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【PUBLICITY】1748:希望の関係論4〜「よそ」の話
発行日: 2008/6/3
■■メールマガジン「PUBLICITY」No.1748 2008/06/03火■■
▼痛さ加減の、おっと、板坂元の名言に、「三枚主義」っての
がある。文章を読むときは400字詰め原稿用紙3枚分がちょ
うど読みやすいから、書く方は3枚くらいずつをひとかたまり
にしてどんどんつなげていったらよかろう、という話である。
実際に、板坂元の文章の多くはこの三枚主義で書かれていて、
実際に、すこぶる読みやすい。気が向いた時には1200字前
後で収めるようにしてみようと思うんだが、まあこれがうまく
いかないんですよ。
前号も、加藤周一まわりのことで終わるとは思いも寄らなかっ
たのだが、と、書いてる今号も既に10行目。本誌の体裁は4
3行分でちょうど1200字を超えるので、既に4分の1にな
る。やれやれ。
▼と、やっと本題に入るがおそらく今号は引用で終わりますナ。
2008年1月6日付朝日新聞で、加藤周一は次のように語っ
ている。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
儒教的家族主義の破綻は介護保険だけでなく、社会のいろいろ
なところに現れている。だから介護保険が世界に自慢できるこ
と、希望の旗といえるのかどうか、私にはわからない。
ただ、家族に頼らない介護が達成できれば、大いに国民を引っ
張る旗印になるし、世界に向けて発信できる一つの価値観にな
ると思う。
仏教も儒教もキリスト教も信じない、でも有効に機能する社会
秩序を作り出すことが可能だ、と。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
もう一つ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(儒教的価値観は)45年(=ポツダム宣言を受諾した昭和2
0年)に滅んでしまい、そのあとには何もない。儒教の代わり
に対応したのが集団主義だ。
その集団主義が崩れたら、社会は危なくなるだろう。その時、
どうするか。この問題をうまく解ければ、これからの大きな希
望になる。(中略)
希望なしとはいえない。希望があるともいえない。「ある」と
言いたいが、「証拠は」といわれるとつらい。そういう時代だ
と思う。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
▼ここでも毎日の高橋・雨宮対談と同じく、「希望」がテーマ
になっている。希望の核は「家族に頼らない介護」だ。人間は
家族以外に子育てを頼む生きものであるから(最近はアヤシイ
が)、老後を家族以外に頼むのも実に人間的な営みだといえる。
人間的ってなんだろう。
「集団主義」が崩れて、都市部では、人間関係がまるで「液状
化現象」になっている。互いに必要以上に無関心で(っておか
しな表現だね)、砂、砂、砂。バランスが崩れたら、というよ
りも何かの拍子で一挙に雪崩れる。「勝ち馬」に乗る。ぐわん
ぐわん振り切って、緩衝材がない感じ。
▼ところで最近、「よそ」という表現が使われなくなった。と
思いません? 「よそ」を意識することが減った、というか。
まー、お嬢ちゃん、「よそいき」の服着せてもらって、とか。
もう、「よそさま」のうちで、変なことしちゃだめよ、とか。
「お余所」って言い方も、これまで耳にしてきたような気がす
る。あたしゃ使いませんけどね。
「よそ」は「余所」で「他所」だが、使う感覚として、完全な
「外部」ではない。まず「うち」があって、たとえば町内があ
って、「よそ」は、ちょっと遠くへ行く感じ。電車でバスで、
タクシーで、百貨店とか、ちょっといいレストランとか、親戚
の結婚式とか。
「余所者」という言い方でさえ、その余所者は、「この余所者
め」と言ってる人間の【視野に直接入っている感覚】がある。
「よそ」は、「内部」と「外部」との中間。これ、ぼくだけの
感覚かね。
以前よりも「よそ」が使われなくなった、感じられなくなった
社会には、それだけ時間・空間の公共性が乏しくなっている、
という仮説、立つんじゃなかろうか。
「家族に頼らない介護」の問題は、つまりは時間・空間の公共
性の問題ではないだろうか。と、案の定また1200字をオー
バーしてしまった。希望は「よそ」にあるのではないかという
話、続きは次号で。
freespeech21@yahoo.co.jp
http://www.emaga.com/info/7777.html
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