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『敵も味方もどこにいて、何をしてるか判らない』だけどその状況は幸せだと彼は言った…。
地殻変動により変貌してしまった日本を支配する、中王の圧政に立ち向かうべく、暗躍する者達の思惑が交差する。
圧制下で暗躍する小国の王子とその護衛部隊の成長を描くFT恋愛群像劇。
仕事の合間に!勉強のお供に!他人の世界に触れてみよう!がテーマの軽く読める連載小説。
- 最新号:2008-08-11
- 発行周期:毎週月曜定期
- 読んでる人:8人
- 創刊日:2007-01-07
- Score!:-点
- コメント数 : 0
- メルマガID:165386
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
switch【1日5分!空き時間に読む小説】
発行日: 2008/1/28
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まえがき
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はじめましての方、お手にとっていただきありがとうございます。
以前からお読みいただいている方、本当に本当にありがとうございます。
今週はボードに行ってきました。
忙しいと良いながら、必死に時間をとったくせに……
作倉エリナ
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スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと) 続・序章
第五話 続・穴二つ
P.009 / P.010
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(前回までのあらすじ)
何らかのショックにより、現代から500年ほど未来の変貌してしまった時代
にタイムリスリップしてしまった相原は、王子ミハマの言葉を受け、元の時
代に帰りたいと願い、出来ることのために、動き始める。
中王の軍人であるはずのティアスが、オワリ国に現れ、怪我人として収容さ
れる。暗躍するテッキを後見に持つ彼女に、王子ミハマが興味を持った。
テツとティアスの仲を疑い、その確証が取れぬままアイハラは悩む。そんな
中、ティアスの正体がミハマ達にばれるが、ミハマは彼女に「力になれると
思う」と手を組むことを提案する。
しかし、アイハラはテッキの言葉を受け、護衛部隊に不信感を抱き始めてい
た。そして、この世界の支配者「中王」の存在にも。
(↓以下本文)
第五話 続・穴二つ
09
中王である「オトナシ」と、オレが同じコトを言っていると、サワダ議員は
言った。しかもこの人、それを楽しんでる。
いやいや、そんなことより、この人が言ってることが本当なら。仮に、中王
がオレと同じく「五百年前の世界」の話をするというのなら。
この世界を支配している男は、この時代の人間じゃないってことだ。何があっ
てこんなことに……。
「おもしろいな。あいつ、人が変わっただけかと思ってたけど。一人ではなく、
二人なら。その話を信じてみても良いかもね」
また一歩、彼はオレに近付く。多分、野生動物に目を付けられたら、こんな
気分なんだろう。この人にそれを感じるなんて、おかしな話だけど。元傭兵だっ
て言うサカキ元帥とかなら、判らないでもないけど。
オレに手が届きそうなところまで近付いたとき、ティアスが再びオレ達の間
に割っては入った。
「変わった?」
「そう、変わったんだ。あの中王の座で、退屈そうにしていただけのあの男が
ね」
「いつ?判らなかった……」
「君では判らないよ。君は、所詮あいつに拾われただけの女だ。鳥かごに閉じ
こめてる小鳥が泣き叫んでるくらいにしか思ってない。最初に気付いたのは、
カズキだったかな。オレの所に相談に来た」
また、知らない名前が出てきたぞ?それより、この隙にオレは逃げた方がい
いんだろうか。ティアスの部屋の前とはいえ、ここはオワリの王宮だ。この人
達、何つー怖い会話をしてるんだよ。それに、中王のスパイとかだって、そん
なこと知ってるのか?聞いてたらどうするんだよ?
