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『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。



地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。



圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。



仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。 




switch【1日5分!空き時間に読む小説】お詫び号

発行日: 2008/2/4

━ 1日5分!空き時間に読む小説 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)
      【 ジャンル:ファンタジー系恋愛小説 】
          http://shosetsu.uijin.com/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━お詫び号 2007年2月4日
発行者:作倉エリナ

☆☆───────────────────────────────☆☆
  今号は「配信が遅れることのお詫び号」です。
☆☆───────────────────────────────☆☆

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 まえがき
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 はじめましての方、お手にとっていただきありがとうございます。
 以前からお読みいただいている方、本当に本当にありがとうございます。
 
 今年一回目のお詫び号です。本当にごめんなさい……。
 とは言っても、今回は水曜発行でなんとか出来そうですが。

 
 ……えっと、単純に、身体的事情なわけですけど。

 そんなわけで、今回はまたしてもspitsの先行配信と次号の予告です。

                            作倉エリナ

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   ┏━┓┏━┓                                        ┏━┓┏━┓   
   ┃鮫┃┃珠┃  あなたのカラダ、酸素足りてますか??  ┃鮫┃┃珠┃   
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spits against heaven!

ex



 学園都市の西の外れにある私鉄の駅前に、カナタとマドイは二人で並んでい
た。15時という時間せいなのか、この都市に来る者も出る者もいないからな
のか、駅にはほとんど人がいなかった。二人も滅多に駅に来ることなど無かっ
たのだが、エイイチロウが指定したのだから仕方がなかった。

「マドイの私服姿、初めて見た。……おしゃれだ」

 なんと言って誉めて良いか判らず、思わず出た言葉に照れていた。そのせい
か、彼女も照れたように俯いていたことが、カナタにとっては新鮮なことも相
まって、いつもよりも可愛らしく見えていた。微かに、「彼女らしくない」と
も思っていたけれど。
 今まで授業が終わった後に、お互い制服のままでしか会ったことがなかった
から。そう思うことにした。

「ヒジリが……貸してくれたの。兄さんと同じとこ、好きなの」

 若干スカートが短い様に見えたが、彼女が控えめに呟いた台詞で理由が判っ
た。妹と15センチ近く身長が違うのだから、仕方がない。

「なら、ホントはマドイはヒジリさんとは違う感じなんだ?」
「うん。でも、ヒジリが選んでくれたりする。カナタは、エイジと服を買いに
行ったりしないの?随分違うのね」

 そう言ったマドイの目が、自分とエイジを比較してるような気がして恥ずか
しかった。彼が異常なまでに身なりに気を使うことに比べて、自分が異常なま
でに身なりに気を使わないことはよく判っていた。他の誰にどのように思われ
ても良いけれど、彼女にだけは少しだけ見栄を張りたくて、後悔すると共に、
言い訳を始めた。

「たまについてくけど……あいつ、服好きだからか、オレのことをよく、無頓
着すぎるって怒るし」

 このままエイイチロウが来なければいいのに。そう思っていたら、見慣れた
黒ずくめの男が、自転車置き場の方角から歩いてきた。いつものように首から
カメラをぶら下げ、ずた袋のようなバッグを担いで。

「マドイちゃん、兄妹で同じ趣味なんだ。可愛いね」

(遅れてきたくせに。自分は常に黒ずくめのくせに。しかも何げに誉めた!?)

 いつもの笑顔で、あっさりそう言ったエイイチロウに、カナタは心の中でし
かつっこめなかった。事実を認めるのも嫌だったし、プライドを傷つけるのも
辛い。

「あ、判るんですか?」
「うん。判りやすいしね。そういや、田所さんも同じ所の着てたし?何、みん
なしてお揃い?好きだねえ?」
「よく見てますよね。目を合わせないくせに」
「こう見えて、視界は広いわけよ。一言多いよ」

 カナタは自分の観察力のなさと知識のなさを、責めることすら出来なかった。
当然のように隣を並んで歩く二人の後ろに、必死でついていく。
 電車に乗り、何とかマドイを間に挟んで座り、やっと一言だけ反撃できた。

「映画を見に行くのに、カメラはまずいんじゃないです?」
「まあ、何があるか判らんし」

 カナタは嫌味のつもりで言ったのだが、エイイチロウは特に気にする風でも
なく、カバンの中にカメラをしまった。その後もマドイとエイイチロウ、二人
で話し続けるのを隣で眺め続ける羽目になった。
 地下鉄に乗り換えた後もそれは続く。カナタの中で、エイイチロウに対する
不愉快さばかりが膨らんでいく。その不満は、今池駅で降りたときに遠回しに
爆発する。

