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『施設長の資格』〜障害者施設の舵取り指南

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『施設長の資格』〜障害者施設の舵取り指南 第48号

発行日: 2008/2/3

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 ■■『施設長の資格』■■ 〜障害者施設の舵取り指南〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.48  2008/02/03


今回もご購読ありがとうございます。



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★★☆ 本日の内容 ☆★★
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本日の内容は

1「工賃ステップアップ事業」事業報告書 珠玉のヒント8

2 障害者自立支援法の今後をちょっと考える

3 今後の講演会・セミナーのお知らせ です。 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★★「工賃ステップアップ事業」事業報告書 珠玉のヒント8 ★★
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平成18年度国庫補助事業・障害者自立支援法調査研究プロジェクト
「工賃ステップアップ事業」の事業完了報告書が全国社会福祉協議会・
全国社会就労センター協議会(セルプ協)から発表されました。

全国6ヶ所の授産施設がモデル事業実施施設となり、セルプ協が事業
推進委員会を組織してこの事業の推進を図ったものです。

この報告書の中にちりばめられた珠玉のヒントの紹介シリーズの8回
目です。

コンサルタントが、福祉関係者以外の視点で授産施設に実際に入って
その状況などについて感じたことを問題提起したことのまとめに今回
も耳を傾けたいと思います。



▽▽▽ ここから引用 ▽▽▽

[研修の必要性、第三者による評価]

●「障害者の職業能力」を向上に導くための施設内研修や「障害者の
日常的職業技能訓練プログラム」(OJT計画、訓練計画)がほとんど
見られず、また職員のそういった努力や技能を査定する仕組みもない。

●第三者機関による施設および施設職員の能力評価とその能力資格認
定制度をつくることも検討すべき時期だと思われる(職員の自己育成
努力が報われる仕組みづくり)。

●障害者側から見て、施設の職業訓練カリキュラムやその指導能力を
測る基準が示されていないため、入所先を自ら選定することがほとん
ど不可能。

●施設職員の段階的研修プログラムと評価システムの導入(努力が報
われる制度)。

●運営方針づくりには第三者コンサルティングの導入が必要。


[企業から見た授産施設]

●今回の事業を通じて、障害者の活用についての一般企業の理解が少
ないことが理解できた。

●障害者福祉施設は一般企業人にとって閉鎖的な印象を受け、職業訓
練的な業務を担っていることの理解が進んでいない。



△△△ ここまで引用 △△△


上記はコンサルタントが実際に授産施設の現場を見て感じたことがま
とめられているわけですが、今回もなかなか手厳しい感じがします。

私が勤務する施設で、昨2日「研究研修会」を開催しました。外部講
師を招いたり施設長や職員が研究の成果を発表したりする会です。人
間理解のための新しい切り口を求める、というのがこの研究研修会の
コンセプトです。

この施設はISO9001の認証を受けているのですが、このISO
の実質的な推進役になっているCOO(事業推進本部長)が、経営理
念を実現するISO9001:2000導入ガイド、というテーマで
研究発表をしました。この研究発表の最後で、是正処置が適正に機能
していない要因の検討結果を披露しました。

4つあげられた要因のなかに「対策として、教育・訓練をするだけで
は十分でないケースが多い」「対策に教育訓練を用いる場合の検証ポ
イント……これまでに教育訓練を行ってきたのか、これまでの教育訓
練は適切だったか、教材・指導者(講師)・教育方法は適切だったか、
教育訓練の成果(有効性)は評価できるか」があり、とくに教育訓練
に関するプロセスの責任者は私でしたので、反省することしきりでし
た。

職員の教育訓練は間違いなく施設長の仕事です。

ただしその前にもっと重要なことがあります。日本の社会福祉施設は
そのほとんどが中小零細企業です。となればトップでその業績の9割
が決まるのです。施設の教育訓練の9割は「施設長」に向けられたも
のであるべきです。もっとはっきり言えば施設の教育訓練の予算の9
割は施設長に向けられるべきです。

そして組織の教育予算の9割を使って勉強した施設長だけが、自分の
組織の職員教育には何が必要なのかが初めてわかるようになるのです。

このような勉強をしたことがない施設長が、職員教育に費用をかけた
ところで効果があまり上がりません。なぜなら、教育訓練の成果・有
効性の評価ができないからです。施設長自身が研修に参加してこれは
と思う講師に出会って、その講師を施設に招いて、ということを繰り
返すことで、職員教育の効果が上がるのです。

