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格闘技の源流

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太田章の【格闘技の源流】vol.5

発行日: 2007/6/28

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太田章の【格闘技の源流】
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 http://genkina-atelier.com/lutte/
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格闘技大好きな皆さん!こんにちは、太田章です。
 今回は、2006年1月に光文社VSに掲載された文章の生原稿をお届けします。
 それは私が初めてプロ総合格闘技の世界に送り込んだタカクノウという一人
の男の物語です。
 そのタカクノウは、明日、両国国技館で行われる闘今ボンバイエ(アントニ
オ猪木氏主催)に参戦します。
 これまでDEEPでは彼の持ち味である関節技を十分に見せることができて
いませんが、明日は存分に見せてくれることと信じています。
 明日にならないと誰と対戦するかも分らないという猪木イズム溢れる大会で
すが、私はとても楽しみにしております。
 この試合に勝って、夏の終わりにはタカを連れてモンゴルに行きたいもので
あります。格闘技の源流ツアー第一弾 モンゴルの旅も、まもなく締切です。
皆さんのご参加をお待ちしております。

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第五話 タカクノウと私 〜総合格闘技への道〜

 タカクノウと知り合ったのは、今からほぼ1年半前、ロサンゼルスのある空
手道場であった。私はそこで、「レスリングセミナー」をすることになってい
た。空手を学ぶ人々にレスリングの基礎訓練を施すために招かれたのだ。

 道場に着くと、一人の男が近づいてきた。鍛え上げられた体躯は純白の柔道
着の上からもはっきりと分かった。剃りあげた髪に刻まれた三本の剃りこみが
強面をさらに威圧的に見せていた。私は身構えた。

 「久能孝徳と申します。こちらで『柔道』を教えております。お会いできて
光栄です」一礼の後、強面は笑顔の清々しい男になっていた。その男こそタカ
クノウ。木村政彦以来、五十年ぶりに黒帯柔術家からタップを奪った男だった。

 聞けば、既に十四年間も米国に滞在しているという。「来年日本に帰ります。
武道を窮めたいと思っております」タカが別れ際にそう言った。

 今春、タカは帰国し、約束どおり私が早稲田大学で開いている「社会人のた
めのレスリング講座」(俗称、社レス)に顔を出した。タカは中学から柔道を
始め、国士舘高校柔道部で柔道を鍛えたが、その後、自衛隊でレスリングにも
励んでいた。社レスの参加者もそれなりのレスラーだし、中にはアマチュアの
総合格闘家もいるが、誰一人、レスリングでタカに敵うものはいなかった。

 何度かタカが社レスを訪ねてくれ、彼の練習ぶりを見ているうちに、彼なら
プロ総合格闘技界でもやっていけるのではないかと思うようになった。レスラ
ーとして基礎体力が抜群な上に、柔道の延長線上で習得した柔術にも長けてい
たからだ。

 そして私が最も動かされていたのは、彼の礼儀正しさ、謙虚さだった。今の
日本人が忘れてしまった大切なものを彼はきちんと持っていた。

 私の思いをタカに伝えると、彼は「やらせてもらいます」と即答した。とて
も暑い日だった。巷では世界水泳日本活躍の話題で持切だった。7月27日、「チ
ーム太田章」が小さな産声をあげた。

 「チーム太田章」といっても、私に出来るのはタカのスパーリングパートナ
ーとなって、私のレスリング全てを伝授することだけだ。タカの強靭な締めで
私の肋骨が何度か折れた。

 K1かプライドでの年内デビューを前提に、団体にアプローチも始めたが、
スムーズに事が運んだわけではない。当初は年齢がネックになるとは思っても
いなかった。タカは今38歳だが、身体能力は28歳だったからだ。

 「米国では年齢で人を判断しないけど」とタカは溜息をついた。ともかく見
ていただければと、高田延彦氏にお願いし、高田道場でのスパーリングに挑ん
だ。9月も終わりに近づいていた。PRIDE参戦中の選手とも対等に闘うタカに高
田道場での練習の許可が出た。

 デビュー戦は、それから1ヶ月ほどして決まった。PRIDEではなく、DEEPとい
う団体でのステージが用意された。当初、PRIDE、K1という最高峰を狙ってい
たので、タカのモチベーションが心配だったが、高田氏の導きもあり、「いた
だいた舞台で頑張ります」と言ってくれた。

 いざ参戦が決まると、打撃戦への不安があった。米倉会長の計らいで、ヨネ
クラボクシングジムで稽古をつけてもらえることになった。11月8日、ジムを
訪れた日のことは忘れられない。数々の世界チャンプを生み出したその伝統あ
る日本家屋のジムの佇まい。来る者を拒まない大きさ。タカは伸び伸びとボク
シングの基礎を学び、「打撃の軸が見えてきました」と言った。

 12月2日、タカクノウは後楽園のリングに立った。佐々木有生とのデビュー戦
は1回2分20秒TKOの敗北に終わった。しかし、彼の挑戦は、今、始まったばかり
である。タカのバックボーンは柔道とレスリングである。総合格闘技への挑戦の
中で、その源流がタカを導く先を見守りたい。それが、かつてタカが語った「武
道を窮めたい」ということなのだろう。

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 本書は2006年1月に書かれました。本誌の無断転載転用は禁止されております。
 copyright(C)2007,Genki na Atelier
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 太田章と行く「格闘技の源流」ツアー 第1回 モンゴルの旅
 http://genkina-atelier.com/ota_tour/

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【ツアーのポイント!】

1)太田章とともにミニナーダム(弓、馬、相撲の祭典)を観戦。

2)太田章と語る夕べ「格闘技の源流」に参加。

3)大草原テレルジでの「ゲル」宿泊体験。ツーリスト用のゲルです。

4)太田章直筆サイン入り「レスリング式エクササイズ」太田章著をプレゼント。

5)太田章とともにレスリング・フィットネスを現地レスリング道場で体験。

6)「チンギス・ハン800年目の帰還」騎馬隊イベント観賞

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