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『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。
地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。
圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。
仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。
- 最新号:2008-08-11
- 発行周期:毎週月曜定期
- 読んでる人:8人
- 創刊日:2007-01-07
- Score!:-点
- コメント数 : 0
- メルマガID:165386
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
switch【1日5分!空き時間に読む小説】vol.110
発行日: 2008/2/5━ 1日5分!空き時間に読む小説 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)
【 ジャンル:ファンタジー系恋愛小説 】
http://shosetsu.uijin.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.110 2007年2月5日
発行者:作倉エリナ
☆☆───────────────────────────────☆☆
今号は「続・序章 第五話 続・穴二つ 010/010」です。
☆☆───────────────────────────────☆☆
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まえがき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
はじめましての方、お手にとっていただきありがとうございます。
以前からお読みいただいている方、本当に本当にありがとうございます。
今週は発行が遅れて大変申し訳ありませんでした。
水曜予定でしたが、何とか1日早めて遅れを取り戻してみたり。
歯が折れたり風邪を併発したりで、結局有休をとらざるをえなくなってしまっ
たようです。
ええ。来週も1日少ないですけど、大丈夫か会社員??
そんなわけで、来週月曜は祝日のため、火曜日発行です。
作倉エリナ
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スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと) 続・序章
第五話 続・穴二つ
P.010 / P.010
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(前回までのあらすじ)
何らかのショックにより、現代から500年ほど未来の変貌してしまった時代
にタイムリスリップしてしまった相原は、王子ミハマの言葉を受け、元の時
代に帰りたいと願い、出来ることのために、動き始める。
中王の軍人であるはずのティアスが、オワリ国に現れ、怪我人として収容さ
れる。暗躍するテッキを後見に持つ彼女に、王子ミハマが興味を持った。
テツとティアスの仲を疑い、その確証が取れぬままアイハラは悩む。そんな
中、ティアスの正体がミハマ達にばれるが、ミハマは彼女に「力になれると
思う」と手を組むことを提案する。
しかし、アイハラはテッキの言葉を受け、護衛部隊に不信感を抱き始めてい
た。そして、この世界の支配者「中王」の存在にも。
(↓以下本文)
第五話 続・穴二つ
10
彼女の肩を掴むイズミの手を、サワダが掴む。その行為が意味することを、
彼は理解しているのかしていないのか知らないけれど。
「別に、何もないし。関係もないし。何が聞きたいか知らないけど」
「テッちゃん。しらばっくれてる状況じゃないと思うけど」
サワダが彼から手を離すと同時に、ティアスも彼から距離をとった。
「違うよ、シン。何を疑ってるか知らないけど。どういうつもりか知らないけ
ど」
「そう言うときって、なにを疑ってるか、十分理解してるってことでしょ?」
「だから、それは違うよ。私とサワダ中佐は、何もないよ?むしろ、私のこと
を彼は疑っている」
彼女の目と雰囲気に、あのイズミですら飲まれていた。
「ミハマや、あなた達を心配して、私に近付いてきただけよ?あなたと同じよ
うに」
「だろうね」
「判ってるなら」
飲まれたことが不愉快だったのか、他に何か意図でもあるのか、イズミは彼
女ではなくサワダを見ていた。
「最初はね。ミイラ取りがミイラって言葉、知ってる?」
「ふざけんな。そんな話なら、後でしろよ」
怒ってみせるサワダだったが、オレには逃げてるようにしか見えなかった。
「いいの。ミハマが私のことをどう思って、話をする時間をくれたのかは判ら
ないけれど、私自身がシンにとって怪しい存在であることは変わらないし。だ
けど、それでも、シンが疑うようなことに、サワダ中佐は関係ない。彼は私を
疑ってる」
「そのわりに……」