オレの不安を察知してくれたのか、ティアスがちらっとオレに目配せする。
それをオレに立ち去れ、と言っていると判断して、そっと後ずさりする。
いや、無理。それ以上の存在が、影から見てる。オレにだけ判るように、壁
の隙間から、よく知ってる視線がオレを突き刺してきた。
ここにいろってこと?オレなんかいなくたって、イズミがこっそり覗いてる
なら、良いじゃんかよ。何でオレにここにいることを強制するんだよ。
「オレ達とすら、関わりを持とうとしなくなってきた。その代わり、酷く自分
勝手になった。そして、人に妙な期待をするようになった」
「期待?」
「例えば、あひるが成長して、白鳥にでもなってしまうような。そんな期待を
ね」
ティアスが唇を噛みしめ、次の台詞を必死に考えているのがよく判った。彼
女のプライドの高さは、彼の台詞を許さなかっただろうことも。
「……だから、あなたはオワリにいるのね。中央にいればいいようなものを。
その方が、あなたの息子さんも、いまよりずっと幸せなんじゃない?」
何を思って、ティアスはサワダのことを口にしたのか、彼女の背中からは判
らなかった。
「どうだろうね。あの子は、いまの状態を望んでいるし、それによって付随し
てくる不幸に甘んじている。君が気にすることではない」
「以前は、中央によく出入りしてたんでしょ?サカキ元帥に聞いたわ。それが
ここ何年かはちっとも出入りしなくなったって。私があそこに捕らわれてから
は、サカキ元帥達とだけ会って、オトナシの元へは顔も出さなくなった。随分
久しぶりだって聞いたけど」
「だから?」
「自分勝手になったオトナシに、見切りをつけたんじゃないかって」
「そんなことはないさ。ただ、それよりも大事なものが、オレにはずっと昔か
らあるだけだ。期待されなくなった分、彼との関係は随分楽になったよ」
サワダ議員の言ってることが、オレには全くもって判らん。彼は一体何を目
的に、彼女を、そしてオワリを振り回すのか。彼女の言うとおり、中央にいた
方が自然だ。何しろ、彼の昔の仲間とやらが、いまの中央の支配者達なのに。
何が楽しくて、こんな支配国の政治戦争を、自ら行ってるのか。
「……何で、この国にいるの?あなたがこの国にいて、良いとは思えないわ」
「ずいぶんな言い方だね。どこにいようと、オレの自由だ」
「あなたにはね。子供は、生まれる場所も、親も選べない」
生まれる場所を選べなかったのは、サワダだけじゃないはずだ。ミハマも、
イズミも、みんなそうだ。誰も選んでこの国にいないはずだ。
「辛辣だね。そんなに酷い親であるとは思ってないけど。君の親はそうだった
のかい?」
「知らない」
「そんなこと言われたら、親が泣くよ?」
「泣こうにも、戦争で死んでしまったから」
彼女の声に、全く揺らぎがなかったのが不思議だった。そして、自分の昔の
仲間がその戦争を引き起こしたんだと判ってるくせに、顔色一つ変えないサワ
ダ議員も。
オレは、彼女のことを知っているようで、何も知らないのかもしれない。彼
女の重い過去のことを、この世界に起きたことを、オレは何も知らない。知り
たくもない。
怖いよ。
「そんなところで何をしてる?」
オレの後ろに誰かを見つけたらしく、声をかけた。もしかしてイズミが見つ
かった?間抜けすぎるぞ?!つーか、それってますます修羅場じゃないか!?
