『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。
地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。
圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。
仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。
- 最新号:2008-09-28
- 発行周期:毎週月曜定期
- 読んでる人:8人
- 創刊日:2007-01-07
- Score!:-点
- コメント数 : 0
- メルマガID:165386
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
switch【1日5分!空き時間に読む小説】vol.112
発行日: 2008/2/20━ 1日5分!空き時間に読む小説 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)
【 ジャンル:ファンタジー系恋愛小説 】
http://shosetsu.uijin.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.112 2007年2月20日
発行者:作倉エリナ
☆☆───────────────────────────────☆☆
今号は「続・序章 第六話 続・穴二つ 002/010です。
☆☆───────────────────────────────☆☆
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まえがき
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はじめましての方、お手にとっていただきありがとうございます。
以前からお読みいただいている方、本当に本当にありがとうございます。
再び、歯が大変なことに!!
治してもらったばかりの詰め物がとれましたよ?もうここ治し始めて三週間
ですよ?
信じて良いですか??
作倉エリナ
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スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと) 続・序章
第六話 続・袖振り合うも多生の縁
P.002 / P.010
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(前回までのあらすじ)
何らかのショックにより、現代から500年ほど未来の変貌してしまった時代
にタイムリスリップしてしまった相原は、王子ミハマの言葉を受け、元の時
代に帰りたいと願い、出来ることのために、動き始める。
中王の軍人であるはずのティアスが、オワリ国に現れ、怪我人として収容さ
れる。暗躍するテッキを後見に持つ彼女に、王子ミハマが興味を持った。
テツとティアスの仲を疑い、その確証が取れぬままアイハラは悩む。そんな
中、ティアスの正体がミハマ達にばれるが、ミハマは彼女に「力になれると
思う」と手を組むことを提案する。
しかし、アイハラはテッキの言葉を受け、護衛部隊に不信感を抱き始めてい
た。そして、この世界の支配者「中王」の存在にも。
(↓以下本文)
第六話 続・袖振り合うも多生の縁
02
シュウジさんは賢い人だと思ってたのに、よりにもよってティアスのことを、
魔族を統率する一族の王だなんて。どこからそんな発想が?!こんなに可愛い
のに!!
「違いますよ」
否定したのはティアスではなく、セリ少佐だった。彼もまた、イズミやサワ
ダのミハマに対する盲目的な部分を、ティアスに対して持っているように見え
た。少なくとも、今の必死な言い方からは。
「似たようなものよ?」
「姫、そこはきちんと否定してください。誤解をされやすいとハスヤ将軍もずっ
とおっしゃってましたから」
「もー、すぐにリョウのこと言う。めんどくさいな」
「誤解ですかねえ……。テツ、申し訳ありませんが、私の部屋からあの黒いファ
イルケース持ってきてもらえます?」
空中にファイルケースらしきものを描くように手を動かしながら、サワダに
指示をする。
「こういう話をするって判ってんだから、持ってから来いよ」
「待って、テッちゃん。それ、部屋にはないから。この間シンに貸してたじゃ
ない、この人」
部屋を出ようとするサワダを止めたイツキさんが、彼らを諭す。それにして
もシュウジさんがそんな大事なものを人に貸すかな?案の定、シュウジさんが
嫌そうな顔をしていた。
「ああいうのは『貸した』とは言いません。勝手に持っていったんです。全く
……」
立ち上がり、ベランダに向かった。イズミはいつもベランダにいるわけでは
ないけど、声をかけたら来るのかな?
