西洋思想の散歩道 |
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◆◇◆「思想の世界」Vol.2◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
No.134 2004.12.25
西洋思想の散歩道
-A Promenade of Western Thought-
K. Wiseman 著
Assisted by Mai O.
◆◇Presented by K`s Community◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
読者の皆さんへ:Merry Christmas!
クリスマスです。クリスマスのメッセージの一つは、「暗闇を歩んでいた民
が大いなる光を見た」というものですが、それは、暗闇を歩まなければならな
い人間の大きな肯定、「あなたがあなたであることを喜ぶ」ということでしょ
う。
僕は、クリスマスには、教会に行く以外には何か特別なことをするというこ
とはありませんが、このメッセージは深く心に留めたいと思っています。
昔、ベトナム戦争の頃、戦闘たけなわの時に「クリスマス停戦」ということ
が叫ばれて、この時期にはいっさいの戦闘行為が停止されました。だから、年
中クリスマスだったらどんなにいいだろうと思ったものです。
そして、生涯をずっと「クリスマスの思い」で生きることができれば、どんな
にいいでしょうね。
厳しい現実や争い、不安が渦巻く中だからこそ、「クリスマスの思い」をもっ
て生きていく。争いを止め、疑いには信頼を回復し、憎しみには愛を注ぎ、絶
望の中で希望を見いだし、不安と恐れには知恵と勇気をもち、新しい創造と真
理を求めていく。「暗闇を照らす光」というのは、そういうことでしょう。
ともあれ、年末のあわただしくすぎていく日々、今年もやり残したことが山
積みしたままではありますが、「ケセラセラ」でありたいものです。
では、現代の教育論(その7)です。
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第4章 人間と教育
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7.まとめとしての現代教育論(その7 教育環境の整備)
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<その7 教育環境の整備>
1960年代から以降、発達心理学は、人間の発達における環境の作用が極めて
大きいことを科学的・統計的に明らかにし、従来、遺伝的なものであると考え
られてきた人間の諸能力も、その人が置かれている環境によるものであること
を明白にしました。
種々の諸能力ごとに、そのことを証明し、さらに、それを社会学や経済学にま
で適応していく新しい発達理論が次々と生み出されていきました。
人間は、たとえば、同一の遺伝子をもっていても、その成長過程での環境の微
妙な相違によって大きく変化していくのですから、遺伝子が同じでも個々によ
って異なった人間になるのです。真に人間は環境の生物なのです。
そこで、人間の発達に最もふさわしい教育環境を整えることが、教育の方法
における重要な課題として登場しました。アメリカ合衆国の例にならって、日
本でも、20世紀の終わりに成立しました「新教育要綱」の中では、明確にその
ことがうたわれています。
この新しい教育環境理論は、どんな子どもでも適切な環境に置かれることによ
って、その能力を発達させることができるということで、子どもの未来、ひい
ては人間と社会の未来の可能性を大きく広げる画期的な教育理論であろうと思
います。
そして、実は、発達理論の裏づけはありませんでしたが、たとえば、ルソーの
「自然の中での教育」やフレーベルが考案した「賜物」と呼ばれる遊具、モン
テッソリーの学習遊具などは、そうした「教育環境の整備」の中に位置づけら
れるものでしょう。
しかし、一口に「人間の成長と発達に適切な教育環境」といっても、そう簡
単なことではありませんし、その内容は多岐にわたります。幼児教育だけを取
り上げましても、物理的な環境、精神的な環境、社会的な環境など、詳細な検
討が必要となります。
幼児の発達に大きな影響を与えるものとして、大別すれば、親(保護者)とそ
の家族、幼稚園や保育所等の教育機関、地域(社会)の三種類があげられるで
しょうが、これらは独立して幼児の教育環境を作っているのではなく、相互に
密接に関連しながら幼児の発達に影響を与えていきます。
それらの子どもを取り巻く環境は、社会構造が複雑になればなるほど複雑な関
連性をもっていきますが、教育環境を論じる場合、大人の視点や社会の必要性
からの視点ではなく、子どもの視点から考察される必要があります。それが、
「適切な環境」という時の「適切さ」を最も十分に満たすからです。
たとえば、子どもの教育環境の第一として、子どもが最初に接するのは、親で
あり、その家族ですが、子どもにとって親(保護者)は、自分が安心して全幅
の信頼をもって接することができる対象であり、文字通り、自分を保護してく
れる存在であり、自分の成長の先を示してくれる鏡に他なりません。
幼児期の学習の最初の一歩は、親の仕草や思考、言語、対応の仕方などを模倣
する「まね」から始まります。模倣することによって、自らの中にそれらを取
り込む作業が子どもの中に起こるのです。その模倣は、親(保護者)に対する
絶対的な信頼から生まれます。
つまり、家庭という子どもの教育環境の第一のものに必要なことは、信頼と愛
情であり、また、「模範となる存在」なのです。
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☆ずいぶん、発行が送れがちで、今号も、もっと展開する予定でしたが、時間
がありませんでしたので、とりあえず書いた分だけでも発行することにしま
した。
☆教育環境の第一のものとして取り上げました家庭での教育は、先に、「家庭
論」でも述べましたが、もう少し教育環境という視点から掘り下げたいとは
思っています。「学校」などの教育機関の問題は、その後で述べるつもりで
す。
☆ある都市の委員会の委員を引き受けて、そこで、教育論議をしますが、現代
の教育が人間に対するある種の幻想の上に成り立っていることを痛感したり
します。幻想は必要ですが、幻想の上野方策を組み立てても、「絵に描いた
餅」になりかねません。お役所仕事の限界を感じたりもしますし、今の「三
位一体改革」と呼ばれる財政の圧縮も悪影響がありますね。
☆良いクリスマスでありますよう。
☆急に寒くなりました。お気をつけてお過ごし下さい。ではまた。
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