「大体、なんで映画を見にわざわざ外に出るんですか?学園の近くにもありま
すよ?」
「だって、椿山の映画館じゃやってないし。あんまり『外』って言うなよ?ナ
ギ何かは嫌がりそうだけどな、その言い方」

 全くもってその通りだったので、カナタは何も言えなくなってしまった。悔
しいけれど、彼はカナタの憧れる男と同じ様なことを言う。ただ、ニュアンス
の違いか、立場の違いか、カナタの心にはなかなか刺さらないけれど。

「まあ、そんなに不機嫌な顔しなくても。二人が一緒に来たいって言ったんだ
ろ?」
「別に不機嫌じゃないですけど。元々こういう顔ですから」
「あはは。いいねいいね、そういうの」
「……何がですか」

 何をしても喜ばれてしまうことすら、不愉快だった。

「今日は何を見るんですか?」
「チェコのアニメ。これ、DM。マドイちゃんは映画とか見る?」
「義兄さんが実家にいたころは、一緒に見に行ってたけど、こっちに来てから
はあんまりかな……?ヒジリが借りてくるのを一緒に見るくらい」

 DMを見ながら並んで歩く二人を、後ろから恨めしそうに眺めるカナタ。マ
ドイがエイイチロウと一緒にいたいがためにここにいるのは明らかだった。そ
のわりに、カナタがついていくと言った時、彼女は簡単に了承したけれど。だ
から彼は、未だ大丈夫だと、確信してついてきた。それなのに。端から見れば、
寄り添うようにエスカレーターに乗る二人の後ろからついていくしかない。つ
いこの間まで、同じように彼女に寄り添っていたような気がするのに。
 マドイの笑顔を見るたびに、あの時の彼女の感触が薄らいでいくような気が
していた。

 映画館に入り、彼女を挟んで3人で並ぶ。カナタは暗闇に乗じて彼女の手に
触れたけれど、彼女は何も言わなかった。それに安心したことと、エイイチロ
ウの選んだ映画が思った以上に面白くて、彼女の手を握ったまま映画に見入っ
てしまっていた。

 上映が終わり、次の回も引き続き見ようと言いだしたエイイチロウを、マド
イとカナタは無理矢理引っ張り、駅前にあるミスドに連れ込んだ。
 彼はパンフ片手に、カナタ達に今日の映像の中でどれが良かったか、指さし
ながら語り始める。

「オレさあ、これ、良かったと思うのね。コマ撮りしてるとは思えないくらい、
繊細な動きって言うかさ。絵本ぽいというか、それを再現するような……」
「お兄さんのことだから、今回見たヒューマンな感じのじゃなくて、こっちの
風刺的な方を選ぶかと思ってました」

 不思議そうな顔で、マドイがカナタとエイイチロウを交互に眺めた。

「あー。嫌いじゃないね。オレの作ったヤツ、ちゃんと見てくれたんだ。嬉し
いね。ただ、オレは綺麗なものを残したいとは思ってるよ。純粋さ故の美しさ
と言うものは確かに存在するし、それに嫉妬する人の欲望もまた美しいものと
して表現したいし」
「ですよね。確かに作ってるムービーって、ファンタジックなものもあるけど、
何というか、それぞれがアイロニー的に対応しているシリーズものもいくつか
あったから。可愛いとか何とか言ってこういうのを見に来る姿の方が不思議で
すよ」
「だから次の回も見たかったんだよ」
「あの……」

 話に入ろうとするマドイを置いてけぼりにして、二人で今日のアニメの話か
ら、映画の評論などに話が飛びながらも盛り上がっている。それをさらに不思
議そうな顔でマドイは見つめた。エイイチロウの口から出るマドイの知らない
言葉も、いつになく情熱的なカナタの言葉も、彼女にとっては新鮮だったし、
嫌ではなかった。

 陽が暮れ、3人で再び地下鉄で椿山へ戻る間も、カナタとエイイチロウの話
は終わらない。マドイは二人の会話を聞きながら、知らない二人を見ているよ
うな気分になってきていた。

「カナタって、映像系に行きたいのか?」
「そう言うわけじゃないですけど。未だ……」

 何も決めてないし、決まってない。実は美術科に入ったことすら、成り行き
だったとは、マドイには言えてもエイイチロウには言えなかった。
 彼女は、カナタが思う「弱さ」すら受け入れてくれるけれど、エイイチロウ
は違うだろうと、判断する。

