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『施設長の資格』〜障害者施設の舵取り指南

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『施設長の資格』〜障害者施設の舵取り指南 第46号

発行日: 2008/1/1

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 ■■『施設長の資格』■■ 〜障害者施設の舵取り指南〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.46  2008/01/01


今回もご購読ありがとうございます。

2008年の幕開けにあたり、あなたのますますのご多幸をお祈り申
し上げます。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★★☆ 本日の内容 ☆★★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本日の内容は

「工賃ステップアップ事業」事業報告書 珠玉のヒント7 です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★★「工賃ステップアップ事業」事業報告書 珠玉のヒント7 ★★
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平成18年度国庫補助事業・障害者自立支援法調査研究プロジェクト
「工賃ステップアップ事業」の事業完了報告書が全国社会福祉協議会・
全国社会就労センター協議会(セルプ協)から発表されました。

全国6ヶ所の授産施設がモデル事業実施施設となり、セルプ協が事業
推進委員会を組織してこの事業の推進を図ったものです。

この報告書の中にちりばめられた珠玉のヒントの紹介シリーズの7回
目です。

コンサルタントが、福祉関係者以外の視点で授産施設に実際に入って
その状況などについて感じたことを問題提起したことのまとめに今回
も耳を傾けたいと思います。



▽▽▽ ここから引用 ▽▽▽

[仕事の内容]

●目標(工賃月額3万円)には所詮及ばないと思われる内職ベースの
既存事業見直しの必要性。

●目標に向かうためには、リスクはあるが敢えて高収益新規事業の開
発に取り組む必要がある。


[施設の体質、依存性等]

●工賃水準のアップは施設が努力して達成するのではなく、他からし
てもらえるのだと考えておられるような勘違いがあった。施設は、
黙ってコンサルタントに任せていれば、工賃が上がる仕組みを作っ
てくれると思われていた節がある。行政などへの陳情と同じように
考えておられてのではないかと思うほど、主体性が感じられない職
員がいた。本来は工賃アップを求める人が存在し、そのためにどう
するのかと、やっていくもの。

●無理やり「工賃アップをしましょう」とコンサルタント側から持ち
かけているような錯覚に陥ることも多かった。その度に工賃アップ
の必要性を説明し、職員もそのために努力することが本来の任務だ
と説得する時間が予想外に多く必要だった。

●職員、理事の意見統一に時間がかかる。また、一旦決定したはずの
事柄が容易に変更されることも多い。職員会議の話し合いで事を進
める慣習となっており、一人の反対があるとすべてが滞る。結果、
「今までどおりにしておこう」となると、なかなか改革は進まない。

●内部の「そんなことできない」という反発。

●職員にこそ自立支援が必要。もっと職員が事業経営の基礎を学ぶ必
要がある。


△△△ ここまで引用 △△△


上記はコンサルタントが実際に授産施設の現場を見て感じたことがま
とめられているわけですが、なかなか手厳しい感じがします。このコ
ンサルタントがみた現場というのは「工賃ステップアップ事業」に取
り組んだモデル事業所であり、全国から選抜された6ヶ所です。おそ
らく平均以上の成果は持っていたでしょうし、モデル事業に主体的に
取り組んだ姿勢にはとても頭が下がります。その事業所をみたコンサ
ルタントの問題提起だけに真摯に受け止めなければなりません。


さて、仕事の内容についての問題提起ですが、目標設定の大切さにつ
いては、いままでのメルマガでも強調してきました。

工賃月額3万円を支払うための事業として何を選択するかは、正しく
目標を設定することによって見つけることができます。

たとえば20名の利用者に3万円の工賃を支払うならば、毎月60万
円の支払い資金を作り出さなければなりません。純利50%の事業を
経営するならば、毎月120万円の収入(売上)を確実にしなければ
なりません。月25日営業ならば毎日48千円収入の得られる事業を
行うわけです。だから「内職ベースの既存事業見直し」とは、たとえ
ば具体的にいうならば「毎日確実に48千円収入の得られる事業を探
す」ということです。

当然のことのようですが、意外にそこまでの追求をされない方がいる
のです。つまり「工賃3万円を支払うこと」には賛同し、そのために
「毎日確実に48千円収入の得られる事業を探す」ことにも賛同した
とします。その収益をもし内職ベースの既存事業から得られないなら
ば既存事業は、すぐに止めなければなりません。「井戸掘りを止めな
ければ別の水脈に気づくことはできない」からです。

