5分でわかるデジタル家電のABC |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
デジタル家電の技術 Vol.004
【イメージセンサ(撮像素子)CMOS】
発行:2007.03.03 12:00
--------------------------------------------------------------
【目次】
1.X君また現れる
2.CMOSとは
3.CCDとCMOSの違い
4.CMOSの問題点
5.まとめ
6.次回予告
7.編集後記
--------------------------------------------------------------
【1.X君また現れる】
大学生のX君がまた遊びに来た。
「前回は、イメージセンサCCDの説明をありがとうございました。
【ブラックボックス】のように思っていたデジカメの中身が
少しだけ分ったような気がします。(少しだけ・・・)
このメールマガジンを読み続けていけば、
もっとよく分かるようになりますよね?」
私
「本当に、そうなるように願っています。
X君も毎回遊びに来てね」
X君
「今回は、CMOSということですね。これは何て読むんですか?
「しーえむおーえす」では無いですよね?」
私
「CMOSは、シーモスと呼びます。
CMOSの【MOS】というのは、Metal Oxide Semiconductorのことです。
金属酸化膜半導体などと呼ばれ、半導体の分野ではよく使うね。
このCMOSも、前回のCCDと同じく、イメージセンサだね」
X君
「それでは、今日は、「しーもす」の説明ですね!」
--------------------------------------------------------------
【2.CMOSとは】
今回はCMOSについての説明です。
本当は、CMOSといっても、様々な種類のものがあり、
「CMOSメモリ」や「CMOSオートフォーカスセンサ」などがありますが、
今回は、「CMOSイメージセンサ」のことを
簡単に「CMOS」と略して説明しようと思います。
--------------------------------------------------------------
【3.CCDとCMOSの違い】
前回はCCDについて説明しました。
CCDでは、フォトダイオードで光を電荷に変換し、
それを「バケツリレー」のようにして転送し、
それから電荷を電気信号に変換しています。
CMOSは、フォトダイオードで光を電荷に変換するのは、CCDと同じです。
しかし、CCDがバケツリレーのようにして電荷を転送するのですが、
CMOSは、フォトダイオードで電荷を蓄積し、
画素ごとに信号として取り出しています。
何故、こんなことができるのでしょうか?
その理由は、CMOSの構造がCCDとは異なり、
各画素ごとに回路を繋いでいるからです。
何故、CCDでは、できなかったことがCMOSでは実現できるのか?
それは、CMOSは「システムオンチップ」であるためです。
CCDでは、
例えば500万ある画素それぞれに配線することは、
とても難しいことでした。
しかし、今日説明するCMOSでは、それが可能なのです。
その理由が、CMOSが「システムオンチップ」であることです。
今回、冒頭でX君に言った言葉をここで改めて思い出してみてください。
>CMOSの【MOS】というのは、Metal Oxide Semiconductorのことです。
>金属酸化膜半導体などと呼ばれ、半導体の分野ではよく使うね。
そうです、CMOSは、通常の半導体(LSIなど)と同じようなものです。
つまり、同じような製造プロセスで作っているのです。
みなさんはLSIについてご存知でしょうか?
あの小さなチップの中には、たくさんの回路が入っています。
その中身は、
一層の半導体だけではなく、何層もの半導体の層になっていて、
そのため高密度化することができるのです。
一層の半導体が平屋(一階建て)の建物だとすると、
二層は、二階建て。
三層は、三階建て。
をイメージしてみて下さい。
「同じ土地でも階数(層数)が上がれば利用できる面積も増える」
ことが分るでしょう。
さらに、「システムオンチップ」半導体は、
細かい回路の組み込みが、とても行いやすいのです。
(そのおかげで、
パソコンや携帯などの電気製品がかなり小さくなりました)
だからCMOSの方が、CCDよりも多くの回路を組み込めるのです。
--------------------------------------------------------------
【4.CMOSの問題点】
しかし、CMOSは、一つの画素に多くの機能を持たせています。
例えば、一つの画素に、
フォトダイオードと増幅器(アンプ)が一つ付いています。
そのため、CCDよりもサイズが大きくなってしまうのが欠点です。
(現在は、その欠点も解消されつつあります)
前回、CCDの弱点として、以下の二点を挙げました。
弱点1)スミア
症状:光が強いものを撮影した場合、縦方向に真っ白に色飛びしてしまう。
弱点2)暗電流ショットノイズ
症状:CCDをスタンバイした状態で、電荷が発生してしまう。
その暗電流によって、ノイズが発生してしまう。
スミアは、バケツリレーのような転送方式が原因だと書きました。
CCDと異なり、バケツリレーのようなデータ転送を行なわないCMOSでは、
スミアは殆ど発生しません。
また、CMOSはCCDよりも少ない消費電力で動作します。
そのため、CMOSは、「携帯電話に搭載」されることが多いのです。
CMOSの問題点は、「ノイズ」です。
(最近は、「ノイズ」も改善されつつあり、
CMOSが搭載されるデジカメも増えてきました)
CCDの暗電流ショットノイズが発生すると書きましたが、
CMOSも、CCDと同様に、暗電流ショットノイズは発生します。
しかし、CMOSは「固定パターンノイズ」というもの「も」発生するのです。
固定パターンノイズとは、
画素の増幅器(アンプ)のばらつきによって発生するノイズです。
トランジスタやOPアンプを使ったことがある方は分ると思いますが、
半導体は、増幅率に大きなばらつきがあります。
半導体は、シリコンなどの結晶でできているのですが、
そういう結晶は、完璧に同じものを作るのが難しいためです。
余談ですが、
他に半導体の問題点は、「温度特性が悪い」というものがあります。
だから、温度が変化する環境で使用する製品(自動車関連部品など)は、
「温度補償回路」(温度が変化しても、性能が変わらないようにする回路)
がどうしても必要になります。
また、CMOSの問題点として他には次のようなものもあります。
CCDは、信号をバケツリレーのようにして転送するので、
電荷は残留しませんが、
CMOSでは、少し電荷が残留してしまいます。
しかし、最近では、
CMOSでもCCDのように電荷を転送する回路を作るなどして
電荷の残留を克服しているようです。
--------------------------------------------------------------
【5.まとめ】
1)CMOSは、フォトダイオードで光を電荷に変換している。
(CCDと同じ)
2)CMOSとCCDは、電荷の転送の仕方が異なる。
(CMOSは、画素ごとに信号を取り出している)
3)CMOSは消費電力が小さいため、携帯電話などに使われる傾向がある。
4)CMOSの問題点は、「ノイズ」と「電荷の残留」である。
--------------------------------------------------------------
【6.次回予告】
デジタルカメラの続きを予定しています。
--------------------------------------------------------------
【7.編集後記】
このメールマガジンの配信も今回で3回目です。(創刊号は除く)
1ヶ月に4回程度の頻度で発行する予定ですので、
今後もご購読をよろしくお願い致します。
登録・解除はいつでも無料でできますので、お気軽にご登録下さい。
--------------------------------------------------------------
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
