレビやプラズマテレビと同じ値段だったら、
SEDを買いたくなると思います。
ただ、残念ながら今のところ、
一般人がこのSEDを購入することはできません。
私が知る限り、2007年の12月以降に発売は延期されたからです。
SEDに関しては、特許問題もあり、キヤノンと東芝の共同開発ではなく、
(合弁会社による事業ではなく)
キヤノンの100パーセント子会社にするというニュースもあったようです。
(米国ナノ社との間の問題)
さて、私が視聴せてて頂いたときに、
キヤノンのエンジニアに質問する機会もありました。
私はSEDの問題点について質問しましたが、
それに対して明確な答えをしてくれませんでした。
おそらく、「問題点」については、明確に回答してはならない。
というような指示があったのだと思います。
--------------------------------------------------------------
【3.SEDの原理】
X君
「何だか、今回は妙に生々しくて面白いですね。
難しい技術についての話よりも、
こういう体験談の方が面白いようなきもします。
ところで、SEDの仕組みを簡単に教えてください」
SEDは、原理としてはCRT(ブラウン管)に似ています。
CRTは、電子銃から発生した電子を
蛍光体にぶつけて発光しているのでしたね。
【電子大放出・・・ブラウン管の謎】
http://blog.mag2.com/m/log/0000209216/108060327.html
SEDとCRTの違いは、SEDは電子銃が画素の数だけあることです。
イメージとしては、プラズマディスプレイの画素の中に、
超小型の電子銃が入っているというところでしょうか。
SEDの場合は、CRTで言っていた「電子銃」の役割をするものを
「電子銃」ではなくて「電子放出部」というようですが。
さて、SEDの「電子放出部」では、
電極間の「ナノギャップ」の間に10ボルト程度の電圧をかけ、
その「ナノギャップ」の片側から電子を放出させます。
(トンネル効果を利用している)
ナノというのは、10のマイナス9乗のことで、
分かりやすく書くと、10億分の1のことです。
つまり、1ナノメートルは、10億分の1メートルです。
それを、10キロボルトぐらいの電圧で加速させ蛍光体に衝突させます。
この「蛍光体」の部分は、
ブラウン管の技術をそのまま使えるという利点があります。
さらに、他のディスプレイと比べると
SEDは発光効率が優れているという特徴もあります。
(つまり消費電力が少ないため電気代が安く済む)
SEDには、電子放出部を形成する必要がありますが、
(数ナノメートルという精密な「ナノギャップ」)
その技術はインクジェットの技術を応用しているということです。
また、配線には印刷技術を利用しています。
--------------------------------------------------------------
【4.SEDの将来は?】
SEDが実用化され、低価格で供給されるならば、
薄型ディスプレイ市場を大きく変えることになるでしょう。
しかし、SEDには、問題もあり、
必ずしも全てが上手くいっている訳ではないようです。
特に最近は、液晶ディスプレイの性能が向上し、
価格も安くなっていますから、
SEDが発売されても、すぐに家庭に広まるかは分かりません。
でも、SEDのような高画質のモニタは、
業務用などでは求められているようですね。
--------------------------------------------------------------
【5.まとめ】
1)SEDは、基本原理はCRT(ブラウン管)とよく似ているが、
CRTの電子銃に変わる「電子放出部」が画素の数だけ存在している。
2)SEDは電極間の「ナノギャップ」の間に10ボルト程度の電圧をかけ、
その「ナノギャップ」の片側から電子を放出させている。
(トンネル効果を利用している)
3)それを、10キロボルトぐらいの電圧で加速させ蛍光体に衝突させ、
CRT(ブラウン管)と同じような原理で映像を作っている。
4)SEDは発光効率が他のディスプレイと比べると優れている。
(つまり、消費電力が少ない)
ただ、SEDにはまだ問題もあり、街の電気店の店頭に並ぶのは
まだ少し時間がかかりそうです。
--------------------------------------------------------------
【6.次回予告】
電波を使った放送や通信技術について書いてみたいですが、
(いわゆる「無線」)
また、予定が変わるかもしれません。
--------------------------------------------------------------
【7.編集後記】
本当に忙しくなってしまい、
なかなかメールマガジンが書けずに済みません。
発行間隔が空いてしまうかもしれませんが、
面白い話題を取り上げていきたいと思いますので、
今後ともよろしくお願い致します。
--------------------------------------------------------------
【5分でわかるデジタル家電のABC】
メールマガジン配信解除・配信先の変更は、こちらからお願いします。
http://blog.mag2.com/m/log/0000209216/
(melma!版)
http://www.melma.com/backnumber_166171/
--------------------------------------------------------------
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