「全部きちんと話すから、安心して。ねえ、ミハマ?今からでも良いよ」
ミハマが後ろにシュウジさんを従え、こちらに歩み寄ってきた。彼もまた、
彼女にあらかじめ何かを話そうとしていたのだろうか?この場所にこんなに人
が集まるのは不自然だし。
「いや、いいよ。君も準備があるだろ?」
「あなたも、私に何か話があったんじゃないの?」
「いや、そこでテッキさんに会って……」
笑顔で彼女の隣に立つミハマの後ろで、シュウジさんがメチャクチャ嫌そう
な顔をしていた。要するに、あの人に会って、彼はこっちへ様子を見に来たっ
てことか。
「牽制されたから」
「ああ、そうですね。あんた達の世界では、あれを牽制って言うんですね。良
いですけどね」
シュウジさんの溜息が、哀れで涙を誘う。また大人げのない会話してたんだ
ろうな、あの二人……。
「牽制、ねえ。変なの。ミハマの前だと、あの人まるで子供みたい。サワダ中
佐の前ではちゃんと父親の顔してるのに」
「……ティアちゃん、それもちょっと違う気が。サワダテッキがテッちゃんの
前で父親ヅラをしたことはあっても、父親の顔をしてるのは見たことがないよ」
「そんなこと無いよ?さっきだって、そうだったよ。見てたくせに」
「あれが?」
イズミがオレに同意を求める行為に、ティアスが嫌そうな顔をして見せたが、
オレも彼女とは別の意味で嫌な顔しかできなかった。あの人に関しては、概ね
イズミと同意見だったから。あの人も、ミハマも、意味が判らない。
「何か込み入ってるみたいだけど、君は少しでも休んで、早く傷を治してよ。
テツもね。あんまりうろうろしたり、ストレス溜めたりは良くないと思うけど」
「別に溜めてないし」
「眉間の皺が跡になりそうなくらい、考え込んだ顔してるのに?相変わらず、
自分のことは見えてないよね。冷静さに欠ける守護者はいらないよ?」
突き放したようなミハマの台詞に、サワダは噛みつきそうな顔を見せたが、
すぐに引っ込めた。
「オレにも素直に『休め』って言えばいいだろうが。妙な気を回すな、バカ」
長い間、サワダを心配して言って来た台詞を、ミハマなりの伝え方で彼に伝
えていただけなんだ。だから、ミハマはサワダにだけ、少し違う気の使い方を
する。敢えて彼を見ないように、彼のことを心配していないかのように。
「だって、テツはそう言ってもちっとも言うこと聞かないから。それより、シ
ンに頼んで無理矢理にでも外出禁止とかにした方がいいのかな。休めっつって
んのに、ピアノ室で練習してるって聞いたよ?大体、昨日だってケガを理由に
引っ込んでることだって出来たのに」
「ちなみに、昨日の夜、訓練場に顔出してたよ?人がいない時間を見計らって」
その後、温室に行ってサトウアイリと密会もしてるけどね。イズミは他にも
色々見てるくせに、さすがにそれは言わないんだな、ミハマの手前。
「……何で知ってる、お前。ストーキングか?」
「だって、お仕事ですから、隠密として」
「ちょっとはおとなしくしてることは出来ないのかな。イムラ先生にもこの間
怒られてたし。昼食まで横になってれば?」
サワダの腕を掴み、引っ張るミハマ。シュウジさんもこっそりそれに加勢し
て、二人がかりで引っ張る。
「いや、もう、傷は埋まって……」
「はいはい。状況はイムラ先生から聞いてるから。宮殿にいる医者じゃ、君の
言いなりだから」
……穏やかな顔して、有無を言わせない男だな……。引きずられていくサワ
ダを、イズミもティアスも苦笑いしながら見送っていた。
「やられたな。完全にミハマに混ぜっ返された」
部屋に戻ろうとしたティアスを、引き留めるために彼女の肩に手をまわす。
「馴れ馴れしいぞ、お前!」
オレですら、昨夜はニイジマの監視が怖くて彼女には指一本触れられなかっ
たのに、そんな簡単に肩を抱いて!!
「五月蠅いな。大事な話の途中だったろうが」
「終わったじゃない。何もない。今日、全部話すから。ちゃんと。私が悲劇の
姫君なんかじゃないってこともね。あの王子様が、私のことを何か誤解してる
んじゃないかと思って心配なんでしょ?それから、その守護者を誑かす悪い女
なんじゃないかって、心配?」
さっきまでのティアスとは違う。影と毒のある女の顔を見せた。サワダと二
人の時とも、ミハマの前とも、オレの前とも違う顔。
「そうだな。前半はかなり心配だな。大分掴んではいるけど、真相は君しか知
らないし、現場に行かないと判らない。後半に関しては、自業自得だよ。ミハ
マを裏切るような真似はさせないし、するなら……いや、それはいいや」
自己完結。何か含んでるよな、イズミのヤツ。それをティアスが見逃すはず
もなく、彼女もまた含んだ笑顔で彼に問うた。
「シンは、随分我が儘なのね?ミハマがあんなにサワダ中佐のことを守ってい
るのに、彼らの間を引き裂こうとする。知らない方が、引っかき回さない方が
いいこともあると思わない?」
「そうだね。守ってるけど……」
「そうでしょう?ミハマはサワダ中佐を守ってる。サワダ中佐はそれに負い目
を感じながらも、それに甘えている。でもそれに関してはあなた達も、その程
度の差こそあれ、同じ状態だと思うけど」
「テツほどではないさ。けれど、……そうだな」
「ミハマが、サワダを守ってる?逆じゃなくて?」
オレの疑問に、ティアスは笑顔で応えた。その真意は、その表情からは読め
なかった。作られた笑顔を浮かべる彼女からは。