「職員の意識改革」という言葉がありますが、職員には意識改革は必
要ではありません。意識改革が必要なのは施設長だけです。職員に必
要なのは、トップである施設長との意識統一です。そのために施設長
に必要なのは職員とのコミュニケーション能力(あるいは自身の思念
のコミット能力)なのです。組織の力がいちばん発揮できているのは
施設長の思いを職員が共有して全体の力がひとつに向くときです。

施設長が顔を向ける方向に職員は顔を向けるのです。施設長がどちら
に顔を向けるかは、自分で勉強するしかありません。

となると上のコンサルタントの指摘にある「障害者の日常的職業技能
訓練プログラム」や「施設職員の段階的研修プログラム」の必要性は
当然のこととして、そのまえに何が必要であるかが見えてきます。


また「第三者機関」という表現が見られますが、いわゆるアウトソー
シングのことです。施設長は、自分の能力は情熱をかけられる分野だ
けに特化して、自分ができなければ外注したほうがよいのです。とい
うことは「外注とは自分より能力のある人を使うこと」です。

このようにいうとアウトソーシングすれば何でもうまくいくようです
が、アウトソーシングの目的と目標が明確になっていないと、アウト
ソーシングの効果の測定ができませんから費用対効果が曖昧になって
しまいます。ここでも目標設定の力が施設長には求められるのです。

運営方針づくりには第三者の力の活用が必要であるとコンサルタント
はいいますが、あくまで「戦略」は施設長が立案するものです。戦略
は他人が作ることはできません。戦略は施設長の使命そのものである
し、施設長の人そのものだからです。この戦略立案を他人に任せるこ
とはすなわち「辞表を提出する」=「自分の負うべき責任を他人に任
せる」ことなのです。

もちろん戦略遂行のための「戦術」立案ならば、専門家であるコンサ
ルタントの力を大いに借りることは有効です。おなかが空いたときに、
中華料理を食べて空腹を満たす、という方針・戦略が明確になってい
れば、おいしい中華料理店の情報や、中華料理のおいしい作り方の情
報は専門家などその道の権威に教えを請うのが有効です。

しかしおなかが空いたからなんとかしてくれ、とだだをこねるのは子
どもがやることであり、大人らしくないのです。このように戦略と戦
術という概念をしっかりと理解した上でコンサルタントの支援を求め
ないと、コンサルタントの餌食になります。

なぜなら、コンサルタントにとって、戦略を持たずに助けを求めてい
るクライアント(ここでは施設長のことです)ほど手玉にとるのが簡
単な客はないからです。だから良心的なコンサルタントほど、戦略を
持たないお客を相手にしません。自分のコンサルティングがオールマ
イティ(100人が100人とも喜ぶ力を持っている)とは考えてい
ないからです。自分の限界を知る人がいちばん強い、といいますが、
このことはコンサルタントにとっても施設長にとってもあてはまるの
です。


企業から見た授産施設の項目は、以前、このメルマガでもお知らせし
たマーケティングの考え方と共通します。つまり、授産施設の中でい
かにすばらしいことを展開していようと、そのことが外部のターゲッ
トに伝わらなければ効果が生まれないということです。だから、施設
の職業的訓練の中身をよくしようとする行為とこのことを外部に伝え
る行為とは別ものと認識することが大切です。

そしてそのどちらもが大切なのです。授産事業で製造した商品を販売
するという目的があるならば外部のターゲットに伝える理由は販売す
るためです。では福祉施設が閉鎖的な印象を払拭して外部にその業務
を伝える理由とはなんでしょうか。

この理由を考える必要があります。コンサルタントがいう「一般企業
が福祉施設を理解していない」ことの内実を明確にしなければなりま
せん。福祉施設が一般企業に理解してもらうのは何のためでしょうか。

逆に福祉施設の施設長や職員は、一般企業(ここでは福祉施設以外と
いう意味です、ほんとうは福祉施設も一般企業も大して差はないと私
は考えています)のことをどこまで知っていますでしょうか。そして
その知らないことに関して何か不具合は生じていますでしょうか。

何も困っていないから知ろうともしていないのではないでしょうか。
一般企業の方々もそうです。福祉施設のことなど知らなくても何の不
自由もないのです。だから、何を何のために理解してもらうのかを明
確にしなければなりません。