「……テツ」
その名前に、ティアスも振り向いた。すぐに目の前のサワダ父の方へむき直
したけど。
イズミが見つかるよりはましな気がするけど、修羅場が待っていることには
変わりない。つーか、何つータイミングで出てくるんだよ、サワダのヤツ。オ
レは姿を見たくもなかった。こちらを振り向いた時の彼女の泣きそうな顔を思
い浮かべたまま、必死で彼女の後頭部を見つめていた。
いままで聞こえなかった彼の足音が聞こえ始め、少しずつ近付いてきたのが
判る。一体、彼はいつ頃からここにいたのか。
「いえ、たまたま通りかかっただけですから」
振り向きもしなかったオレの背中を、彼は軽く叩き、ティアスの横に立った。
悔しいけど、少しだけ楽になってしまった。
「また、今度って所だな。ぜひ頼むよ、アイハラくん」
「……や」
「一緒に、中王の元へ」
蚊の泣くようなオレの声ですら、容赦なく叩きつぶすといった感じの強い口
調と視線を残し、彼は立ち去った。息子から逃げたようにも見えたけれど。
「……いつから?なんで?いたにしても、影で見てればいいのに」
彼を責めるように、彼女は彼を睨み付け、立て続けに質問をする。彼は一瞬、
オレの様子を伺ったようにも見えた。
躊躇しながら、彼は彼女に手を伸ばす。右手で彼女の肩に触れ、撫でるよう
に首筋にも触れ、頬に手を当てた。
「そんな泣きそうな顔で強がられても、説得力ねえし」
文句の一つも言ってやりたかったけど。サワダの台詞の方がよっぽど強がっ
てるように聞こえて、笑顔がやっぱり儚すぎて、何も言えなかった。
「オレのこととか、関係ないのに。生まれる場所を選べなかったのは、お前も
一緒なのに」
「でも、私は後悔してない」
「歯を食いしばりすぎると、血が滲むだけだ」
「それはテッちゃんのことだと思うけどねー」
突然隣に現れ、サワダの頭を軽く小突くイズミに、彼も彼女も声が出ないく
らい驚いていた。
あれ?てっきりサワダもティアスも、イズミの存在に気付いているもんだと
思ってたけど。知らなかったってこと?珍しくない?
「い、いつからいた?!お前!?ティアス、お前は気付いてなかったのかよ、
コイツに!」
「だって……」
何、その反応。何でそんな恥ずかしそうにしてるかな。真っ赤になりながら
おたおたする二人は、微笑ましいっつーより不愉快!あからさまに怪しいし!
なにこの二人の関係!
そして、何故か二人揃ってオレを見る。
「何だよ。……ティアスもサワダも、オレ、何か悪いコトしたか?どっちかっ
つーと、お前らの方が……」
「そのためにアイハラを!?」
あれ、オレのせいみたいな言われ方。
「テッちゃん、詳しく話そうか。オレ、ティアちゃんとテッちゃんにいろいろ
聞きたいことあるんだよね。午後の話し合いまで時間もあるし」
「ミハマにそう言われてるんだから、それまで待てばいいだろうが。ちゃんと
いうこと聞いとけ」
「いや、状況把握しとかないとさ。ね?」
逃げようとしたティアスの肩を掴む。魔物より怖い。
「関係ないだろうが。それに、コイツの状況は父の話でだいぶ判っただろう
が?」
「だね。状況は……だけど」
彼女の肩を掴む手を、彼は離さなかった。
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次号は・・・
スイッチ(モラトリアムを選ぶと言うこと)続・序章 第五話(全七話)
P.010 / P.010
vol.110 は2007年2月4日発行です。お楽しみに!
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現在このお話と対になる学園ものシリーズを携帯でお送りしています。
そちらもぜひご覧ください。
http://mini.mag2.com/pc/m/M0056277.html
mobile wing of fragment http://shosetsu.uijin.com/
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あとがき
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年に何度も行けるわけではないボードに、持って生まれた運動神経の悪さが
災いして、マイシーズンごとにおさらいから始めます。
おかげでちっとも次のステップに勧めないまま、体力不足によりダウンして
帰ってくる始末。
転職と引越のメールがたまっているのを見て、さらにへこんだり。
(仕事のメールは良いのか)
それでも今シーズン、あと何度かは行きたいですね。
では前回に引き続き、近況報告+お詫びでございます。
私事で大変恐縮ですが、今現在、実は転職活動中でばたばたしてます。(spits
の更新が停滞しているのもそのため)時間の流れが多少ゆっくりになってし
まいますが、今しばらくの間、ご理解いただければ幸いです。
以下も是非、ご覧くださいませ。
「小説家になろう」
天に向かって唾を吐け! http://ncode.syosetu.com/n7361a/
switch【モラトリアムを選ぶと言うこと】http://ncode.syosetu.com/n2034b/
今号も、お読みいただきありがとうございました。
また次号もおつきあいください。
作倉エリナ
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出┃逢┃い┃は┃こ┃こ┃か┃ら┃!┃ 全国の独身会員の中から
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