「あんまり意地悪しないで、教えてくれないかな?」
やっと口を開いたと思ったミハマの表情は、やっぱり変わらない。じっと黙っ
たまま、笑顔を崩すことなく彼らの話を聞いていた。
「意地悪も何も、間違ってるなんて言ってないし。あの大陸にある国の王族。
間違ってない」
「要するに、『魔物を統率する力を持った一族』って言うのがちょっとずれて
るのかな?ごめんね。シュウジに説明させないと、横やり入っちゃうからさせ
たんだけど、回りくどくなっちゃうね」
「言いにくい?」
そう言った彼女の視線が一瞬だけど、ミハマの後ろに立つ男を見た。オレは
それを見逃さなかった。
そして、おそらく目の前の笑顔のままの男も。
「いや。そんな関係じゃないから」
笑ったままなのに、彼の視線が真っ直ぐ彼女を射抜いているのが判る。威圧
感……と言うには柔らかすぎる気がするけど。
「昨日の魔物の襲撃。応接用のテラスに2体、中庭に1体。三位一体型のヤツ
が二手に分かれてきた。この魔物は通常、夜間をメインに現れるタイプだけど、
今回は昼間に現れている。それから先日、君とテツが倒した魔物も同じタイプ
にも関わらず、二手に分かれて現れている」
オレとミナミさんの前には一体しか現れなかった。二手にって言うことは、
サワダとティアスが、もう2体倒していたってことか?別の場所で。それとも
イズミか?
そんな色気のある話ではないと判っているけど、彼らがどれくらい一緒にい
たか、随分変わってくる。
「随分、データが取ってあるのね」
「オレの護衛部隊が、オワリの魔物対策の要だからね。残念ながら」
もしかして、データが取れるほど戦えないってことなのか?普通は。
「昨日のも先日のも残りカスをシンに採取してきてもらってる。分析した結果、
2つのことが判った。この魔物が夜間、ニホン各国に現れるモノとは似て非な
るものだと言うこと。それから、脳神経を操作した痕があったと言うこと」
これは、オレの憶測でしかないけど……もしかしたら、ミハマが彼女に時間
を与えたのも、それを彼の護衛部隊があっさりと了承したのも、彼女のためで
はなく、その事実を調査するためだったんじゃないだろうか。イズミが、サワ
ダが独自に動くのも、ミハマの掌の上でしかなかったら。
だとしたら、オレはどうしたらいい?彼女は彼を味方にしようとしていたの
に?信用できる方だと言っていたのに?
「君か、あるいは君の協力者か、それとも君のバックにいる人か……いずれか
がその魔物に対する操作を行ったと言うことになる。誰の意志で、どう動いて
いるかはあくまで憶測でしかないかもしれないけど」
さっきは「違います」と言っていたはずのセリ少佐に、オレは期待したけれ
ど、彼は動かなかった。ミハマの言うことが正しいのか?だけどこのままじゃ、
彼女の立場が悪くなる。
『今日の襲撃は、仕組まれたものよ。あの人と、私の手でね』
けれども、オレも彼女のあの台詞しか知らないのだと言うことに、いま気付
いた。
「先日の襲撃は、君たちの予想通り仕組まれたものよ。あの人達と、私の手で
ね」
彼女は、オレに言った台詞と同じ言葉を、彼にも伝えた。
『なんでそんなことに、彼も君も、加担をする羽目に?』
だから当然、サワダの父親に対して、ミハマも同じ台詞を吐くものだとばか
り思っていた。
「意味が判らないや。中王にとって、この国がさほど重要にも思えないし。彼
にとって昔なじみのサワダテッキという男がいて、その男に君と手を組ませて
魔物を襲撃させる意味がね。テッキさんも現中王も、この国に執着する必要も
意味もないと思うし」
「意味がないかしら。この国は充分巨大よ?中王での発言はカントウの次くら
いに大きい。ニホンの中心部にある小国を束ねているのは、この国なわけだし」
「そうかな。所詮、従属国の一つだよ。中王から派遣されてくるスパイからの
報告も、そう言ってると思うけどね。少なくとも、オワリの王は、中王に逆ら
う気もないし、それを動かす機関の意志も、基本的には」
「そうでしょうね。私にもそう見える」
「私には、あなたの行為がパフォーマンス的に見えたのですけれど?おかしい
ではありませんか?あなたはあの魔物を操作していたことを否定しない。仕組
まれたものだというくせに、あなたはサワダ中佐と共に私とアイハラくんを助
けに来た」
責める様な口調で、彼女を追いつめようとしたのは、ミナミさんだった。立
ち上がり、こちらに歩み寄ってくる。その彼女にサワダが近寄り、手を差し出
そうとする。
「テツは……知ってるんじゃないのか?」
彼女の手を取るサワダを、真っ直ぐ射抜く。彼女の必死さが、それだけでも