このことを省略してしまうと、高価なパンフレットなどを作ってしま
い、デザイナーと印刷屋だけが儲かり福祉施設の置かれた現況に全く
変化が生じない(結果的に工賃が上がらない)ことになるのです。

コンサルタントにはパンフレット納入実績がのこり、施設長には1ペ
ージ目の顔写真入り挨拶文がのこりますが、障害者には工賃が残らな
くなるのです。


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★★ 障害者自立支援法の今後をちょっと考える ★★
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障害者自立支援法の抜本的見直しに関する報告書が昨年12月9日に
与党障害者自立支援法に関するプロジェクトチームから出されて、同
月26日の障害保健福祉関係主管課長会議の参考資料としても配布さ
れましたから、ごらんになられた方も多いと思います。

抜本的な見直しの視点の中で、ショッキングな言葉が2つありました。

ひとつは「介護保険との統合を前提とせず、障害者施策としてのある
べき仕組みを考察」というものです。

もう一つは「障害福祉サービスについては、障害者が地域で安心して
暮らせる社会の実現に向けて、地域の受け皿づくりや入所施設の拠点
的な役割を重視した基盤整備を進め、利用者の立場に立って、簡素で
わかりやすい制度体系を目ざす」というものです。

障害福祉施策は、役人が立案したのは間違いがないことです。しかし
法律を成立させたのは行政府ではありません。立法府です。与党の関
係者が自ら立法した法律に基づく制度のほころびを繕うのは当然の行
為としても、なんかあまりにも単純に感じます。

AをBにした。不具合が生じた。そこでBをAにすることを目指す。
というようなイメージを私はもちます。あなたはどうですか。

やはり法制度のめまぐるしい動きに翻弄されないような明確な組織運
営の舵取りの方向性とその意志を持たなければならないのだろうと思
います。


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★★ 今後の講演会・セミナーのお知らせ ★★
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   ☆彡★ 講演会のご案内 ★彡☆  2008年2月〜
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■■これからの予定■■
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 『平成19年度障害者自立支援法新体系移行等支援施設職員研修会』    
  2008年2月6日(水)13:30〜16:00
  会場 ボルフォートとやま4F琥水(富山市) 参加料 無料
  対象 関係者(施設職員)
  主催 富山県・富山県社会福祉協議会
  問い合わせ先 富山県社協 福祉サービス支援課   
         Tel 076-432-2959
--------------------------------------------------------------

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日程が変更になる場合があります。事前に主催者にお問い合わせくだ
さい。

あなたの施設や事業所でもさまざまな職員研修の一環として講演会や
セミナーを企画運営されているかと思います。ぜひお知らせください。

このメルマガ紙上にてお知らせします。掲載は無料です。ただし掲載
するか否かの判断は当方にお任せください。


情報は下記メールアドレスにお寄せください。
akira.naito@pamindoh.com





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★★ 編集後記とお知らせ ★★
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今回もここまでお読みいただきありがとうございました。

メルマガの配信が2日遅れましたことをお詫び申し上げます。

今朝、私の住む地方はこの冬2度目の積雪でした。


お読みいただいてのご感想、ご意見を下記メールアドレスにお寄せく
ださい。結構一方的に配信していますので、メールをいただけると力
が出てきます。お読みいただけているなと安心できます。

akira.naito@pamindoh.com

障害者自立支援法による制度・枠組みの中で力強く施設運営を進める
には、積極的な目標設定とまず第一歩を踏み出すことが必要だと感じ
ています。

人生のいろいろな場面で第一歩を踏み出したエネルギーをこのメルマ
ガに集めたいのです。

あなたの声をお待ちしています。

このメルマガは「施設長の資格」というタイトルですが、「施設長・
管理者」だけにむけて書いているわけではありません。むしろ若手・
中堅の施設職員の方に向けてメッセージを発しています。

あなたがたとえ施設長でなくても、もし自分が施設長ならばどういう
行動を取るかということを常に考えていることが重要です。

そして「施設長になる」という明確なビジョン・志をもっている職員
の方だけが将来「施設長・管理者」になれるのです。

ですからこのメルマガでは、障害者支援の一線で日々苦闘しているま
じめな職員の方々で将来施設長・管理者になりたいと本気で考えてい
る方にその資格を身につける情報をお届けします。

そうです。あなたのために あなたにお届けします。


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