ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記 |
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│ 第63号 2008.06.05│
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│ ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記 │ 永尾 良一 │
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│ ☆私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となって
│ アルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育する
│ ノンフィクション物語です。
│
│ ☆上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、
│ 日本人は私たった一人でした。
│
│ ☆取締役ドルフはスポーツマンで、お茶目な人物である。
│ 私も彼の親切ではあったが、いたずらされて、からかわれたことも
│ あった。
│
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│ 飛行場物語1 │
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どうして物語かと言えば、いろんなドラマがあったことと、私が体験したこ
とのみならず、人から聞いた話も多くて信憑性に欠けるからである。
初めてのアルジェリア赴任の時はのんびりと構え、皆が入国管理でパスポート
のチェックや荷物検査を終えてから、その最後尾についていたが、そうすると
飛行場に着いてから空港を出るまで2時間近くかかってしまう。
そのうちだんだんと要領をおぼえ、いかにして入国審査や税関をくぐり抜け、
早く出るかを競うゲームのような癖が付いてしまった。
アルジェリア人旅行者達は、どうやって抱えてきたかと思うようなトランクに
目一杯の衣類や日用雑貨を詰め込んでいる。一旦開けたら2度と閉められない
くらいの溢れた物、物、物の検査に時間がかかり、とても付き合ってはいられ
ない。
荷物検査の横では白タクの運転手達が、カモとなる客を捜している。ちなみに
値段を聞くと150ディナールだという。フランス、パリの感覚だと自国の通
貨に換算して、当時はまあそんなものかと思ってしまうが、正規のタクシーで
は50ディナールくらいである。バスにいたってはわずか5ディナールでしか
ない。
ある時フランス人がそれに引っかかり、その白タクシーの運転手と交渉が成立
していたが、私が見かねて脇から
「運ちゃん、いくらだい?」
と訊いたら、
「200でいいよ」
という。
「冗談だろ、街まで普通50、バスなら5しかかからないぜ」
と言ったら憮然としていた。
もちろん交渉はそこで終わり、フランス人も損をしなくて済んだが、それで礼
を言われることはなかった。
フランス人は、他人に対して警戒心の強い国民だと思うが、お礼どころかひど
い場合は、自分は関係ないよと言いながら、私が知らぬ振りをしていると結局
忠告に従っている。しかも自分はそれを知っていたかのように振る舞うのもい
る。
救いがたい人々である。そんな警戒心が強くても、だまされるのは皆同じであ
る。
さて、搭乗手続きの窓口でも、出国時のパスポート審査と同様、混雑は同じで
ある。空港の手荷物受付カウンターは1ないし2しかなかった。そこに人は群
がる、というより殺到する。
予約を入れて座席が指定されていれば、どうしてそんなにむきになる必要があ
るんだと不思議に思うかも知れないが、そうではない。予約していても勝手に
とり消されることがある。
またオーバーブッキングといって、席の数以上に予約され、早く搭乗券をもら
わないと安心できないのである。
問題はそこにとどまらない。チェックインをして荷物を預け、搭乗券をもらっ
たとしてもまだ安心はできない。出国審査で時間がかかる。
コンスタンチンやアンナバといった地方の空港では、窓口の数も少なく1人
1人に時間がかかるため、30分以上かかる時もざらにある。それが終わって
ようやく飛行機に搭乗となるが、ここでもやっかいである。
フランスから来るある飛行機は、その同じ飛行機が折り返しまた帰る便になる
のだが、その便が来なかったためフライト自体がキャンセルとなった。
別の話では、飛行機の整備が遅れて搭乗開始となったとき、待ちかねていた旅
行者が、300メートルほど離れた飛行機目指して一斉に走り出した。
皆が乗り終えたとき、何人かの乗客が座れずに立っていたら、その客達は降ろ
された。つまり搭乗券と席の数がはじめから合わなかったらしい。
ある時は貨物を積みすぎて飛行機が飛べなくなったので、太ったおばさんから
降ろされたとか笑えない話もある。
実際私が見たのは、仕事仲間が長期の滞在を終えて完全帰国をすることになり
盛大な見送りと共に空港に行き、飛行機で旅立った時のことである。
我々が仕事から帰って、彼の話をしながら懐かしんでいると、去ったはずの
同僚がまだいるではないか。
「えー、どうしたの?」と訊くと、1度離陸はしたものの霧のため途中で引き
返してきた、というのである。一旦戻り、明日また再出発するという。本人も
照れていたが、こればかりは仕方がない。
その日は静かに歓送会の2次会をやった。
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─《★編集後記★》──────────────────────────
とにかく飛行機に関する話はゴマンとあり、なかには笑えないものから悲惨
なものまであるが、その多くは慢性的な時間感覚の違いによる「遅れ」に対
する捉えようである。
30分の遅れは遅れではないという感覚と、1分以上の遅れは「遅れ」という
どうしようもない国民的な、あるいは民族的な認識のギャップはいかんとも
しがたいが、これも不思議なことに、慣れてしまうとどうということはない。
問題は、そういった感覚になれた人と、日本にいる担当者との連絡において
そのギャップは悲惨である。
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最後までお読みくださりありがとうございます。
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編集・発行 永尾良一
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