【PUBLICITY】1717:「蜩の 最後の声の 遠ざかる」〜「ちりとてちん讃」四
発行日時: 2008/2/18
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蜩の 最後の声の 遠ざかる
稲畑汀子
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■■メールマガジン「PUBLICITY」No.1717 2008/02/18月■■
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(渡瀬恒彦演じる)草若:蝉の命は、一週間、いいますなあ。
(しばらくの間)…こわいこわい。
(和久井映見演じる糸子、怪訝な表情)
草若:(ひぐらしは)「かなかなかな」、やのうて、「こわい
こわいこわい」、て鳴いてんのかも知れまへんなあ。「生きて
んのがこわい」、て。
糸子:(しばらくの間)「生きていたい」、いう意味ですか?
草若:(微笑みながら)はいそうです。
「ちりとてちん」2008年2月1日、第102回
第18週「思えば遠くへすったもんだ」
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▼草若の「はいそうです」の言い方が、上手いんだなあこれが
。まいったなあ、蜩(ひぐらし)の鳴き声が、沁みたなあ。
「ちりとてちん」を観て、まいってばっかりだが、この草若の
セリフにまいった。蝉の命は短くて、こわい、と言えば、「死
ぬのがこわい」となりそうだが、そうではなかった。
余命わずかの草若は、【生きるのがこわい】と言う。いのちは
あまりに短くて、いったいどう生きたらいいのかわからないの
だ。だからこそ、生きていたい。
草若自身は、「生きていたい」とは言っていない。「生きるの
がこわい」としか言っていない。こんなとんでもないセリフを
受け止める、和久井映見の演技もまた素晴らしい。
糸子「なんかやっとらんとこわいさけ、そねぃ次々に動きまわ
ってんやな」
草若「陽気なお囃子に送られて、地獄までの道中、笑うて、歩
きたいんです。そやさかい、思い残すことのあらへんようにし
たいんです」
そして「若狭、おれを、笑わしてくれ。お前の創作落語でおれ
を、笑わしてくれ」(2月7日)
叶わぬ願い。どっぱー(←涙腺が決壊した音)
▼次の週は、「立つ鳥あとを笑わす」。いいタイトルだった。
▼あと1カ月ちょっと、どうなるんでやんしょ。登場人物の中
で不本意なことになってるのが、A子と、塗り箸工場の経営と
、小草若。だから、この3つが話の転換点になると思うんだよ
ねえ(おっと、一応これ、ネタバレのつもりではないですから
ね。推測です、推測)。
つまり、若狭自身の問題(A子)、徒然亭一門の問題(小草若
)、そして小浜の実家(工場)と、主要舞台全てに山場が残っ
ていることになる。
これまで観てきて、藤本有紀がラストまで完璧に想定して脚本
を書いていることはわかっているのだが、それにしても驚きの
完成度の高さだ。
個人的には、小さい草若、小草若が、めきめき実力をつけて遂
に草若の名を継ぐって展開が観てみたい。やっぱりぼくは、「
再生」の物語が好きみたいだ。「ハゲタカ」にしろ、「グラデ
ィエーター」にしろ、何にしろ。「ちりとてちん」も、根本は
少女の成長物語だが、草若の「再生」の物語だった。
▼あと、忘れないうちに書いておくのだが、回想のなかで、喜
代美が初めて草若に会う前に、朱の「鳥居をくぐる」場面があ
った。このころはまだ観てなかったから知らなかったのだが、
もし「鳥居」→「師(=おじいちゃん)との出会い」という時
系列だったのなら、鳥居は、大阪での弟子入り修行や「寝床」
での空間は、すべて幻であることの符丁として受け取る事がで
きる。
つまりは、夢なのだ、と。こんなに愛おしい世界は、もう現実
にはあり得ないのだと。藤山寛美はもう居ないのだと。「書い
てる私はわかってるんですよ」と。もしもそうなら、本当にな
にからなにまで周到に仕組まれたドラマだということになる。
▼ところで、2月5日の「スタジオパークからこんにちは」に
、「篤姫」の番宣で女優の佐々木すみ江が出ていたが、番組の
途中で、なんと「ちりとてちん」を絶讃していた。聞き手の天
然“KY”アナウンサー武内陶子もがっちり便乗。
「篤姫」の番宣で出ていて、いくら同じNHKだからといって
他のドラマの宣伝をするかね。一種異様な盛り上がりだった。
佐々木すみ江は「渡瀬(わたせ)」を、どうもお兄ちゃんの「
渡(わたり)」と間違えていたようだがご愛嬌。やはり「ちり
とてちん」は歴史に残るドラマになりますナ。大阪で行われた
超異例のファン感謝祭も大成功だったようで。
おっと「篤姫」もなかなか面白いんすよ。宮崎あおいが異様な
可愛さ全開である。「17にございます」。うひゃ〜!(殴)
そしてお母ちゃん役は樋口可南子。むふふ。みんな、いい映画
出演があったらいいのにナ。
freespeech21@yahoo.co.jp
http://www.emaga.com/info/7777.html
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