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5分でわかるデジタル家電のABC Vol.007

発行日: 2007/3/24

5分でわかるデジタル家電のABC Vol.007
【光は90度ねじれて進む?・・・液晶の謎】
発行:2007.03.24 11:00
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【お知らせ】
今回からタイトルを変更いたしました。
今後ともご購読をお願い致します。
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【目次】
1.今回は液晶
2.液晶は「半」自由であるように呪われている?
3.黒か白か?
4.光は「電磁波」の一種だ
5.どうして90度ねじれているのか?
6.まとめ
7.次回予告
8.編集後記
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【1.今回は液晶】
X君
「今回は、液晶の説明ですよね。
どうやってカラーを表しているんでしょうか?」


「今までこれを読んできたX君なら、そんなに難しくはないよ」

X君
「RGBとかいうヤツですね」


「そう、結局はRGBなんだね。
ブラウン管のテレビも、プラズマディスプレイも、
キャノンと東芝が共同開発をしている【SED】も結局RGBなんだよね」

X君
「すごいですね。RGB。今日は手始めに液晶から説明してください」
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【2.液晶は「半」自由であるように呪われている?】

「液晶は「半」自由であるように呪われている」

X君
「それって、サルトルですか?
『人間は自由であるように呪われている』でしょ?
自由が重荷だとか言っているんですよね。よく分んないけど」

この「半」自由という状態は、非常に面白い状態で、
デジタル家電には、欠かせない概念になっています。

X君
「本当ですかっ?それ??」

例えば、半導体ですね。
それから、電磁波の粒子性と波動性についても、
「両方の性質を併せ持つ」という意味では似ているかもしれません。

X君
「それって、矛盾を含むのが当然だということですか?
『矛盾こそが世界を規定している』まさかヘーゲル?」

さて、液晶は、個体と液体の両方の性質を持った物質です。
(「液」体+結「晶」で、液晶と覚えればいいでしょう)
液晶モニタの中では、
電圧をかけると液晶が動いているのです。

液晶はとても面白い性質を持っているのです。
電圧をかけると、「電圧の向きに応じて」
液晶の並び方の方向も変わるからです。

こういう制御しやすい性質だと、工業製品にするには便利ですね。
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【3.黒か白か?】
カラーの液晶の話を始めると難しくなりますので、
最初は、白と黒しかない液晶について考えてみましょう。

(ここでは、わかりやすくするため「白」と書きましたが、
厳密には「黒くない状態」と言った方がよいかもしれません)


まず、液晶の原理は、すごく簡単に言うと、
窓にかかった「分厚いカーテン」のようなものだということです。

光を遮ったり、通したり、
カーテンのような役割をしているのが液晶です。

電圧を掛けたり、掛けなかったりして、「カーテン」を調節する。
それが液晶だと思っていてください。
(「電子シャッター」などという)

以下、その「カーテン」の仕組みを具体的に説明します。


液晶モニタなどの液晶は「配向膜」と呼ばれる膜に接触されています。
「配向膜」には、小さな溝が掘られていて、
液晶はその溝の向きにしたがって規則正しく並びます。


ところで液晶モニタには「偏向板」というものが使われています。

「偏向板」(あるいは偏"光"板)とは一体何なのか?

「偏向板」というのは、
ある「一定の振動方向の光」だけを通過させる板のことです。

「一定の振動方向の光」?
いったいそれは何なのでしょう?


電磁波には、「粒子性」と「波動性」
という性質があると上のほうで言いましたが、
その「波動性」について、ここで注目します。
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【4.光は「電磁波」の一種だ】
実は、光というのは、「電磁波の一種」なのです。

いわゆる可視光線は、380nmから780nmの波長の電磁波のことです。
(nmはナノメートルという10の[-9乗]メートル)
1ナノメートルは1メートルの1000000000分の1メートルです。

これをわかりやすく書くと、
1ナノメートルは、1メートルの10億分の1メートルということです。
とても小さい値だということが分りますね。


ここでは、次の2点を押さえておきましょう。

1)光は波である
2)通常の光は、波の振動方向がバラバラである

この2点です。

洗面器に水を張り、振動をかけると「さざ波」ができますね。
光もそういう波の仲間なんだ。と思っていただければ嬉しいです。

(余談ですが、こういう「波」を応用した工業製品は多いのです)

