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ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記

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ここは地の果てアルジェリア【第76号】

発行日: 2008/9/18


 




                           ┌──────────┓
                           │ 第76号 2008.09.18│
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│  ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記      │ 永尾 良一 │
┗─────────────────────────────┴───────┛

│ ☆私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となって
│  アルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育する
│  ノンフィクション物語です。

│ ☆上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、
│  日本人は私たった一人でした。

│ ☆タクシーの運転手と値引き交渉をしたり、あどけない少年と旅をしたり、
│  いろいろなヒッチハイクとそれぞれの出来事があった。
│  
┗────────────────────────────────────────…
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┏────────────┓
│ 千キロのヒッチハイク │
┗────────────┛…………………………………………………………………………
 飛行機が飛ばなかったことで、今でも想い出すのは、東部アルジェリアの滞在で、
任務完了間際の砂漠旅行のことである。

砂漠の奥深く一度行ってみたかったが、あいにく飛行機の便が日程と合わない。
仕方なく、皆が2000キロコースと言っている、ガルダイアの旅に出たときのことである。
旅程は確か3泊4日くらいだったと思う。

東部の海岸の街、スキクダからコンスタンチン、バトナ、ビスクラ、エル・ウェッド、
ウアルグラと、ここまで来るとかなりの内陸部で、砂漠はもうそこまで来ている。

だだっ広い大地と果てしなく続く土漠は、自然の驚異を垣間みせてくれる。
行けども行けども続く、似たような光景に、此の地の広がりを認識するのは不可能で、
熱さと疲れに感覚が麻痺してしまった。

ウアルグラからガルダイアまで、長距離バスで行くが、まだ少し時間がある。
手持ちの現金が少なくなったので銀行を探し、ドルを現地通貨に交換する。
窓口では待たされ、しかも窓口の銀行員は仕事にやる気がないのか、いやに時間がかかる。

いらだちをおぼえ、彼に言った。
「ちょっとすまんがな、俺は時間がないんだ少し急いでくれ」
彼は私の方を意地悪そうに睨み、馬鹿にしたような口調でこう言う。

「ああそうかい。あんたは時間が無いんだな、しかし俺はたっぷりあるんだ」
これを聞いてもう何も言う気がしなくなった。
彼を怒鳴ったところで埒はあかないし、かえって時間を無駄にするだけだ。

銀行を出て先程のバス停にたどり着いたら、
やはりバスは出ていった後だった。次のバスは明日しか来ない。

仕方なくそのガルダイアまでヒッチハイクである。
そこからは飛行機で一足飛びに地中海沿岸から80キロメートルほど南の町、
コンスタンチンに戻る予定である。

ガルダイヤで1泊して、町外れの飛行場にやって来ると、今日は飛行機は来ないと言う。
実にさりげなく言う。唖然とした。

もちろん代わりの飛行機など無い。保証も切符の払戻も休憩所も、代わりの宿の手配もない。
その1言で、私を含め3人ほどの旅行客は、飛行場から放り出されてしまった。

とはいっても、だだっ広い土漠にドラム缶が数本積んであり、そこが空港で、飛行場であった。
本当にここに飛行機が来るのかと疑いたくなるほど、管制塔も舗装された滑走路も見えない
飛行場であったが、案の定、飛行機は来ない。

さて困った、次の飛行機は三日後というし、乗れる保証もない。
第一、時間がない。

明日中に戻らないと、帰国の飛行機は明後日である。
意を決して約1000キロメートルの道のりを、そこからヒッチハイクで戻ることにした。

隣町からここに来るときもやったし、こつは分かっている。
腕を一杯に伸ばし、親指を上に立てて待つ仕草はここでも通用する。

そうして待つこと20分。
ようやく止まった車は、隣町までしか行かないと言う。
それでも良い、隣町といってもそこまでは200キロ近くある。

不思議だったのはその途中を人が歩いているのである。
見るとほとんど手ぶらに近く、どちらの街に行くにも100キロメートル前後の距離である。

どうやら遊牧民のテントが、道路からは見えない場所にあるらしく、そこから来たに違いない。
しかし見たところ辺り一面、見渡す限り何もないところに人がぽつんと歩いていると驚いてしまう。

こうしてまず行程の5分の1を稼ぐ。

次の車がなかなか捕まらない。
外国人に親切だとはいっても、少し勝手が違うのか、
こちらも思い切って彼等がいつも使う言葉で呼びかける。

「アスマー!」

意味としては『オイ、おまえ』くらいのことだろうか。
走っていた車が20メートルほど過ぎたところで、とたんに速度を落とし、パタパタと止まった。

急いで駆け寄り、「ショックラン」、ありがとうの言葉を言う。

この要領で、朝の終わりから始めたヒッチハイク旅行も昼夜丸24時間をかけ、
食事もろくにとらず、乗り継ぎ、乗り継ぎで、地中海に面した懐かしの宿舎に戻ったのであった。
帰ってきたら当然叱られた。



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─《★編集後記★》─────────────────────────────────
砂漠旅行は日本人なら一度はしてみたいあこがれの旅である。

当時我々の間では2千キロコースというものがあって
ウアルグラ、ガルダイヤを回ってまた地中海沿岸に戻るという旅程で、
どこかで調達した車やタクシーを使い、3、4日を掛けて回るものである。

ちょっとした砂漠旅行の雰囲気は味わえるが
サハラ砂漠の奥深くタマンラセットやジャネットといったところからすれば
砂漠のほんの入り口でしかない。

しかしいずれにせよこうした景色は日本にはまったくないもので
果てしなく無味乾燥の、砂漠と言うより土漠の世界は旅の醍醐味を味あわせてくれた。

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最後までお読みくださりありがとうございます。

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編集・発行 永尾良一
ここは地の果てアルジェリアweb → http://www.yoonnet.com/algeria/

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