「そうよ。ミハマはね、サワダ中佐を懐に入れることで、彼を守っているの。
その行為によって、彼は以前にも増して攻撃を受けるだろうコトを、そのリス
クを理解していながら。彼の親友は、自分の政敵である男のたった一人の息子
なのよ。しかも、彼のすぐ下にいる、数少ない王位継承権を持った、ね」
彼女の言葉の意味を、おそらくオレなんかより、イズミは遥かに理解をして
いたのだろう。見たこともないような悲痛な面持ちを見せていた。
「よく……判らないけど……」
おそらく、またイズミが怒りそうだったから、オレは小さな声でしか聞くこ
とが出来なかった。それに気付いたのか、イズミがオレの顔を見て苦笑いを見
せた。
「サワダ中佐は、派閥争いにも、権力争いにも、残念ながら全く興味のない人
だわ。閉じちゃってるのよ、良くも悪くも。だから、ミハマはそれを理解して、
彼にはあの態度だし、彼を自分の懐に入れている。ミハマは、サワダ中佐のた
めのシェルターになってるのよ、この狭い世界で攻撃に晒されないように。サ
ワダ中佐にだけじゃない、彼の護衛部隊全てを、彼は守ってる」
その言葉が、限りなく真実に近いことを、イズミの表情が物語っていた。イ
ズミやサワダが不自由の中で、自由に考え動けるのも、彼らの主である、ミハ
マが彼らの盾になっているから。そしてその盾を守るために彼らは戦う。
その状況を、ミハマはどんな思いで作り出したのだろう。
だけど、オレの頭には、彼の笑顔しか出てこない。
こんな状況でも、「敵も味方もいるから幸せ」だと、彼は笑うのだろう。
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次号は・・・
スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第六話(全七話)
P.001 / P.010
vol.111 は2007年2月12日発行です。お楽しみに!
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現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
そちらもぜひご覧ください。
http://mini.mag2.com/pc/m/M0056277.html
mobile wing of fragment http://shosetsu.uijin.com/
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あとがき
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風邪を引いてぐだぐだの体調の中、折れた歯を(しかも奥歯)持って歯医者
に行ってきました。
何故折れたかというと、元々虫歯治療のために銀歯をあてがっていた部分が
さらに虫歯になってしまい、土台が弱くなっていたところ、銀歯と一緒に支
えていた白い歯も折れてしまったらしいのです。びっくりするわ……。
今まで、虫歯治療と言えば細い金属様のものでキュウイーンと響き渡る音を
立てながら削っていたはずなのですが、今回はよっぽど酷いのか、明らかに
通常使用のものより太い「ドリル」という言葉がぴったりのもので穴を空け
られてました。
いや、頭蓋骨に響く音がキュイーンではなく、ガガガて!?
頭蓋骨ボウリングか?
痛い話ばかりではあれなので、せっかく休みを取って文章を書けるこのタイ
ミングに今後のお話など。ちょうど五話も終わったので。
予想通りというかなんと言いますか、全七話とありますので、続・序章は全
て序章に対応した形で話が進んでいますが、続・序章には最後に第八話的な
ものをつける予定です。序章の第0話に対応したものになるのですが。
タイトルをなんとつけようか迷っていたことと、第7話エピローグ的扱いに
しようか迷っていたのもあって、次号予告では全7話の扱いです。
第六話 続・袖振り合うも多生の縁(全10回)
第七話 続・選ぶと言うこと(全10回)
エピローグ(仮) モラトリアム(仮称)(全2回)
このままでは完結までに半年以上かかってしまう……。未だ序章なのに。
その辺も何とか考慮していきます。しかし、もうすぐ連載開始から二年……。
では前回に引き続き、近況報告+お詫びでございます。
私事で大変恐縮ですが、今現在、実は転職活動中でばたばたしてます。(spits
の更新が停滞しているのもそのため)時間の流れが多少ゆっくりになってし
まいますが、今しばらくの間、ご理解いただければ幸いです。
以下も是非、ご覧くださいませ。
「小説家になろう」
天に向かって唾を吐け! http://ncode.syosetu.com/n7361a/
switch【モラトリアムを選ぶと言うこと】http://ncode.syosetu.com/n2034b/
今号も、お読みいただきありがとうございました。
また次号もおつきあいください。
作倉エリナ
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***** 1日5分!空き時間に読む小説【ファンタジー系恋愛小説】 *****
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