重要なポイントですが、内職ベースの仕事を続けながら、新規事業を
並行して見つけることはできません。まず、既存事業を止めることで
す。この『止める決心』が「既存事業の見直し」の第一歩なのです。

あなたなら気づくことができるでしょう? なぜ多くの事業者が既存
事業の見直しへ踏み出せないか。現在の事業を止めること、現在の工
賃さえ一旦支払えなくなること、を受け入れるという第一歩がないか
らなのです。

さらにもう一歩踏み込むならば、支払うべき工賃の額をいくらにすべ
きか、という検討をするときに、当然のことながら世間一般では最低
賃金を下限とみていることです。したがってたとえば時給700円で
1日6時間、月23日働くときは、97千円が月の収入として当然の
額(最低額)であり、当面、月額30千円を工賃目標にしたとしても
さらに目標を上方シフトし続けなければならないのです。このことを
少しは心にとどめて新規事業を見つける努力が大切だと思います。


つぎに施設の体質、依存性の項目についてのコンサルタントの問題提
起をみてみてます。

いままでのメルマガをお読みになった方ならお気づきでしょう。ポイ
ントは「施設を施設長と読み替える」ことです。


「施設が努力して達成する」という言葉が見えますが、このような日
本語はありません。主語がおかしいでしょう? 「施設」という言葉
のほんとうの中身は何か、という点を見過ごしてはならないのです。
施設長なのか、施設職員なのか。施設職員の場合はその中の誰なのか。
このようなことを瞬時に思い浮かべなければなりません。同様に「い
まの日本は……」「厚労省は……」などという言葉にも注意を払う必
要があります。

このようにしてコンサルタントの問題提起を改めて点検してみる必要
があるのです。

そうすると「工賃水準のアップは施設が努力して達成する」という言
葉は「施設長が努力して達成する」とまず読み替えるべきです。「主
体性が感じられない職員」という言葉も職員ではなく、まず施設長と
読み替えて、その後でその主体となる者の範囲を慎重に広げていくべ
きなのです。このようにすることで適切な対策(処置)が見つけられ
るようになるのです。

「本来は工賃アップを求める人が存在し」という部分の求める人とは
誰でしょうか。コンサルタントは障害をもつ人・利用者のことを想定
しているのでしょうが、工賃アップは、利用者の要請に基づくもので
はなく、事業者(施設長)がミッション・使命感に基づいて目指すべ
きものであると思います。

あなたはどのように感じますでしょうか。


「職員が学ぶべき事業経営の基礎」については、「施設長が活用すべ
き事業経営の基礎」と区別して(もちろん部分的には重複しますが)
その具体的内容を確認する必要があります。

ほとんどの場合、施設長(経営者)が事業経営の主体者・責任者とし
て職務を全うするのですから、「職員が学ぶべき事業経営の基礎」と
は事業所ごとに施設長が決めるべきことなのです。



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★★ 編集後記とお知らせ ★★
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今回もここまでお読みいただきありがとうございました。

本日は1年のスタートの日です。

あなたにとって2008年はどのような年にしますか?

どのような年にするかを是非考えていただき、それを紙に書いて自分
の見えるところに貼り出しましょう。

夢は行動して叶えるものです。その行動の第一歩を今日、刻みましょ
う。

お読みいただいてのご感想、ご意見を下記メールアドレスにお寄せく
ださい。結構一方的に配信していますので、メールをいただけると力
が出てきます。お読みいただけているなと安心できます。

akira.naito@pamindoh.com

障害者自立支援法による制度・枠組みの中で力強く施設運営を進める
には、積極的な目標設定とまず第一歩を踏み出すことが必要だと感じ
ています。

人生のいろいろな場面で第一歩を踏み出したエネルギーをこのメルマ
ガに集めたいのです。

あなたの声をお待ちしています。

このメルマガは「施設長の資格」というタイトルですが、「施設長・
管理者」だけにむけて書いているわけではありません。むしろ若手・
中堅の施設職員の方に向けてメッセージを発しています。

あなたがたとえ施設長でなくても、もし自分が施設長ならばどういう
行動を取るかということを常に考えていることが重要です。

そして「施設長になる」という明確なビジョン・志をもっている職員
の方だけが将来「施設長・管理者」になれるのです。

ですからこのメルマガでは、障害者支援の一線で日々苦闘しているま
じめな職員の方々で将来施設長・管理者になりたいと本気で考えてい
る方にその資格を身につける情報をお届けします。

そうです。あなたのために あなたにお届けします。


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●発行者:内藤 晃  ●発行:毎月1日・15日
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