ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記 |
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│ 第43号 2007.12.28 │
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│ ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記 │ 永尾良一 │
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│ ☆私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となって
│ アルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育する
│ ノンフィクション物語です。
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│ ☆上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、
│ 日本人は私たった一人でした。
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│ ☆家政婦ゾラは、決して美人ではないが、明るく魅力的な女性だった。
│ よく彼女とお茶をしては話に盛り上がった。
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│ 異文化経験1 │
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この話すべてが異文化経験であるが、あまりにも違う点を挙げてみた。
地球は一つ、人間皆同じ、話せば分かるという言葉は、少なくとも外国人と徹
底的に接したことのない人たちの妄想としか思えない。
フランスで語学を習っていたときはまだ良かった。しかしこの時のようにフラ
ンス人を同僚あるいは上司に持ち、それに加えてアルジェリア人生徒がいると
同じフランス語で話していても頭の切り替えが必要である。今までの日本人的
考えをかなり変えた方が生きていける。
オランのアパートに住み始めたとき、家具や備品の類は会社が払ってくれたが
ごみ箱の数で問題になった。
「おまえさん、どうしてごみ箱を三つも買うんだ」
「だって部屋が三つあるし台所にも一つは要る」
と言うと不可解な顔をしていた。
その彼にある日、ホッチキスで閉じた資料を持っていくと閉じる方向が違うと
いう。日本人は普通A4版を縦に使った紙は左上を閉じるが、彼はそれを見て
また怪訝そうな顔をする。
加えて動作や仕草、ジェスチャーの意味がしばしば大きく違うから、これも要
注意である。
ムッシュー・ガリッグは言う
「俺がパキスタン人と交渉をしていた時はな、『はい』と『いいえ』で
首の振り方が我々とは全く逆なんで面食らったよ。
「相手に当たり前のことを言ってもな、首を横に振るだけなんだ。
こちらもむきになってそうだろう、そうだろう、違うはず無いとしつこく
言って、ついには怒鳴ったんだが、向こうはちゃんと納得してたんだな。
しかしこれに慣れるにはちょっと時間がかかったな」
面白いことに、ここアルジェリアでも首を横に振りながら、
「うーん、そうだ、その通り」
という彼らを何度も見た。
以前私の上司が話していたことを思い出した。
「相手先のかなり親しくなった担当者と雑談中に『あなたはいつも遅くまで
仕事をしているが、仕事ばかりしてると奥さんこれだろ』といって、両方
の人差し指を立て頭のところに持っていったんだ。
『おかんむり』で機嫌悪いだろうと言うつもりだったんだが、その国では
その仕草は雄羊だったか山羊を表し、浮気するという意味だったんだな。
さすがに彼もむっとしてたよ」
その程度で済めばいいが、済まないことも山ほどある。
語学力が十分ではないから、弁解のしようがないときだってある。酒が入って
いたからと言って許す、あるいは大目に見てくれるところなど、日本以外無い
と思った方がいい。
酔った勢いで中国人の女性従業員の肩に手をかけたため、即時帰国させられた
日本人がいたのは、以前いた北京での出来事である。言葉で言い表さなければ
評価されないというのは前に述べたが、言葉には注意しなければならない。
ロゴとロジックの世界である。
ロゴとは言葉であり、ロジックとは論理である。言葉を発することですべてが
始まり、たとえ無茶苦茶であろうが、論理的な展開が要る。
授業では技術指導であったから、単に科学的な根拠に基づく論理で済んでいた
が、交渉ではそうはいかない。言葉も選ぶべきで、不用意に単語を並べると取
り返しのつかないことになる。
ある日本人が税関員に質問され、思わず「なぜ」と言ったとたん後回しにされ
乗客の一番最後に税関を出てきたことがあった。彼は何がどうなったのか、
全く理解できなかったが、彼の話から察するに税関員は彼の言葉を抗議の態度
ととったようだ。
「なぜという単語ではなく、『それはどういった理由でしょうか』とていねい
に言わないと、まあそれだと誤解されるでしょうね」
文書ではないから記録に残らない、下手なことを言っても証拠はないと思うの
は甘い。
アルジェリア人担当者を罵り、帰国させられた日本人を何人か見ているし、
生徒の一人も、彼自身の暴言がもとでこの工場から去っていった。
だから言葉には慎重になる。生徒が自習時間にラジオカセットを鳴らし始めた
ことがある。「音楽を止めろ!」と即座に怒鳴った。
すると生徒の一人が
「俺はラジカセなんぞしらないぞ、どうしておれが犯人だと疑うんだ」
と食ってかかる。
「おいおい、何を言ってる。俺は音楽を止めろと言っただけで、おまえが
やったなんて一言も言ってないぞ。それともおまえがやったのか?
え、おい」
「いや、あの、その…」
「関係なければおとなしくしてろ。よしよし、いい子、いい子」
かくして平和は戻る。
日本でオーケーとやるときの指の形、仕草はここでは
「おまえはゼロだ、無価値だ」という罵倒のサインになる。
こう言った目に見える部分は比較的説明しやすいが、根本は彼らの生き方、
考え方、価値観の根本が、我々とはかなり違う。
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─《★編集後記★》──────────────────────────
つい仕草というものは態度に表れる物ですが、これがくせ者です。
OK−の印が相手の評価ゼロと受け取られたのではたまったものではありません。
しかも言葉と態度と仕草は一連の流れで出てくるのものですからやっかいです。
タダこれらを駆使できるようになると非常に便利な状況ができて来ます。
そこに行き着くまでが大変で・・・
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最後までお読みくださりありがとうございます。
みなさま、良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。
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編集・発行 永尾良一
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