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審査部10年を始め、金融庁検査経験二回、審査システムを知り尽くし、多くの企業・経営者を見てきた元銀行員が借入のノウハウ、法人決算書の評価の仕方や交渉術、借入以外の資金調達の他、
成長・停滞の中小企業の違い、企業・経営者が抱える課題解決のヒントなどをお届けします。




 ”金融経営研究所情報” NO.54号不動産融資の警告解除を

発行日: 2008/7/21

こんにちは 利究です。
いつもご愛読ありがとうございました。

私は企業コンサルタントとして企業経営に関わっています。財務対策
や事業の再構築(事業再生という言葉は私個人としては、再び生まれる
(生まれ変わる)という状況は相当の痛みを伴うので、黄色信号が
灯ったら、早めに相談、具体的な改善策に着手したいと思っています。

先日、メールで拙書を読んだ同業の方を始めとして、数人の方から
金融庁検査も含めた内容が書かれている本に初めて出会ったなど、
お褒めと激励の有難い言葉をいただきました。営業店の融資担当者の
経験だけでは、書けることの限界があるとも書かれていました。

実際、審査部で自己査定のマニュアル作りや金融庁の検査担当などの
経験なしには、本当の裏事情は聞いただけでなく、体験しないと書け
ないとの言葉もいただきました。

現場(営業店)と本部は全く業務の質が違います。個人的には少しでも
支持してくれる人たちのために情報発信や本の刊行を続けて行きたいと
志を新たにした次第です。

20数年に渡り2つの銀行などで10年強の審査部、通算20年融資・
審査担当、金融庁検査立会いを2つの別の金融機関でした経験を、
中小企業の倒産を一件でも減らすことやお役立ち情報をお届けしたい
思っています。

中小企業経営者や財務(経理)担当に、少しでも銀行情報や金融情勢を
お届けしたいと思っています。

話は変わりますが、アメリカと中国がちょっと心配です。
アメリカの金融不安の再燃、底の見えない住宅市況、雇用、消費

中国といえば、オリンピック間近だというのにどうも盛り上がりに
欠けるようです。
日本人の中国の旅行者は前年比80%以上のマイナスです。
オリンピック期間も同様です。競技会場での「日の丸」の旗は減って
しまうのでしょうか?

【今週のテーマ】        第54号               2008/07/21

“不動産融資の警告解除を”
 
昨年4月金融庁から不動産融資に関する警告が出されてから、
銀行の不動産融資が極めて慎重になりました。
これに重ねて改正貸金業法の影響により、融資が出ないという
「信用収縮」に陥っています。特に間接金融(銀行融資)に依存して
いる中小企業は死活問題です。

信用保証協会も「責任共有制度」が昨年から始まりました。
基本的に20%は金融機関責任になりました。そのため保証協会が
保証を承諾しても金融機関が貸さないケースが出てきたようです。

どうも全て中小企業にとってメリットのある政策は皆無といっていい
と思います。

不動産担保ローンの会社でも、決算書、申告書を要求するようになり
ました。あまり意味のない書類です。不動産の価値(評価)を以って
審査基準にしてきた会社です。ナンセンスとしかいいようがありません。

けれど資金使途に柔軟な不動産担保ローンはバブル崩壊以後大きな役割
を果たしてきました。でもそこに銀行から融資が出ないので、
不動産担保ローンも審査が厳しくなりました。住宅ローンも審査が厳しく
なったとの声を不動産業の方からお聞きすることもあります。住宅ローン
が出なけりゃマンションも買いたくても買えませんよね。

マンションも売れず、中堅以下のマンション業者はどんどん倒産して
います。マンション需要にしても潜在需要はあると思われます。
資金の供給がないですから、景気低迷に拍車を駆けていることも否定
できないと思います。
ここで金融庁が「不動産融資に対する警告解除」をして、不動産融資が
再開されれば、地価の下落は止まらないまでも、一定の効果はあると
思います。
 
 それと貸金業法の改正は多重債務者を減らすという目的の元に金利
の一元化や消費者融資の年収の3分の1ルールなどが行われました。

消費者金融の金利はかつては44%くらいのものが、今の金利に
29.2%へ下がったのです。
では、その時はこれ程問題が何故顕在化しなかったのでしょう。
日本経済の状態とグレーゾーン金利の過払い請求が大きな違いだと
思います。

