ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記 |
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│ ある生徒の招待1 │
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あるとき、級長格の生徒を手なづけようと、休日にドライブに誘った。オラン
の町外れの海岸に行き、そこのホテルで食事をして一日楽しんだが、彼はぜひ
家に寄って欲しいという。
私は家族に会って挨拶すればいいくらいに思っていたが、私1人のために5人
分の料理が用意されていた。
もちろん私の後に家族で食べるのであろうが、テーブル狭しと並べられた料理
には唖然とした。中には私の口に合わないものもあり、食う振りで何とかごま
かした。
ところが最後に出されたものには、ぎょっとした。野球ボールを一回り大きく
したどす黒い、おまけに表面がぶつぶつとした突起物に思わず鳥肌が立つ。
「ムッシュー、これはうちのご馳走だ、ぜひ食ってくれ」
生徒は嬉しそうに差し出した。
「こ、これは、なんだい」
おそるおそる訊ねる。
「羊の内蔵を血と共に固めたもので、先日、羊の丸焼きをした材料で作った
最高の料理だ」
「そ、そうか。最高の料理か…」
こわごわとボール状の料理を一切れ、口に運ぶ。羊の匂いがむっと来て、
吐きそうになるのをこらえながら、別の料理を口にし、息を殺して水で一気
に喉に流し込む。
彼はその一部始終を見ていて私に尋ねた。
「どうだムッシュー、うまいだろう、え?」
「そ、そうだな、うん、いやあとっても、なんというか珍味だな…」
「そうだろう、そうだろう。ムッシューは運がいい。この料理はそうそう
食べられるもんじゃないんだ。年に何回も作るものじゃないしね、
是非平らげていってくれ」
「そ、そうか、俺はラッキーだな」
とかいいながら胸の奥は複雑な心境で、
さてどうしたものか考えをめぐらせ、咄嗟に言った。
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