オレには伝わる。彼と目を合わせるだけで、あんなに照れていたくせに。
「……何というか……魔物は、人の強さを判断して人を襲う。だから、まずア
イハラを襲い、それからサラさんを襲った。それに関してあいつらは、オレの
こともあの女のことも等しく判断していたよ。だから、操作したものと、それ
を使役してるモノは別、と考えることも出来る」
どうして彼女を庇うような言い方をする?と、彼女が言いたそうに見えたの
は、オレの思い違いだろうか。オレがそう言いたかったから。でも、余計なこ
とを言いたくなかった。そう思ってしまったら嫌だから。
「ユノ、悪いけどシュウジ呼んできて。多分、外でシンに説教してると思うか
ら」
イツキさんが彼の命令を受け、ベランダに向かう。
それにしてもミハマの指示って、意外と的確だよなあ。イツキさんならシュ
ウジさんの説教もとめられそうだし。
「それからティアス。オレもね、テツの意見に賛成かな。もっとはっきり言う
と、魔物を操作しているのは君、使役しているのはテッキさん。その後ろには
中王がいると考えている」
ミハマははっきりと、サワダの父親の名前を出した。そしてこのニホンの王
の名を。オレも彼女も、そしてミナミさんもサワダを見てしまった。ミハマと
セリ少佐だけが、表情一つ崩さぬまま。
「でも、それを考えても、この国に執着する理由が判らない。何もないよ、こ
の国は。ゆっくりと、世界が腐っていくのと同じスピードで腐っていくだけだ
よ」
「……そう……。コウタ、トージを呼んで頂戴。それから、外を見てきて」
「はい」
シュウジさんとイツキさんが戻ってくるのと入れ替わりに、セリ少佐が外へ
向かった。その態度にミナミさんが再び噛みついた。
「外には、シンがいますよ」
「ああ……誤解しないで。シンの腕は知ってるの。だけど、私はよりコウタを
信用している。それだけなの。それ以上でもそれ以下でもないの」
「逆の立場なら、オレも君を外に出すよ?セリ少佐の腕を知っているけれど
ね?」
ミハマのフォローで、彼女は黙ってしまった。サワダに背中を触られ、椅子
に戻るよう促されると、子犬のように体を飛び上がらせていた。普段冷静なく
せに、ああいいう所が可愛い人だな……。噛みついていたときはちょっと怖かっ
たけど。
むしろ、それを笑顔で流そうとしたティアスの方が……。
「それだけ大事な話をしてくれるってことだよ。オワリの者にも、中王の手の
者にも聞かれたくないような」
微笑みを絶やさないミハマと苦笑いを見せたティアスにオレは背筋が寒くな
る思いだった。
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次号は・・・
スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第六話(全七話)
P.003 / P.010
vol.113 は2007年2月25日発行です。お楽しみに!
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現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
そちらもぜひご覧ください。
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あとがき
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歯痛で会社を遅刻しようとすると、怒られるんですよ(当たり前)
上司がとても歯が綺麗な人なので、歯痛の辛さが判らないそうで。
なんて言い訳をしようか。
では前回に引き続き、近況報告+お詫びでございます。
私事で大変恐縮ですが、今現在、実は転職活動中でばたばたしてます。(spits
の更新が停滞しているのもそのため)時間の流れが多少ゆっくりになってし
まいますが、今しばらくの間、ご理解いただければ幸いです。
以下も是非、ご覧くださいませ。
「小説家になろう」
天に向かって唾を吐け! http://ncode.syosetu.com/n7361a/
switch【モラトリアムを選ぶと言うこと】http://ncode.syosetu.com/n2034b/
今号も、お読みいただきありがとうございました。
また次号もおつきあいください。
作倉エリナ
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