さて、「偏向板」というのは、
「ある方向の光は通す」「それ以外の光は通さない」
という性質のものです。

「方向」というのは、「波の方向」のことなのです。

「波の進行方向」というのは、
例えば「縄」を「縦にクネクネ」させたときと、
「横にクネクネ」させたときの違いという感じでしょうか。

子供のころ、縄跳びの縄をクネクネさせて遊びませんでしたか?
(縄跳びの縄をクネクネさせると、
まるで波のような形を作ることができますね)

さて、ここでポイントなのが、偏向板を二枚使うということです。
偏向板2枚を90度ずらして並べるとどうなりますか?
(以下、「ノーマリーホワイト」の場合)
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光→[偏向板A]→[偏向板B](光は通さない)
(偏向板Aと偏向板Bは90度ずれている)
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では、偏向板2枚を「ずらさないで」並べると?
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光→[偏向板A]→[偏向板C]→光(光は通り抜ける)
(偏向板Aと偏向板Cは90度ずれていない)
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意味わかりますか?

X君
「ちょっとややこしいですね。
結局フィルタみたいなもんなのでしょうか?」

フィルタは周波数で振り分けるけれど、
偏向板は、波の「振動方向」で分けるんですね。
似ているようで、ちょっと違います。

難しかったら、まあそんなもんかと思っていてください。
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【5.どうして90度ねじれているのか?】
さて、何故90度ずれるとか、ずれないとか書いたのか、
その理由がこれから分ります。

それは、次の2点の性質を液晶がもっているからです。

正確に言うと「以下の性質を持つように設計」しています。
(「配向膜」の向きを変えるなどの方法で)

1)液晶に電圧を掛けないと光は90度ねじれて進む
2)液晶に電圧を掛けると光は真直ぐに進む


これは大変重要ですので、ここで確認しておいて下さい。
液晶にこの性質を持たせているからこそ、
「偏向板」なんて面倒なものを使う必要があるのです。


さて、液晶ディスプレイの構造はこんな感じになっています。

光→[偏向板A]→[液晶]→[偏向板B]→光
(偏向板Aと偏向板Bは90度ずれている)


ここで、思い出してください。
液晶は、電圧をかけるとその方向に一列に並ぶことを。

じゃあ、電圧をかけないとどうなるのか?
何と、液晶に電圧をかけないと光は90度ねじれて伝わるのです。


だから、偏向板を90度ずらす必要があったのです!


1)白=電圧がかかっていない=光は90度ねじれる=偏向板を光が通過
2)黒=電圧がかかっている=液晶が真直ぐ並ぶ=偏向板に光は遮られる


これはTN型の液晶です。(ノーマリーホワイト)

ポイントは、上にも書いたとおり、次の二点です。

1)液晶に電圧を掛けないと光は90度ねじれて進む
2)液晶に電圧を掛けると光は真直ぐに進む
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【6.まとめ】
液晶は窓に掛かった「分厚いカーテン」である。

光を遮断させると「黒」
光を通過させると「白」

になる。

遮断・通過は、光の振動方向を90度ねじることによって行なっている。

1)液晶に電圧を掛けないと光は90度ねじれて進む
2)液晶に電圧を掛けると光は真直ぐに進む


液晶ディスプレイは、以下のような構造になっている。

光→[偏向板A]→[液晶]→[偏向板B]→光
([偏向板A]と[偏向板B]は90度ずれていることに注意!)

1)白=電圧がかかっていない=光は90度ねじれる=偏向板を光が通過
2)黒=電圧がかかっている=液晶が真直ぐ並ぶ=偏向板に光は遮られる

このような液晶をTN型という。(ノーマリーホワイトの場合)
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【7.次回予告】
今回はTN型の結晶の説明をしました。
次回は、よく使われている液晶「TFT型」の説明をする予定です。
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【8.編集後記】
液晶で一番、わかりにくいのが、「偏向」かもしれません。
液晶画面から出てくる「光」は偏向板を通ってきているんですね。
それを考えると、光って不思議ですね。
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