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【PUBLICITY】1710:円借款とは〜『国益奪還』から

発行日時: 2008/2/6

 
 
■■メールマガジン「PUBLICITY」No.1710 2008/01/31木■■


▼2月2日夜にテレビ朝日で「特命係長 只野仁」のスペシャ
ルをやるそうだが、上質のエンタテインメントを求める人には
「必見である」、とだけ言っておこう。まだ観てないけど(ダ
メじゃん)。

でも、夜9時からの放映で、あのモザイクかかりまくりの(お
っと、よからぬことを想像しちゃいけませんぜ旦那)、お馴染
みのお色気シーンをちゃんと出してくれるのかなあ。

初めて高橋克典の「ふんふんふん」を聞いたときには爆笑して
しまった。汗だくの三浦理恵子がカワイイんだなこれが(なに
よもー! 殴)。でも、キャストをみると、スペシャルには三
浦理恵子は出ないみたい。いやーん。


▼ということで、前号の続き(どういうことだよ!)。『国益
奪還』から、日本が妬まれた理由について。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
日本の開発援助政策は他国と比べてどこが違ったのか。何が他
の先進諸国の逆鱗に触れたのか。

日本政府は、日本の開発援助政策が他の先進諸国のそれと大き
く異なることは重々承知していた。しかも、そのことに誇りを
持ち続けてきた。

日本の開発援助政策の特徴について日本政府自身がまとめた近
年の例としては、2005年6月30日に発表された、経済産
業省産業構造審議会経済協力小委員会中間とりまとめ(以下「
2005年経済産業省報告書」)がある。ここでは、簡潔に、
以下のようにまとめられている。

第1に、資金形態が、借款中心であること。なお、円建であっ
たことから日本の借款は、円借款と呼ばれる。

第2に、対象セクターが、経済セクター中心であること。

第3に、対象地域が、アジア中心であること。

すなわち、アジアの経済セクターに大量の借款を投入すること
を、「ジャパンODAモデル」と呼んでいる。

経済セクターに大量の借款を投入することが、他国の猛烈な反
発を生み、日本にそれを止めさせるためにOECDアレンジメ
ントにおけるたび重なる「日本叩き」規制の提案が行われ、日
本はそれに6度にわたって敗北を続けてきたのであった。

しかしながら「2005年経済産業省報告書」は、それでもな
お「ジャパンODAモデル」の有効性を正面から主張したもの
であり、大変意欲的であり、頭が下がる。

経済産業省が「ジャパンODAモデル」の有効性の論拠として
いるのは、アジアとアフリカとの対比である。曰く、1970
年代初頭においては、今日では想像もできないことながら、主
なアフリカ諸国とアジア諸国とでは一人あたり所得はほぼ同額
であった。

かつ、その後30年間にアフリカ地域とアジア地域とが受け取
ったODA総額は、これもほぼ同額であった。にもかかわらず
、今日のアジアとアフリカの状態の差は、言をまたない。

すなわち、円借款による潤沢な資金をインフラを中心とする経
済セクターに投入したことこそがアジアの成功を導いたと日本
政府は胸を張って主張している。

一方、自国企業のアジアへの輸出機会が奪われていることを理
由に日本にその円借款供与を止めさせることが、他の先進諸国
の基本的な戦略であった。

OECDにおける6度の「敗北」によって、一歩、また一歩と
日本は開発援助政策の自由度を奪われてきたのである。日本の
開発援助政策は「アジアの成功を導いたこんなにも素晴らしい
ものである」にもかかわらずである。

繰り返す。円借款は確かにアジアの発展途上国の経済社会開発
に絶大な貢献を果たし、発展途上国の多くからは大変感謝され
ている。

しかし我々日本人は、発展途上国の人々に感謝されたことに喜
んでばかりいてはならなかったのだ。発展途上国からの大きな
感謝と同時に、一方でその行為によって他の先進諸国からは深
い恨みを買っていたからである。

日本が、独特の開発援助政策によってアジアの成功を主導した
ことは、他の先進諸国からすれば、よくやったと褒め称えるよ
うなことではなく、妬みの種以外の何物でもない。それが国際
社会であり、そのことを十分理解し、それに対して十分な備え
をすることが筆者の主張する現実論的思考なのである。

p43−4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


▼なるほどねえ。アジアとアフリカの対比とか面白い。でも、
かといって妬まれるほどの成功を収めた円借款は、「発展途上
国の経済社会開発に最も有効な方法とは何かを理論的に追求し
た結果に考案された」制度なわけではない。そうではなくて、

「高度経済成長も軌道に乗る前、人道主義などと言って他国を
開発援助している場合ではなく自分の国の建て直しが最優先事
項であった時期に、輸出振興による国益の獲得を目的として強
引に開発援助政策を開始することとした際、試行錯誤の結果生
み出された制度こそが円借款なのである」とのこと(p45)。

実に面白い。「裏プロジェクトX」がつくれそうな話だ。「裏
プロジェクトX」、けっこういっぱいあると思うんだよなあ。
憲法誕生のドラマはいっぱいあるが、この「円借款の成功と外
圧」とか、「原発開発時の、役人のアメリカ派遣」とか、「沖
縄返還密約」とか、「思いやり予算の誕生」とか、「プラザ合
意の交渉」とか、「北方領土返還交渉」とか、「トロン」の話
とか。とかとかとか。

得意な「ものづくり」でなく、主に外交交渉の話ね。失態、損
失を論(あげつら)いたいのではなく、失敗もあり、成功もあ
りの、悲喜こもごものドラマを知りたい。一つの事象を、複層
的に観るようなルポ。複層的に観ること、考えることが大事な
んだと、観る者に痛感させるようなドキュメンタリー、心と意
識の物語を。

あ、脱線しちゃった。と、ここで6kb。

しかし、こうやって久しぶりに引用を多くしてみると、これま
で如何に長大なものを発信していたかわかる。あれじゃあ読む
人も少ないわなあ。反省反省ですよ。


freespeech21@yahoo.co.jp
http://www.emaga.com/info/7777.html
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