トップ > アート&カルチャー > 哲学・心理学 > 順空和尚の一分で読めて一生忘れない悟りのお話

私が尊敬してやまない順空和尚の心に響くとっておきのお話を紹介します。

  • 最新号:2008-10-12
  • 発行周期:不定期
  • 読んでる人:63人
  • 創刊日:2006-06-02
  • Score!:100点
  • コメント数 : 7
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順空和尚の一分で読めて一生忘れない悟りのお話 No.168

発行日: 2008/6/15

■人間だからできること!) 心に涙をたたえて生きる■

「最近みんな、何でもすぐに泣きすぎるよ!」

そうお感じになったこと、ありませんか…?


かく言う私も〈涙をながす大切さ〉については、お葬儀の席などで常に力説をして

まいりましたし、現在もその気持ちに変わりはありません。


それは〈近しい人との死別〉という出来事に直面した際に、その悲嘆の感情を

〈極端に押し殺すこと〉の、心に及ぼす弊害を懸念してのことなのですが、ここ数年

「人様の前で、大の大人が、感情をあらわにして泣くもんじゃない」

といった、暗黙の社会的了解が決壊してしまった感があり、スポーツ選手が、芸能人が、

そして政治家までが抵抗感なく、やたらと人前でポロポロ泣くようになったと感じます。



事件や事故が起きた時にも、その被害者とはまったく見ず知らずの人が、現場へわざわざ

献花に出向き、マスコミのインタビューを受けて「本当に気の毒で…」などと語りながら、

ダラダラ涙を流すのを見ていると、失礼ながら「安い涙だなぁ…」と、ちょっと辟易として

しまいます。


憎まれついでに更に言うなら、芸能人が、政治家が、そして野次馬が流すそうした涙とは、

人前では流れるけれど〈人が見てない所〉ではけっして流れない性質の涙なのではないか、

とも思うのですが、そんな風に考える私ってひねくれた極悪非道な坊さんですか…?



繰り返しになりますが、とにかく最近の風潮は〈できごと〉と〈落涙〉とがあまりに

直結しすぎで、本来その間にあるべきできごとを「深く感受し・想いを練る」という

部分が欠落している、と感じるのです。


結果、涙は薄っぺらなものになり、心の赴くままただダラダラと涙を流してしまう人の心は、

むしろ潤いをなくし渇いていくのではないか、とさえ思うのです。



涙とは「ひとまず心の器にたたえられるべきもの」ではないでしょうか?

そして〈合掌〉の本質が「掌を合わせる」のではなく「掌が合わさる」のであるのと同様に、

本当の〈涙〉とは「流す」ものではなく「溢れ、こぼれる」ものなのではないでしょうか…?



心に涙をたたえながら生きる人の人生は優しく、自らの感情を律し耐え忍んだその先で、

それでもこぼれてしまう涙だから、その一粒一粒には自らを癒し、人を慰める力があるのだと

私は考えます。

 
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