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斎藤吉久メールマガジンNo.375「東京新聞『天皇制再考のすすめ』」

発行日: 2008/2/11

▼「聖徳太子はいなかった」

 昨日のメルマガの続きを書くつもりでしたが、昨日の東京新聞に載った社説「書き換わる聖徳太子像」が何とも気になるので、予定を変更して書くことにします。

 社説は、実証史学の積み重ねによって「聖徳太子はいなかった」という結論が決定的になったらしい。聖徳太子は日本書紀によって創作され、後世に捏造が加えられたという結論が学界の大勢になった。創作・捏造したのは藤原不比等というのが研究者の説明で、日本書紀の編纂過程で古代の「倭の大王」は「天皇」に変わり、万世一系の思想や聖徳太子像が創作されたとされる、と最近の研究成果を紹介しています。

 そのうえで社説は、日本書紀の思想・論理が現代の憲法と皇室典範に引き継がれているが、万世一系も父系原理も日本古来のものではないようだから、建国記念の日に、永遠であるかのような日本の原理と由来、未来を探ってみるのはどうか、と読者に勧めています。

▼とどめを刺したのか?

 たいへん刺激的な社説ですが、気になることが2点あります。

 第一は、古代史研究の結論がほんとうに大使の実在にとどめを刺したといえるのかどうか、です。

 実証史学が資料に基づくところに説得力を持つのでしょうが、逆に資料の限界もあります。資料がなければ証明ができないし、新たな資料が現れれば論は変わり得ます。アカデミズムには終わりがないと見る謙虚さが忘れられているように思われます。

 だとすれば、第二に、創作・捏造の日本書紀の思想・論理を引き継いでいる現代の天皇制もまた創作・捏造だ、といわんばかりの社説の主張は行き過ぎというべきででしょう。

 日本書紀の創作者が天皇制を捏造してとしても、そのことが古代史研究によって明らかになったとしても、1000年以上にわたって日本人が万世一系、父系原理を信じてきたという事実は変わりようがありません。日本人が天皇をかくあるものとして信じてきたことがもっと大切なのです。

 モーツアルトの作品が偉大であるのと同時に、それを傑作たらしめるのは名管弦楽団にして可能だ、ということを忘れるべきではないでしょう。

▼信じられてきた事実

 日本の天皇だけではありません。イエス・キリストがいかに生まれたのか、ほんとうはどのような人生を送ったのか、という事実を暴き、伝説を否定したからといって、世界のキリスト者たちが2000年にわたって積み重ねてきた信仰は揺るがないでしょう。

 ジョージ・ワシントンやレーニンについて、多かれ少なかれ、伝説が伝えられていますが、それらは誰かが作ったという事実より、信じられてきた事実の方が重要です。

 アカデミズムが伝説の創作・捏造を暴くことは、あたかも村の外れにある小さな祠のご神体がただの石ではないか、といって笑うようなものです。ただの石でしかない、と思うのはアカデミズムの思い上がりであり、みずからの想像力の貧困さを暴露するものです。ただの石、であろうはずがないからです。

 それにしても、なぜこのような社説を、建国記念の日の前日というタイミングで、この新聞社は載せたのでしょう。もしや天皇制打倒運動ののろしなのでしょうか。

 天皇の制度が不比等の時代の創作だったとしても、以来、千年以上、幾多の変遷を経ながらも続いてきたのは世界に例のないことで、でっち上げだと否定するより、世界に誇るべきものがあると考えるのが常識的な見方のはずです。バランス感覚に欠けた社説というべきです。

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至乃輔靖国問題の根本は国内問題ではないでしょうか?

国内にくすぶる火種を国内左翼がうまく取り込み、一部等のメディアを通じ一般大衆へと喧伝する。同和問題、歴史教科書問題などもこれに通ずると思います。

靖国問題の火種は会津及び東北諸藩士の靖国合祀問題にあります。(鹿児島では西隆盛はそのようなことに関係なく慰霊顕彰しているが)歴史的見解は多々あるようですが、官軍(東北では西軍と記述している場合が多い)兵士の会津戦争における行為は戊辰戦争中の唯一の愚行ではないでしょうか?

赤坂城攻防戦の戦死者を「寄手塚」「身方塚」と「敵」とせず、しかも「寄手塚」を「身方塚」より大きく作って、御皇室の精神として慰霊した楠木正成と比較しても、大村益次郎の創建主旨は御皇室の精神と乖離していているように思われます。

この乖離は東京招魂社として創建されたいきさつから致し方ないとは思いますが、同じ会津藩士でも「禁門の変」の時、皇居を守護し戦死した藩士は合祀されていることからも明らかであります。

国内にはやはり非常に筋が通った形で靖国神社に不快感を持つ人たちが存在しています。僕はこの火種を取り除くことこそ靖国神社が真に国体を護持した多くの兵士、国民を慰霊する空間となることが出来る様に思います。
日時:2008年2月12日


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