「いや、よく知ってるし、見てるからさ。自分で見たもんとか、出るぞ?」
「エイジが、ホントに色々見るんですよ。ジャンルも偏ってるけど幅広いし。
オレがたまに自分で借りてくると、『そんなヤツ』みたいな感じで、むしろ批
判されますし」
「いつからそんなに偏屈になったんだ、あの愚弟は」

 確実にエイイチロウのせいだろう、と突っ込もうとしたとき、終点である椿
山学園前駅に到着のアナウンスが流れた。
 駅前のロータリーに出たときには、既に暗くなっていた。

「悪かったな、二人とも。遅くなって。寮に帰宅時間延長の申請してきた?」
「オレはしてきましたけど……」

 マドイも黙って頷いたので、エイイチロウは安心して笑顔を見せる。

「もう暗いから、マドイちゃんを送ってくよ」
「は……」
「大丈夫ですよ。オレ、同じ方向ですから。行こうか」

 マドイの返事を遮り、カナタはマドイの肩を抱いてバス停の方へ誘導する。
 エイイチロウは二人を苦笑いで見送るしかなかった。




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 次号は・・・
  スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第五話(全七話)
                            P.010 / P.010

      vol.110 は2007年2月6日発行です。お楽しみに!


以下、次号のお詫び予告です。


 彼女の肩を掴むイズミの手を、サワダが掴む。その行為が意味することを、
彼は理解しているのかしていないのか知らないけれど。

「別に、何もないし。関係もないし。何が聞きたいか知らないけど」
「テッちゃん。しらばっくれてる状況じゃないと思うけど」

 サワダが彼から手を離すと同時に、ティアスも彼から距離をとった。

「違うよ、シン。何を疑ってるか知らないけど。どういうつもりか知らないけ
ど」
「そう言うときって、なにを疑ってるか、十分理解してるってことでしょ?」
「だから、それは違うよ。私とサワダ中佐は、何もないよ?むしろ、私のこと
を彼は疑っている」

 彼女の目と雰囲気に、あのイズミですら飲まれていた。

「ミハマや、あなた達を心配して、私に近付いてきただけよ?あなたと同じよ
うに」
「だろうね」
「判ってるなら」

 飲まれたことが不愉快だったのか、他に何か意図でもあるのか、イズミは彼
女ではなくサワダを見ていた。

「最初はね。ミイラ取りがミイラって言葉、知ってる?」
「ふざけんな。そんな話なら、後でしろよ」

 怒ってみせるサワダだったが、オレには逃げてるようにしか見えなかった。

「いいの。ミハマが私のことをどう思って、話をする時間をくれたのかは判ら
ないけれど、私自身がシンにとって怪しい存在であることは変わらないし。だ
けど、それでも、シンが疑うようなことに、サワダ中佐は関係ない。彼は私を
疑ってる」
「そのわりに……」
「全部きちんと話すから、安心して。ねえ、ミハマ?今からでも良いよ」

 ミハマが後ろにシュウジさんを従え、こちらに歩み寄ってきた。彼もまた、
彼女にあらかじめ何かを話そうとしていたのだろうか?この場所にこんなに人
が集まるのは不自然だし。



to be continued...



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 現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
 そちらもぜひご覧ください。
 http://mini.mag2.com/pc/m/M0056277.html
 mobile wing of fragment http://shosetsu.uijin.com/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 あとがき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 歯がとれました。しかも、銀歯と一緒に白い部分の一部まで!
 なんじゃこりゃああああ!!!

 そんなこんなで、脳味噌が空っぽです……。


 では前回に引き続き、近況報告+お詫びでございます。

 私事で大変恐縮ですが、今現在、実は転職活動中でばたばたしてます。(spits
 の更新が停滞しているのもそのため)時間の流れが多少ゆっくりになってし
 まいますが、今しばらくの間、ご理解いただければ幸いです。

 以下も是非、ご覧くださいませ。
 「小説家になろう」
 天に向かって唾を吐け! http://ncode.syosetu.com/n7361a/
 switch【モラトリアムを選ぶと言うこと】http://ncode.syosetu.com/n2034b/

 今号も、お読みいただきありがとうございました。
 また次号もおつきあいください。
                          作倉エリナ

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***** 1日5分!空き時間に読む小説【ファンタジー系恋愛小説】 *****
 
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