かつて定期預金金利7.75%位の頃がありました。もし金利上昇が
生じたとき、100万円以上の上限金利15%で果たしてリスクに応じた
金利を取るのに十分な金利なのでしょうか?
仮定とはいえ、かって日本で実際に合った預金金利です。今の世界の中
でも10%前後の金利の国はあります。

そして見逃されているのが「連帯保証人」です。
何ら改正が行われていないのが現実です。不合理です。
「連帯保証人」についての、一定の年収と資産を勘案した金額の限度ルール
は、「何故問題とされなかったのか?」

債務者が仮に自己破産しても別除権ということで、保証責任は残るのです。
ですから親族や友人に保証人になってもらった人が自分だけ破産もできず、
路上生活者になるという話も聞きます。
 
連帯保証人は債務者と違い何ら利益を受け取っていないのに、責任は
ほとんど債務者と同等です。根保証については法改正済みですが、

連帯保証人問題の本質的な解決には至っていない状況です。
逆に多重債務者問題は自分で使ったお金。

連帯保証人は突然、金融機関からの請求に見舞われます。
突然、多重債務者になってしまうことがあるのです。

是非、ここに手をつけてほしいと思います。


日銀総裁はスタグフレーションを否定しましたが、見方が甘いのでは
ではないでしょうか?一般的な解釈から行けば、不況時の物価上昇の
傾向は明らかに進んでいると思うのですが・・・

私の携帯メールには、大型倒産情報が配信されます。最近はほぼ毎日
のようにメールがなります。
中堅企業の倒産は、特に地方の場合は相当大きな影響を及ぼすことは
否めません。雇用の問題にも直結します。

また、今の政府は経済対策の話がありません。これだけ原油・食料が
上がり、格差社会の問題も相俟って早めに手を打たないと、重い風邪
になってからでは、治療に時間と費用がかかります。


『今週の雑感』

18日、旧日本長期信用銀行の最高裁判決は「逆転無罪判決」となり
ました。時効の壁と会計ルール変更の端境期にあったことが無罪の
理由のようです。

確かにバブル期に多くの不良債権を作った当時の方々は時効の壁に
阻まれ、最後の頭取だけが責任を問われる形になったことはあるかも
知れないが、最高責任者になることは歴史も含めて背負うことでは
ないのかと問いたくなる。

長銀の不良債権隠しや被害を受けた投資家に対する責任は道義的にも
社会的立場や金融人としても決して許されるものではないと思う。

また、多くの税金投入も忘れてはいけない。
個人的には、結局誰も責任を問わずに国策銀行の破綻は幕を閉じる
ことに疑問を感じざるを得ない。


www.rikyu-cs.ecnet.jp  s440723@sirius.ocn.ne.jp

 セミナー依頼、原稿執筆など上記にホームページ宛にご連絡下さい。
メールでは書けない銀行サイドの考え方、自分の会社を守る方法などの話。
銀行との交渉方法、金融全般・中小企業経営など、少しの悩みでも
風邪と一緒で早めの手当てが必要だと思います。お気軽にご連絡下さい。
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拙書「銀行に冷たくされたときの実践交渉術」(須藤利究著)文芸者刊
に銀行サイドの決算書の見方やその対応策、経営者としての心構え、
担保や融資の新しい流れなども紹介しております。
是非ご参考にしていただければ幸いです。
「金融新時代の再生術」に一部登場&「銀行の決算書の見方」などが紹介
されています。是非興味のある方そちらも一度ご覧下さい。
そのほかに上級ファイナンシャルプランナー、宅建取引主任、
マンション管理業務主任者などの資格のほか、金融業務に必要な
法務・税務・登記知識・労働法・保険など中小企業経営者の経営上
に生じる多くの相談や経営判断の助言など中小企業ドクターと
活動しています。もちろんバックグランドには弁護士、税理士、
司法書士などとのネットワークを持っております。
金融機関の考え方が分からない、最近融資を断られた、
態度が冷いなどと感じられた方は、是非2期の決算書を
見させていただければ、もやもやも解決すると思います。(利究)
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為になります。日時:2008年7月21日


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